【ライブレポート】shallm、<3rd Live 決起集会>で自身初ツアー開催発表も「みんなの背中を押してあげたい」

20歳のlia (Vo)が自ら作詞作曲を手掛けるバンドプロジェクトshallmが3月1日、東京・Veats Shibuyaにてワンマンライブ<shallm 3rd Live 決起集会>を開催した。同公演のオフィシャルライブレポートをお届けしたい。
◆shallm 画像
<決起集会>──改めて辞書で調べるとその意味は“新規プロジェクトなどが始まる際に、その成功に向けてメンバー同士が気持ちを高め合うために行われる会”とある。ライブを通して感じられたのは、今回の<決起集会>というタイトルになぞるかのように、shallmと会場に集まったファンとの間にお互いがお互いの意識を高めあう光景が広がっていたことだ。
その一つは、shallmが奏でるサウンドにより、会場に集まった観客の気持ちを高めていったことである。観客の気持ちが1曲ごとに高まるようなステージだった。そしてもう一つが、会場に集まったファンの存在によって、shallmの気持ちを高めていったことである。楽しげな観客の景色を見たバンドメンバーの演奏は一層の熱を帯び、迫力が増していくことを感じ取ることができた。
バンドと観客がお互いに気持ちを高め合うという現象。さらには会場の端々にどこか優しさも溢れている。<決起集会>というタイトルによって、shallmやliaにとってファンの存在がいかに大事であるか、ファンにとってもshallmがいかに大事であるかを表現されたようなライブだった。

2025年3月1日、shallmにとって実に1年ぶり3回目となるワンマンライブ<shallm 3rd Live 決起集会>が Veats Shibuyaにて開催された。本公演のチケットはSOLD OUT。開場前のVeats Shibuyaには多くの観客が集まり、開場するやフロアの隅から隅まで多くの観客で埋め尽くされた。
開演時刻の17時、バンドメンバーに続いてボーカルliaがステージに登場すると客席から大歓声が巻き起こる。ディストーションボイスによって<決起集会>開会が宣言されると、ライブが幕を開けた。1曲目の楽曲は「白魔」だ。「冬を感じる楽曲を作りたいと思って制作した」とlia自身が語っているように、冬の季節から春に変わる3月1日という日にピッタリのスタートナンバーだ。バンドの演奏と歌声によって生まれたグルーヴが会場を包み、どこか温かで穏やかな空気が会場を包み込む。その雰囲気をダイレクトに感じ取った観客はボーカルに合わせながらリズムに身を委ね、サビではハンズアップで応える。1stワンマンと2ndワンマンのときとはまた違ったスタートは、より大人になったshallmを表すようでもある。静かに集会の開会を準備し、始めるかのようなパフォーマンスが印象的なスタートだ。

続いて、2024年夏リリースの「脳内ディストーション」を披露。疾走感のあるナンバーによって会場を瞬く間にロックな雰囲気に。バンド全体から激しく奏でられるサウンドに合わせて、観客は掛け声やハンズアップ、手拍子で盛り上がる。その様子を見たshallmは喜びを噛み締めるかのようなパフォーマンスでさらに熱を高めていった。
テンポも雰囲気も違う2曲からスタートしたライブだが、shallmが奏でるサウンドはバンドとしてのまとまりや厚みに成熟が感じられる。それに呼応するように観客は、ときに思い思いに、ときにまとまりながらボルテージを高めていった。
集会の準備はこの2曲で完了。改めてliaが「それでは<決起集会>をはじめます!」と高らかに宣言した。本日初のカバー曲であるキタニタツヤの「ずうっといっしょ!」では、liaは抱えているギターを下ろし、ステージを左右に動きながら、集まった観客を鼓舞するかのように力強く歌う。続く「ハイドレンジアブルー」では切なさを包むような歌詞と美しいハイトーンボイスが観客に突き刺さるようだった。

