【ライヴレポート】ΛrlequiΩ主催<friend&fiend 2025>、互いに認め合う全8組が大集結「約束したいと思います」

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ΛrlequiΩ主催<friend&fiend 2025>が2月15日、神奈川・川崎CLUB CITTA'で開催された。“リスペクトしあえる仲間たちと楽しい空間を生み出したい”というΛrlequiΩからの呼びかけに賛同して全8組が集結した同ライヴイベントのオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆<friend&fiend 2025> 画像

血の通いあう関係からしか生まれない、濃厚で熱いシナジー効果を生み出すライヴイベントが2025年も実現した。オーガナイザーは昨今シーンの枠も飛び越えながら革新的な活動を繰り広げ続けているΛrlequiΩ。彼らからの“リスペクトしあえる仲間たちと楽しい空間を生み出したい”という呼びかけに賛同したDOG inThePWO、ザアザア、RAZOR、えんそく、vistlip、BugLug、Royzという錚々たる猛者たちが、川崎CLUB CITTA' に大集結したのである。

題して<ΛrlequiΩ Presents「friend & fiend 2025」>。このイベントタイトルは2024年の初開催時にΛrlequiΩのフロントマン暁が意思を込めて冠したものだ。friendは友だちの意であるが、fiendが意味するのはなんと悪魔だというではないか。これだけ真逆のニュアンスを持った言葉を組み合わせのには明確な理由があったそうで、暁曰く「これは、friendからrespectのrが抜けちゃうと…っていうことなんですよ」とのこと。すなわち、この場に集まった全てのバンドは互いに深い尊敬の念を持つ関係性にあると考えられる。

今回のイベントでは、各バンドのステージに主催者であるΛrlequiΩの暁、奈緒、來堵、祥平がランダムでゲスト参加し、共に1曲をプレイするという場面が組み込まれていたのも特徴的。そうしたところからも単なる対バンイベントとは異なる“血の通いぶり”をひしひしと感じることができた。<friend&fiend>だからこそ遭遇できる奇跡的なケミストリーというものを、今回のイベントでは幾つも観ることが叶ったのだ。

▼DOG inThe PWO



今宵のトッパーとして颯爽と登場したのは活動再開から1年が経ったDOG inThe PWO。紆余曲折を経ての今、以前にも増してバンドとしての結束力が高まっているであろう彼らのパフォーマンスは、終始ハイエナジーな空気感に満ちたもの。「ハルシオンキャンディ with 暁」でヴォーカリスト春がみせた暁との丁々発止なやりとりも実にエキサイティングだった。

と同時に、最後に聴かせてくれた新曲「DROPOUT」が、5月からスタートして6月21日の恵比寿LIQUIDROOMでファイナルを迎えるワンマンツアー<STREET>への期待を高めるものでもあった。

▼ザアザア



CLUB CITTA'の中に突如として暗澹たる雨の光景を生み出し始めたのはザアザアだ。彼らは2024年に10周年を迎えただけあって、その貫録をステージングの随所で感じさせてくれた。

歌う人であるだけでなく詩人でもある一葵の描く歌詞はどれも病みがちで、痛々しく聴こえることも少なくない。しかし、たとえば「どす黒い with 來堵」のように狂気をはらんだ感情が極まって暴発した末に、素晴らしきカタルシスを創出することも多々ある。なお、今回はギタリスト春芽が共演者にして先輩でもあるえんそくのJoeから譲り受けたギターを使用していた点も実にエモかった。

▼RAZOR



これだけの強豪が揃った一夜においても、その名の通り、鋭い切れ味と威圧的とも言える迫力で空間支配してみせたRAZORは、容赦ない攻めっぷりを披露して聴衆を惹きつけることに。

2025年2月は<川崎雁字搦め>と題したシリーズワンマンを6本、さらにこの当日も含めた2本のイベントと合わせて8本ものライヴを川崎にて敢行することになったそうだが、もはや場所も状況も関係なくバチバチなスタンスで「DAMIAN FLY」を放ち、ラストは「埋葬 with 奈緒」でブチあげる剛腕さはさすがの一言。6月にフロントマン猟牙の生誕祭として行われる東名阪ワンマンツアー<不惑の園>も今から期待大だ。

▼えんそく



驚きあり、笑いあり、感動あり。2025年に20周年を迎えて現在は、えんそく最初で最後の47都道府県ワンマン企画<いつか君の町にも~えんそくセイジンの儀~>を続行中のえんそくは、冒頭から「とってもマッケンロー (リーダーがハンサム編)」として祥平をベーシストに据えての演奏をしれっと展開。

