【ライブレポート】全方位に増田貴久の魅力が詰まった初ソロコンサート

2月12日にリリースした1stソロデビューアルバム『喜怒哀楽』を引っ提げた、増田貴久として初めてのソロコンサート<増田貴久 1st LIVE 喜怒哀楽>が東京・大阪2都市で開催。大阪1公演・東京3公演あわせて26,700人を動員し、東京ガーデンシアターでは1公演8,000人のファンが集結した。
◆ライブ写真
『喜怒哀楽』のアートワークやMV衣装を私物でスタイリングするなど、増田貴久としての表現を突き詰めたアルバムを軸に展開される本公演は、全編増田貴久プロデュース。衣装スタイリングから照明と連動したステージ演出など、随所にアーティスト・増田貴久の視点が込められており、本人も「NEWSに育ててもらった増田貴久が1人でどんな作品を作れるのか。戦ってきます!スタッフ、バンド、ストリングス、ダンサーの皆さんと一緒に頑張ります!」と気合十分。
総勢25名のストリングスと生バンドを従えた重厚なサウンドで、管弦の音と交わる力強い増田貴久の歌声をホールならではの豊かな音響で堪能できるうえに、ダンサーを背負った激しいパフォーマンスも見ることのできる多彩な公演となっている。
増田貴久の中にある歌・音楽がすべて詰め込まれた『喜怒哀楽』の世界が表現された、東京ガーデンシアターでの2月25日公演の様子をお届けする。
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アルバムタイトルでリードトラックの「喜怒哀楽」から公演はスタート。「ラララ」のコーラスが流れる中、スパンコールが施されたキラキラの白衣装姿で増田が登場。客席からは自然と拍手や歓声が沸き上がる。「たとえ声が届かなくても僕の喜怒哀楽ここで歌っている」と魂のこもった歌声で、楽曲冒頭をアカペラで歌い始める。堂々とした佇まいと力強い歌声に増田の熱い想いが伝わってくるようだった。曲が始まるやいなや、激しいラップに合わせレーザー照明が交差したり、次々と変化する曲調に合わせて音だけではなく視覚でも楽しめる演出となっていた。
続いては「Master's bomb」。重低音に合わせて畳みかけるように繰り出されるラップ。曲中に登場する《Paint it yellow》の歌詞に合わせてか黄色いライトが点灯されるなか、歌詞のテキストがモニターを埋め尽くすという、刺激的で観客の心に刺さるような演出も印象的。「Master's bomb」を終えると、増田が鏡の中に迷い込むような映像が流れ、増田は鏡の中の自分と見つめ合う。見つめ合ううちに目元がアップで映り、瞳の中に「Venom」のパフォーマンスが映るという斬新な仕様で楽曲がスタートする。ここでダンサーチームも登場し、歌いながらメリハリのあるダンスも披露。歌だけでなくダンスも魅力たっぷりだ。
クールで力強いパフォーマンスをしたかと思えば、突如ライブタイトル<喜怒哀楽>にかけた「まっすーの喜怒哀楽を引き出そう」というミニコーナー風のゆるい映像が流れる。バラエティー番組で見られるようなお茶目でキュートな増田の姿に、ファンからは「かわいい」という声や爆笑の声も上がっていた。
映像が終わるとピアノが流れだし、Every Little Thing「恋文」のカバーへと続く。優しく心に沁み入る歌声で丁寧に歌われる増田の声とストリングスとの美しいハーモニーにうっとりできる、心が震える1曲だった。続けて増田はピンスポットの中、山下達郎の「FOREVER MINE」を歌い始める。のびやかな歌声を奏で、両手を広げのびのびと歌う姿もみられた。それぞれのパート演奏する演奏者にもスポットがあたり、共演者へのリスペクトも感じられる演出となっていた。
「キャンディ」ではパーカッションとギター、そして増田の3人でアコースティックパフォーマンス。歌い出す前に、増田が腰をかける椅子を上手の客席寄りに置くと、増田と近い距離感に客席からは悲鳴が上がる。キュートな歌詞に合わせて美しい高音の歌声も聴かせてくれた。
「キャンディ」が終わると増田は、「次の曲はせっかくなんでそっち側で歌います」とファンへ呼びかけ、下手側に移動。2006年リリースのテゴマス楽曲「ミソスープ」のイントロが流れると、あまりの懐かしさに客席からは声があがり、泣きだすファンの姿も。増田はステージの端から端までニコニコほほ笑みかけ、サビ部分ではファンと一緒に歌い、増田から「下ハモやってみる?」とファンとハモろうとする声かけまで。曲終わりには、客席と一体となって拍手をしている増田の姿があった。