ここから様々なバラードナンバーを続けて会場を魅了していく。2024年10月リリースの自身初アルバム『charme』収録曲から、同アルバムのために書き下ろされた「閃光バード」へ。自身の経験を元に「今、辛いことがあるなら、そんなときに聴いてくれないかな」という思いで制作されたバラードナンバーだ。前半は囁くように、サビでは思いを届けるように歌い上げると、その思いが伝染したかのように会場が静まり返った。そして「へミニス」では歌詞に描かれた愛を情感溢れる歌声にのせ、ロックバラード「if 1/2」では切なさを噛み締めながら、「短夜の星」では印象的なピアノのフレーズに合わせて優しい歌声が場内を包みこんだ。
「みんなのために、温かい気持ちで書いたラブレターのような曲」と語ってから披露されたのは「花便り」。ファルセットとビブラートを同時に使った歌声がメッセージ性をより高める。静まり返った会場の中、liaの歌声には涙声が混ざっていったようだ。SOLD OUTした会場にこれだけ多くの観客が集まってくれたことへの感謝、今まで自分が出会い、支えてくれた人全てへの感謝の気持ちが溢れ出たのかもしれない。曲が終わると一斉に拍手と声援が送られる。温かく優しさ溢れる観客の反応に、感情を隠すことは出来ないliaだった。

「今回の目標は、みんなの背中を押してあげたい」という思いが今回のライブにあったことが、後のMCで語られた。その思いを胸にliaは涙を振り払い、ここから一気にラストまで彼女の魅力がたっぷり詰め込まれたステージが展開されていく。その思いを受け取った観客とバンドメンバーの熱量がピークに達しようとしていた。
アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』挿入歌「ギターと孤独と青い惑星」のカバーは、以前歌ってみた動画でのリクエストがあったナンバーで、この夜初披露された。そして、4月放送スタートのTVアニメ『阿波連さんははかれない season2』エンディング曲「トワイライト」をアニメオンエアに先行してライブ初披露した。歌声とパフォーマンスによって様々な表情を見せたこの2曲は、liaの魅力をたっぷりと堪能できるシーンとなった。
ライブ後半戦は「アイ・ラブ・ジェー・ケー・キス・デート」「stardust」「境界戦」といったナンバーでは、liaの力強く伸びのある歌声に牽引されるように、shallmの演奏がよりダイナミックになっていく。「G2G」では会場中がshallmに合わせて躍動し、メジャーデビュー曲「センチメンタル☆ラッキーガール」では、この日一番と言っていいほどの観客の手拍子が鳴り響く。そして本編ラストは「まっさかさマジック!」を披露。会場に溢れた笑顔が、この日の雰囲気を表しているようだった。

すぐさま会場中からアンコールの声と手拍子が鳴り響き、ほどなくしてサプライズ映像がステージ背後のスクリーンに流れた。shallmのキャラクター“リアゴ”が発表したのはビッグニュースだ。shallm自身初となるツアー<shallm 1st LIVE TOUR 2025 一揆>開催決定が告げられると会場から盛大な拍手と歓声が巻き起こる。そして、shallmが再びステージに登場した。
アンコール1曲目は、アコースティックギターとピアニカといったミニマム編成で、映画『20世紀少年』のメッセージソング「Bob Lennon」のカバーが届けられた。アコースティックサウンドと感情をあえて抑えた歌声がマッチして心地よい響き。演奏が終わると、先ほどサプライズ発表されたツアーをこの夜のバンドメンバーでまわることが発表されて、さらなる歓声が巻き起こった。
「3月1日という日に思い浮かぶ曲」として披露されたのが、3年前の同日に発表した初のオリジナル曲「夢幻ホログラム」だ。憧れのステージに立つことを夢見て書き下ろした同曲は、初のツアーを控えた中で披露されたものであり、その意味を理解するかのように、shallmも観客全員も、思いの詰まった楽曲を楽しんだ。