本物のリーダーであるミド(B)は2曲目からの登場となり、弁の立つフロントマンぶうは冴え渡る語り口で事あるごとに場内の爆笑をかっさらっていった。それでいて小気味よい曲調にペーソス漂う歌詞がのる「最後のえんそく」では“えんそくちゃん”節が全開に。手練れ過ぎる怪演ここにあり。

▼vistlip



なにをもって正統派とするかは諸説あろうが、vistlipはヴィジュアル系バンドとしての矜持と良識を持った賢者であり、誠実にvistlipとしてのスタンスをここまで護り続けてきた集団であるように思えてならない。音楽的には良い意味で王道的な部分も大事にしながら、作品ごとに新たなアプローチをみせてくれるところも重要なポイント。

今回のライヴでは「Mary Celeste」をはじめとした最新アルバム『THESEUS』からの楽曲を多めに聴かせてくれていた点に尊さを感じた次第だ。くわえて、アグレッシヴな「DANCE IN THE DARK with 暁」でのハジけっぷりもお見事。つくづく隙がない。

▼BugLug



今や恒例となった<バグサミ>の主宰バンドであるBugLugは、このたび招聘される側として場を目一杯にかき回してくれたのではなかろうか。Wベーシスト体制で臨んだ1曲目の「人造カオス with 祥平」から、ラストに奏でられた3月12日にリリースされる新曲「poru」まで、限られた時間の中ではあったものの、一聖を筆頭に彼らの放つBugLugらしさは全編から十二分に伝わってきた。

そして、気づけば彼らも2025年は15周年。8月9日=バグの日に開催される日比谷野外大音楽堂公演<15th ANNIVERSARY ONEMAN LIVE「ASOVIVA~真夏の太陽と冴わたる月の詩~」>は必見だ。

▼Royz



記念すべき夜のトリ前という佳境を任されていたRoyzは、ヴォーカリスト昴によると「あのままだったらバンド自体が終わってた」というくらいの難局をコロナ禍に乗り越え、意識改革を果たし現在に至っているのだとか。

2024年末開催の<Royz Presents COUNT DOWN LIVE 「GOD FES」>ではΛrlequiΩが加勢したのに対し、今回はRoyzが協力をしたことになるが、ここで聴けた「JOKER with 奈緒」は両者の絆に彩られていたと確信する。3月12日に発表される新音源『TRANSFORM』と、続くツアー<幻影都市から愛を込めて」-FORMⅠ>でも進化したRoyzの勇姿をご堪能いただきたい。

▼暁 (ΛrlequiΩ)

さて。いざクローザーにしてオーガナイザーであるΛrlequiΩの登場となり、演説台のごときステージセットの上に陣取った暁が、この夜、まず観衆たちに向けて投げた掛けたのは以下のような言葉だった。

「皆さん、本日はご来場いただきまして誠にありがとうございます。今回のイベントには“このバンドに出てもらえればきっと楽しいだろうな”という、信頼の名のワクワクをもって声をかけたわけですが。多分“アッチ”からも信じてもらえてるんだろうな、と僕は感じてます。まぁ、どうしても限りがあるよね、僕らの時間には。カラダもひとつだし。だから、みんなに今日この場所を選んでもらうというのも、そこには信頼という名のワクワクを持ってもらえてるからなんじゃないかと思ってるんです」──暁

▼來堵 (ΛrlequiΩ)

▼奈緒 (ΛrlequiΩ)

確かに、14時半から始まり、時計を見やれば21時にもなろうかという相当な長丁場のイベントであったにも関わらず、この<ΛrlequiΩ Presents「friend & fiend 2025」>においては飽きや中弛みの類いを感じることはまるでなく、幕間にはさまれていた出演後のアーティストとMC山内秀一によるトークの時間まで全て込みで、あらゆる瞬間が見どころにして聴きどころだった。

また、ΛrlequiΩのステージについても既存のキラーチューンだけでなく、リリース前の最新シングル曲「血ヲ通ワセロ、ソノ命全テニ。」をここぞというところで力強く聴かせてくれたところにも、ライヴバンドとしてのただならぬ気概を感じることになり、曲が進むにつれてあたかもワンマンライヴを観ているかのような感覚に陥ってしまったほど。元来ΛrlequiΩは高い説得力を持つバンドだと言えるが、近年の彼らが持つその能力にはどこか尋常ならざるものを感じてしまうところさえある。

▼奈緒 (ΛrlequiΩ)

「ただ楽しいだけで良かったんですけど、今日はそれ以上のものをこの場所に見つけてしまいました。そして、もっとこんな風になったらいいなということも想像してしまいました。それを実現することが出来た時には、また遊びに来てください。僕、約束するのはキライだったんです。どっちかは全体重をかけて約束してるのに、どっちかは凄い軽い気持ちで約束してたりとか。“あぁ、不幸ってこういう風に生まれるんだろうな”って思ってたんですよ。でも、そんなことよりも今日でこれを終わらせたくないなと思った気持ちのほうが大きいので、今日は約束したいと思います。またいつか会いましょう!」──暁