「hanami」ではピンクのライトの中、しっとりと優しい歌声で客席に語りかけるように歌い、「戀」では自然の中で撮られたMVをバックに「君への唄」という歌詞で、客席へ向けての指さしも。ストリングスメンバーの紹介を挟んだあと、増田は黒Tシャツ姿で登場。「Symphony of Dissonance」では透過する紗幕越しにパフォーマンスが映る。重低音が響くなか《寝そべって淀む視界を》の歌詞で床に寝そべって歌ったり、フラッシュライトの中ダンスしたりと、見どころいっぱい。
暗転し、NEWSの最新ツアー<JAPANEWS>でも披露した「kawaii」が始まると素早い足さばきで踊り、歌とダンスを披露。曲に合わせて、ステージライトが生きた人間のように頷くような動きをしていたのもかわいかった。「Pumpkin」のイントロがかかると、こちらも客席から悲鳴があがる。2007年のコンサート<Never Ending Wonderful Story>以来約18年ぶりの披露とあって、会場は大盛り上がり。ファンも拍手で盛り上げる。歌詞に沿って筋トレ風の動作をダンサーと見せるキュートな振り付けにも注目だ。
「Girls That Dance」ではダンスバトル風のシーンもあり、クールなダンスを堪能。ダンサー一人ひとり名前とソロダンスが映し出されていたのだが、その場を盛り上げるべく大きな動きでステージを照らしていたステージライトも、ダンサーの一員に混じって“照明機材”として紹介されており、茶目っ気ある演出に客席からは笑いが巻き起こっていた。「Remedy」でも増田は歌いながら、ダンサーと一体になってゴリゴリのダンスを披露。フォーメーションダンスなど、増田含むパフォーマー全員が音に乗って楽しんでいるのが伝わってきた。
ここでまた「まっすーの喜怒哀楽を引き出そう」の映像が挟まれ、直前までかっこいいパフォーマンスを見ていたファンから、ほのぼのとした空気感とのギャップに笑いが起きる。この回では喜怒哀楽の「楽」を引き出したいということで、スタッフから増田へ「何をしてるときが一番楽しい?」と質問が。増田は「やっぱりライブ。その日、その場所でしか生まれないものがそこにある。」と答えると会場から「おぉー!」と感嘆の声がもれる。続けて増田が「(ライブは)特別だし、不思議だし、楽しいたけだなって」と、スタッフが用意していたシイタケの被り物にかけた小ボケを言い、会場からは失笑が。遊び心も忘れない増田だった。
「XXX」では増田自身がパッドを用いて音や声を操り、曲が始まる。増田の周りには様々なマイクが360度囲むように置かれ、フレーズごとにハンドマイクを使ったりスタンドマイクを使ったりして歌い上げていく。増田の背後には“TAKAHISA MASUDA”のネオン文字もピカピカと輝いていた。

m-floの☆Taku Takahashi、VERBAL、Ryohei Yamamoto提供の楽曲「Echoes」では、ダンサーも登場し、切なげな歌詞をポップに歌い上げ、NEWSメンバーの加藤シゲアキが作詞を担当した「おやすみなさい」では、満点の星空を表現したようなライトの中、優しい歌詞をゆったりと力強く歌っていく。「物語」では、モニター上にパフォーマンスをする増田とその横に歌詞が映り、サビではNEWSでもおなじみの、客席を巻き込んだ大合唱が起きる。エモい空気感のなか曲が終わると、増田は満足そうに微笑んでいた。
最後はマイクを通さずアカペラで歌い出し、バンドサウンドとともに「喜怒哀楽」を再パフォーマンス。パワフルな歌声で、客席一人ひとりへ視線を向けながら丁寧に歌い切った。すべてをやりきった増田が立ち去り、公演終了のアナウンスが流れるも、客席からはしばらくの間拍手が鳴りやまなかった──。
歌にダンスに演出に衣装にと、全方位に増田貴久の魅力が詰まった盛りだくさんの1st LIVE。NEWSのライブを彷彿とさせる演出や、NEWS内での初期ソロ曲、テゴマスの楽曲など、今までの活動の軌跡が随所に散りばめられた最高のライブだった。2025年も舞台にミュージカルにアイスショーと多忙な増田の今後の活躍にも注目だ。
取材・文◎吉田藍
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