【インタビュー】THE FRANK VOX、「今の段階で作りたいものをフルパワーでガツンと出す」

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THE FRANK VOXが、2ndミニアルバム『VOX BOX 2』をリリースした。

TBS・MBS系全国ネット『プレバト!!』2025年2月〜3月エンディングテーマおよびABCテレビ『部活ピーポー全力応援ブカピ!』2025年1月〜3月エンディングテーマに起用された自身初となる卒業ソング「また、会おう」をはじめ、舞台「〜女子大小路の名探偵 新章〜舞台『死は、ど真ん中に転げ落ちて』」(3月中旬より銀座 博品館劇場で上演)主題歌の底抜けに明るい「ワッショイジャパン」、MANABOONが編曲を手がけたR&Bテイストの「愛を唄おう」など、本作には現在の好調ぶりが窺える、サウンドアプローチも色とりどりの凛とした全9曲を収録。

今回はそんな新作について、メンバー全員にインタビューを実施。『VOX BOX 2』の聴きどころはもちろん、彼らが今どんなことを思いながら活動しているのかにも注目だ。

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◾︎全曲シングルカットされてもいいくらいのクオリティにできた

──「#目指せ大阪城ホール」の進捗はいかがですか?(※THE FRANK VOXは2028年までに同会場での単独ライブ開催を夢に掲げている)

RYO-TA(MC):確実に前進しております! 目標達成までの期間が残り3年になってプレッシャーはあるけど、自分たちのファンクラブ“THE FRANK HOME”ができて、ファンネームが“フランク一家”に決まったことで、すごく団結力というか、みなさんの熱量がさらに感じられるようになったんですよ。ああ、この人たちが居てくれたらもっともっと輪が広がっていくし、いっしょに大阪城ホールへ行けるぞって。

──メンバーの団結力だけじゃなくて、ファンの団結力も大きくなっているんですね。

RYO(Vo):(不自然な暗いトーンで)僕ら4人はものすごくバラバラになっていってます……。

RYO-TA:なんでやねん!

YASU(Vo):そんなわけないやろ(笑)。

SNG(MC):ちゃんと仲良くやってますんで!

RYO-TA:変わらずワイワイやりながら、全国各地をハイエースで周回中です。

RYO:あははは。オッサンになっても仲良すぎて、ちょっと気持ち悪いくらいやけどな(笑)。

──そこが素敵だと思います。じゃあ、ライブの動員は引き続き増えていて。

RYO-TA:はい。ただ増えるだけじゃなくて、男女比も同じくらいになってきたりとか、お子様から年配の方まで世代も幅広いなと感じてます。

YASU:SNSでフラボを知った方が、フリーライブに足を運んでくださるんです。そういう場での出会いに僕らも常々びっくりしながら、メンバー同士で「あの人、知ってる?」「初めてのお客さんちゃうかな」みたいに話してたり。もちろん、フランク一家の存在もありがたくて、たびたび来てくれている方は顔なじみになってますね。

──2024年8月には、フラボ初の海外公演も台湾で開催されました。

SNG:すごくいい経験でしたね。シンプルにレベルアップできたと思います。いくつか現地の言葉を用意はして行ったんですけど、基本的に日本語が通じないぶん、身振りとか声の感じとか表情とかでカバーしなきゃいけない。そんな中でしっかり楽しんでもらえたから、どんな場所でもやりきれる力が多少はついたんじゃないかと。

RYO-TA:オーディエンスの歓声が多いのは、さすが海外やなという感じで。

YASU:熱狂的な方がグワーッと前に来てくれたりとか。

RYO:YOASOBIさんやOfficial髭男dismさんのように、海外のアジア圏でライブをされるアーティストが最近けっこう増えたこともあってか、J-POPが好きな方はやっぱり多いんだなと肌で感じました。これまでのフラボは海外に対しての意識があまりなかったんですけど、台湾公演を通して自分たちも海外の人に届くJ-POPをやれているんだなって、またひとつ自信が持てたところがあります。

──ちなみに、ファンネームが“フランク一家”になった決め手というのは?