そして最後の曲は「暴動」。歌声と演奏が放出するエネルギーに呼応するかのように、会場全体がうねりを上げて一体となり、集会の最後を締め括った。liaは詰めかけた観客に再度感謝の言葉を語り、「またツアーでお会いしましょう!」と宣言した。<決起集会>が「気持ちを高め合うために行われる会」とはまさにその通り。shallmとファンが織りなす“団結”の力を大いに見せられたライブだった。
shallmは7月より自身初のツアー<shallm 1st LIVE TOUR 2025 一揆>を開催する。7月5日の北海道・SPiCEを皮切りに、7月19日に大阪・梅田Shangri-La、8月11日に 東京・SHIBUYA CLUB QUATTROといった3公演をまわるものとなる。ちなみにツアータイトルの<一揆>を辞書で調べると、“一致団結することを意味する”と記されている。なるほど<一揆>の前に全体の団結力を高め合う<決起集会>だったわけだ。ただし、shallmのライブは集会に参加しなくても、<一揆>に参加できる。なぜなら、shallmのサウンドは、ライブ初心者だとしてもliaの歌声や曲が人々を魅了し、温かい空間で包んでくれるから。
撮影◎飛鳥井里奈
■ワンマンライブ<shallm 3rd Live 決起集会>2025年3月1日(土)@東京・Veats Shibuyaセットリスト
02. 脳内ディストーション
03. ずうっといっしょ! (cover)
04. ハイドレンジアブルー
05. 閃光バード
06. ヘミニス
07. if 1/2
08. 短夜の星
09. 花便り
10. ギターと孤独と青い惑星 (cover)
11. トワイライト
12. アイ・ラブ・ジェー・ケー・キス・デート
13. stardust
14. 境界戦
15. G2G
16. センチメンタル☆ラッキーガール
17. まっさかさマジック!
encore
en1. Bob Lennon (cover)
en2. 夢幻ホログラム
en3. 暴動
■<shallm 1st LIVE TOUR 2025 一揆>
open16:30 / start17:00
(問)マウントアライブ 050-3504-8700
7月19日(土) 大阪・梅田Shangri-La
open16:30 / start17:00
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888
8月11日(月祝) 東京・SHIBUYA CLUB QUATTRO
open16:15 / start17:00
(問)ディスクガレージ https://info.diskgarage.com/
▼チケット
前売 ¥5,000(税込/ドリンク代別)
前売 学割 ¥3,000(税込/ドリンク代別)
年齢制限:未就学児入場不可
【最速先行】
申込方法:Veats Shibuyaビジョンに映し出されているQRコードにて
放映期間:3月1日(土)〜7日(金) ※毎時8回放映
※通行中の方の妨げになる行為はお控えください。
※ビジョン設置ビルオーナーや施設への直接のお問い合わせはご遠慮ください。
■TVアニメ『阿波連さんははかれない season2』

放送時期:2025年4月から放送開始
放送局:TOKYO MX、MBS、BS11にて
▼スタッフ
原作:水あさと(集英社ジャンプ コミックス刊)
総監督:山本靖貴
監督:牧野友映
シリーズ構成:吉岡たかを
脚本:吉岡たかを、兀兀、赤星政尚
キャラクターデザイン:八尋裕子
総作画監督:岩佐とも子、山本里織、石井ゆみこ
美術監督:倉田憲一(獏プロダクション)
色彩設計:田中千春
撮影監督:岩井和也(スタジオシャムロック)
特殊効果:木村実乃理(スタジオシャムロック)
編集:山田聖実(editz)
音響監督:阿部信行
音楽:神前 暁 & MONACA
アニメーション制作:FelixFilm
製作総指揮:夏目公一朗
プロデュース:藍沢亮(Starry Cube)
製作:bilibili
▼キャスト
阿波連れいな:水瀬いのり
ライドウ:寺島拓篤
大城みつき:M・A・O
石川:柿原徹也
佐藤ハナコ:楠木ともり
玉那覇りく:東山奈央
桃原先生:花澤香菜
宮平先生:小坂井祐莉絵
平安山先生:佐伯伊織
阿波連れん:久野美咲
阿波連える:日高里菜
ライドウ妹:長江里加
ふたば:指出毬亜
あつし:藤原夏海
▼主題歌
オープニングテーマ:ずっと真夜中でいいのに。「微熱魔」
エンディングテーマ:shallm「トワイライト」
公式HP:https://aharen-pr.com/
公式X(旧Twitter):@aharen_pr
公式TikTok:aharen_official
公式YouTube:https://www.youtube.com/@TV-ke2oc
■ライブ/イベント出演情報
3月24日(月) 東京・下北沢MOSAiC
open18:00 / start18:30
出演:リーベレイク / 灰かぶり / 美日 / ゲネラルパウゼ / shallm
▼<JAPAN JAM 2025>
4月29日(火) 千葉市蘇我スポーツ公園
https://japanjam.jp/
▼<LIVEHOLIC presents. “革命ロジック2025“ supported by Skream! & 激ロック>
5月4日(日) 東京・下北沢8会場
open11:00
出演:Anna / Cloudy / Hello Hello / Lala / LAND SMITH / Yobahi / 荒木一仁 / あのと / おもかげ / きゃない / プルスタンス / ミーマイナー / IneedS / MASK OF GODDES / shallm / THE BOHEMIANS / PompadollS / イロムク / 三四少女 / 梟note / ラストランプ / oh!! 真珠s / Surpass / 美日
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