この言葉のあとには、一旦「ダメ人間」で場内に最高の修羅場を生成してみせたΛrlequiΩだが、それに引き続いてのおかわりとして当日の出演バンドから有志が参加してΛrlequiΩの「像」をセッションするアンコールも用意されており、そこではある種のカオスな状態が生み出されることになった。というのも、ザアザアの亞んがウォールオブデスの発生したフロアへ乱入したり、えんそくのぶうがステージのフロントで像と化したり、ステージのそこここで誰かと誰かがワチャワチャしあったり、と目が幾つあっても足りないような様相が繰り広げられたのだから堪らない。ある意味、それはひとつの空間の中に友だちと悪魔が入り混じったような状況でもあったような。<ΛrlequiΩ Presents「friend & fiend 2025」>とはこれいかに。

▼ΛrlequiΩ

血の通いあう関係からしか生まれない、濃厚で熱いシナジー効果を生み出したこの大切な一夜を成功させたうえで、ΛrlequiΩが3月から挑んでゆくのは<ひとりにはなれない僕ら>と題されたツアーだ。各地でのワンマンと対バンライヴを幾つも重ねていくことになる旅を経験することで、彼らはもっとたくさんの血の通いあう関係を築いていくに違いない。揺るぎない意思のこもった新曲「血ヲ通ワセロ、ソノ命全テニ。」から始まる、ΛrlequiΩの新たな未来にご注目を。

取材・文◎杉江由紀
撮影◎川島彩水

■シングル「血ヲ通ワセロ、ソノ命全テニ。」

2025年2月26日(水)発売
【初回限定盤(CD+DVD)】ANMA-026A ¥2,860(tax in)
※デジトレイ + スリーブケース仕様 + 16Pブックレット付き
▼DISC1.(CD)
1. 血ヲ通ワセロ、ソノ命全テニ。
2. 「」 IN THE SHELL
3. 血ヲ通ワセロ、ソノ命全テニ。 -instrumental-
▼DISC2.(DVD)
「血ヲ通ワセロ、ソノ命全テニ。」MUSIC CLIP + OFF SHOT
封入特典:ランダムトレーディングカード絵柄 2枚(全8種)

【通常盤(CD)】ANMA-026B ¥1,650(tax in)
※ジュエルケース仕様
▼DISC1.(CD)
1. 血ヲ通ワセロ、ソノ命全テニ。
2. 「」IN THE SHELL
3. バール
4. 血ヲ通ワセロ、ソノ命全テニ。 -instrumental-

■<ΛrlequiΩ LIVE TOUR「ひとりにはなれない僕ら」>

3月01日(土) 千葉LOOK
出演:ΛrlequiΩ ※ONEMAN DAY
3月08日(土) 高田馬場CLUB PHASE
出演:ΛrlequiΩ / Guest : CHAQLA. / MAMA. / nurié
3月09日(日) 高田馬場CLUB PHASE
出演:ΛrlequiΩ ※ONEMAN DAY
3月22日(土) 池袋EDGE
出演:ΛrlequiΩ / Guest : メリー
3月29日(土) HEAVEN’S ROCK さいたま新都心VJ-3
出演:ΛrlequiΩ / Guest : Psycho le Cému
3月30日(日) HEAVEN’S ROCK さいたま新都心VJ-3
出演:ΛrlequiΩ ※ONEMAN DAY
4月05日(土) F.A.D YOKOHAMA
出演:ΛrlequiΩ / Guest : 夕闇に誘いし漆黒の天使達
4月06日(日) F.A.D YOKOHAMA
出演:ΛrlequiΩ ※ONEMAN DAY
4月12日(土) HEAVEN’S ROCK 宇都宮VJ-2
出演:ΛrlequiΩ ※ONEMAN DAY
4月19日(土) 柏PALOOZA
出演:ΛrlequiΩ / Guest : NoGoD / DEXCORE
4月20日(日) 柏PALOOZA
出演:ΛrlequiΩ ※ONEMAN DAY
4月29日(火祝) 水戸ライトハウス
出演:ΛrlequiΩ ※ONEMAN DAY
5月03日(土) HEAVEN’S ROCK 熊谷VJ-1
出演:ΛrlequiΩ / Guest : BugLug / コドモドラゴン
5月04日(日) HEAVEN’S ROCK 熊谷VJ-1
出演:ΛrlequiΩ ※ONEMAN DAY
http://arlequin-web.com/news/4037.html

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