【ライブレポート】氣志團 × グループ魂、4度目のツーマンでオモシロの向こう側へ「“俺んとここないか”よりも“今んとこやりいか”」

氣志團 × グループ魂による対バンライブ<三宅ロックフェスティバルvol.6 ~偏差値15で渋谷を制圧!~>が2月19日、東京・Spotify O-EASTで開催された。グループ魂は2024年に再始動、9月に東京と大阪でワンマンライブを行った。そして2025年、結成30周年を迎える。氣志團との対バンライブは2014年4月にZepp Tokyoで開催した氣志團対バン企画<極東ロックンロール第弐章 ウルトラソウル ~超絶魂2 お台場大パニック!超激突\(‘jjj’)/~以来、約11年ぶりとなる。同ツーマンのライブレポートをお届けしたい。
◆氣志團 × グループ魂 画像42点
グループ魂の石鹸(Dr)こと三宅弘城が敬愛するバンドを招いて行われてきた<三宅ロックフェスティバル>。氣志團とのツーマンライブは、2002年、2011年、2014年に続き4度目だ。
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▲氣志團
最初に登場したのは氣志團。ドラムソロが鳴り響くなか、綾小路 翔がバイクで登場。エンジン音でビートを刻む“Axel Call”を炸裂されると、超満員のオーディエンスが大歓声と手拍子で応える。直後にメンバー全員がステージに現れ、「俺達には土曜日しかない」でライブはスタート。地元への思いをド派手に歌い上げた「房総魂」、“君に逢いたい / この夜を探している”というフレーズが心に残る「この夜」を披露し、会場全体を完全にロックオン。ペンライトを掲げ、ダンサーと一緒に踊るKISSIES(氣志團のファンネーム)の応援ぶりも素晴らしい。
さらに「スウィンギン・ニッポン」「萌え萌えROCK’N’ROLL」とノリノリ&エモーショナルな楽曲を放ち、揃いの振付で一体感を演出。フロアの熱狂は早くも最初のピークに達した。






「2002年、2011年、2014年、そして2025年。我々氣志團とグループ魂の通算4度目の対バンです!」から始まったMCでは、綾小路がグループ魂へのリスペクトを表明。「追いつけ追い越せで、グループ魂の背中を追い続けてきたけど、ぜんぜん差は縮まらない。だって、そもそもメンバーおかしいだろう。映画、ドラマの主演やっちゃう人がゴロゴロいるんだよ?! しかも“ふてほど”は流行語大賞だよ!」というトークで会場を沸かせる。
恒例の“QRコード”タイム(QRコードが印刷されたプラカードを掲げる告知コーナー。この日は現在行われている全国ホールGIGツアーの高崎公演の情報)を挟み、ノスタルジックな名曲バラード「落陽」へ。



そして「オーライ! 一緒にいこうぜ。決まってるだろ、ピリオドの向こうへ!」(綾小路)という煽りから「One Night Carnival」。“恋しているのさ この夜に恋しているのさ”はオーディエンスの大合唱が巻き起こる。曲中における「四半世紀前、この曲を作ったとき、こんなふうに歌ってもらえるなんて想像もできてませんでした。これは本当に、宮藤官九郎というモノ好きな天才が『木更津キャッツアイ』という作品に俺たちを招いてくれたのがきっかけだったと思います。本当にありがとうございます!」という言葉も強く心に残った。
最後は「One Night Jamboree」で楽しくダンス&シンガロング。圧倒的な多幸感で会場を満たした。


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そしてグループ魂。まず港カヲル(皆川猿時 / MC&Vo)が登場し、「女は“俺んとここないか”よりも“今んとこやりいか”が好きなのである」から始まる口上、コンプラ引っ掛かりまくりのトーク、「おっぱい元気?」のコール&レスポンスに続き、破壊(阿部サダヲ / Vo)、暴動(宮藤官九郎 / G)、小園(小園竜一 / B)、石鹸(三宅弘城 / Dr)、遅刻(富澤タク / G)、遅番(少路勇介 / Sax)がオンステージ。オープニングナンバーの「ペニスJAPAN!ペニスJAPAN!」でいきなりシンガロングが発生し、会場のテンションは爆アガり。


▲グループ魂
さらに「はい、どぉも、こんばんは!」(破壊)というシャウトから「アイサツはハイセツよりタイセツ」「チャーのフェンダー」(暴動、遅刻のギターソロ、遅番のサックスが超絶カッコいい!)と人気曲を連発。石鹸のアグレッシブなエイトビートを中心に、気合いの入ったバンドサウンドが炸裂した。
「<三宅ロックフェスティバル>、6回目! 先週もここでライブやったから、スリッパの飛びがいい気がする(笑)」という破壊もいつも以上に楽しそうだ。