RYO:ネーミング案を募集した結果、上位3つくらいが接戦で悩んだけど、先に決まっていたファンクラブ名“THE FRANK HOME”にマッチしたところですね。僕らが大切にしたいのは、アットホームなあったかい場所にしたいという気持ち、家族感があることやったので。

SNG:観に来てくれる方々から家族みたいなあったかさが伝わってくるし、家族連れのお客さんは実際にたくさんいて、カタカナ+漢字の字面もハマリがよかったんですよね。去年の12月に初めてやったファンクラブイベントでは、家紋入りのロンTを作りました。バックの家紋は僕がデザインして、フロントの“フランク一家”の文字はRYOに直筆で書いてもらったんですけど、ちょっと滑稽な感じが逆にいいなって。かなり目を引くじゃないですか。フリーライブの会場でも、フラボを背負うようにこれを着てくださっているのが嬉しいんです。

──新作の『VOX BOX 2』は、全9曲が収録された太っ腹なミニアルバムになっています。もはや、フルアルバムと言ってもいいんじゃないかっていう。

全員:わはははは! ですよねえ(笑)。

RYO-TA:“この曲を入れたら、大阪城ホールに近づくんちゃうか?”“あっ、この曲も必要やな”みたいな感じで作っていて、気づけば盛りだくさんになってました。

──“自分たちの声(VOX)を箱(BOX)に詰め込んで綴り、届ける”という想いは引き続きあったと思うんですけど、他に何か意識されたことはありますか?

RYO:肩の力を抜いたりはあまりせず、今の段階で作りたい、書きたいものを、フルパワーでガツンと出すことですね。全曲シングルカットされてもいいくらいのクオリティにできたというか。ちょっと前にリリースした「闘う君への応援歌」(2024年9月発表の2nd EP『VOX GIFT 2』収録曲)を、たくさんの人たちに支持してもらえたのが大きかったかもしれません。自分たちのストレートな応援ソングが、どうすれば今の時代を生きていく人たちに刺さるのか。ずっと話し合ってきたテーマだったんですけど、この表現でいいんだなと思えて、それが攻めの姿勢に繋がった気がします。



──よりストレートな表現になったと言いますか。

RYO:ただストレートなだけじゃなく、薄っぺらくならないようにしたくて。言葉の純度を上げることは心がけましたね。

SNG:詞やメロディも大切なんですけど、歌がどう聴こえるかですね。「もう少しこぶし入れたら?」とか「今、ちゃんと大阪城ホールを意識して歌えてた?」とか、4人で細かく確かめながらレコーディングしました。私生活でどれだけ考えているかは歌にも表れてくるから、常にメンバーとはいろいろ話すようにしていて。気持ちの乗せ方は前よりも理解できてきたと思います。

YASU:僕も今までは綺麗な声で上手く歌おうとしがちだったんですけど、「闘う君への応援歌」をアレンジしてくださったYANAGIMANさんに、グルーヴ感とかリズムとか、歌に対しての向き合い方をすごく教えていただいたんです。そのときにどうすればもっと伝えられるかを見直せました。

──1曲目の「ごあいさ2」だけは、そんな力作が完成してホッとしたようなリラックスムードがありますね。

RYO-TA:最後にいつものハイエースの中で録ったんですけど、意味はある感じになったかな。

RYO:何かしらオープニングトラックを入れようって、もともと決めていたんですね。幕開けはやっぱり、僕らの日常が見えるような、力が抜けた感じ。あまり作り込んでないものがいいんじゃないかということで。

SNG:笑いながら録ってました。

YASU:うん。完全に普段のノリで。

──「ごあいさ2」「とりあえず乾杯!」で始まるのがとてもしっくりきます。挨拶から乾杯の流れって、まさに飲み会じゃないですか。

YASU:おおー、すごい!

RYO-TA:ホンマや!

SNG:言われてみれば、そうですね(笑)。

RYO:いい解釈してくださって、ありがとうございます!

──「とりあえず乾杯!」はスカサウンドが爽快です。

RYO:スカやレゲエをやったことがないので、フラボにこういう曲調もあったら面白いかもねっていうところから作り始めました。いろいろと華やかなサウンドに対し、歌詞の世界観はあえて凝ったものにしない、明るく「イェーイ!」と盛り上がれること重視でこのタイトル。ひたすら楽しくするために、メロディっぽい部分も少なめです。

RYO-TA:メンバーそれぞれ、バースが16小節分あるんですよ。普段よりも長めにゆったりと言葉が入れられるような構成にしつつ、乾杯の楽しい気分を思い浮かべてラップしました。

YASU:僕とRYOはあまり早口で歌うことがないからレコーディングも苦戦したんですけど、こうやって飲み会のノリをラップで表現するのは新鮮でしたね。

SNG:ライブ後にフランク一家のみなさんが「乾杯ー!」みたいなInstagramのストーリーをよくアップされているので、この曲を使ってもらえたらますますハッピーに楽しめるかなと思います。僕らもお酒は好きだし、打ち上げのテーマソングになりそう。


──チャック・ベリーの「ジョニー・B.グッド」的なロックギターも、いいスパイスとして入っています。

RYO:こういうの、絶妙ですよね。ブラスアレンジもデモの段階から入れておいたんですけど、編曲をお願いした名村武さんがうまく活かしてくださって最高です。

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