暴動「ここからはハラスメント講習です」
破壊「今いちばん怖いのが、コンプライアンス違反ですから」
遅番「それ、お二人にこそ受けてほしい」
破壊「Oi!(と“魂スリッパ”で頭を叩く)」
といったやり取りから始まるコントを挟み、ダンサブル&ファンキーな「職務質問」。港、遅番がキレキレの(?)ダンスパフォーマンスで会場を盛り上げる。“恋の悪魔”をテーマにした「ラブラブエッサイム’82」ではサーフィンホットロッド系のサウンドで観客が身体を揺らし、ハッピーな高揚感を生み出した。



女子高生に扮した港が(破壊に向かって)「見てる、見てる! 最近、調子いい左ひざを見てる~」と言いながら登場し、“朝起きたら、おっさんのオレが少女になっていた”という「High School」を披露。演奏が終わった瞬間、暴動が「ペンライト持ってるんだったら、使っていいですよ。俺らに気ぃ遣ってる? 色変えられるの? じゃあ白にしようか」と促し、氣志團のファンがペンライトを点灯。そのまま“30分のつもりが30年寝ちゃって、気付いたら令和になってた”というSF的状況を描いた「平成の記憶がない!」を披露した。これも対バンならではのハプニングだよな……と思っていると、叶姉妹のコスプレ(体の左側が叶美香、右側が叶恭子の1人2役)で荒川良々が登場。会場が笑いに包まれるなか、“今世では無理だけど、来世は叶姉妹になりたい”という思いを込めた新曲「来世は叶姉妹」を演奏した。
ここからライブはクライマックスに突入。まずは石鹸の高速ビート、遅番のサックスがぶつかり合う超高速パンクチューン「IN」。「Over30 do The魂」は“Over 40 do The シコる”の大合唱のなかで、港が“悩み事をかくすの 案外 下手だね”と熱唱し、再び会場は大爆笑で包まれた。さらに峯田和伸の作曲による「モテる努力をしないとモテないゾーン」、“朝 起きたら カチカチ!”からはじまり、港が“朝立ちで カチカチで 朝イチで スーパーひたち”というラップをキメた「カチカチ」で本編は終了。笑いとカッコよさが充満しまくる、ライブバンドとしての魅力を存分に発揮したステージだった。


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アンコールでは、司会役の少路、アシスタント役の皆川が登場し、<第1回うっすら歌謡祭>を開催。まずはグループ魂の演奏で、2013年~2014年に上演された『高校中パニック!小激突!!』から「高校中パニック」のテーマ、「グレッチ工業高校校歌」を氣志團の綾小路 翔が熱唱(ラップパートは早乙女 光、皆川が担当)。そして「氣志團とグループ魂の関係を語るうえで欠かせないのが、2002年のドラマ『木更津キャッツアイ』。草野球チームの監督、猫田役で出演されたのがこの方です!」(少路)という呼びこみで阿部サダヲがステージに。「せっかく翔やんとデュエットできるなら、マッチの歌がいいかな」と綾小路&阿部のデュエットで「ギンギラギンにさりげなく」が披露された。さらに氣志團のメンバーも登場し、全員で「木更津キャッツアイ」のテーマをセッション! “にゃーにゃーにゃーにゃーにゃー”の大合唱が響き渡る、この夜だけの超レアなステージが続く。


ここで皆川が「お取込み中すいません! 三宅が寂しそうな顔してます」と言い出し、「あ、そうでした。これ、<三宅ロックフェス>でした! 1曲歌ってください!」(少路)という流れから三宅がドラムを叩きながら歌う「男は泣く」。“俺はほんとは歌いたい ドラムは性に合わない”という2番では三宅がドラムを放棄して、ステージ前方へ。ドラムは氣志團のサポートドラマー叶 亜樹良が叩き、三宅は氣志團のメンバーと肩を組んで熱唱しているうちに三宅、やっぱり男泣き!
皆川「すごい泣き方するね! 光くんが引いてるよ!」
阿部「すごいよね。“今日は泣けないよ”とか言ってたじゃない」
三宅「わかんないんだよ、俺の涙腺」
皆川「名言みたいに言うなよ!」

というやりとりでホッコリした後、「君にジュースを買ってあげる♡」を全員で演奏し、4度目の氣志團×グループ魂の対バンは大団円。両バンドの“カッコよくて面白い”“面白いのにカッコいい”がぶつかり合う最高&爆笑のステージだった。グループ魂は今年で30周年。まだまだオモシロの向こう側が見たい!
取材・文◎森 朋之
撮影◎広川智基
■<三宅ロックフェスティバルvol.6 ~偏差値15で渋谷を制圧!~>
open17:30 / start18:30
出演:氣志團/グループ魂
企画・製作:大人計画 / (有)モチロン
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