【インタビュー】香取慎吾、主催フェス密着ドキュメント放送直前に語る「微かにあった緊張感が解けて『Circus Funk』で爆発した」

■ずっと歌っていきたいっていう
■決意表明のアルバムでもある
──「愛の言霊(ことだま) ~Spiritual Message~ (feat. Night Tempo)」でのNight Tempoさんとのライブ共演はいかがでしたか?
香取:<“Circus Funk” Festival>の2日間、MCで「自宅が近所なんで歩いて来ました」って鉄板ネタで笑いを取ってましたね。彼はDJとしていろいろな国で活躍しているし、大きなステージへの緊張よりも、楽しむという意識のほうが強かったんだろうなって思います。ただ、曲を作っていく中では緊張感もあったんですよ。
──レコーディングですか?
香取:僕はさっき言ったように、まず会いに行っちゃって「一緒にやりたいんだけど」って言うほうなんだけど、彼らとのコンタクトはまずメールとかのやり取りから始まったんですよ。彼は、「やる/やらないは、会って話してから決めたい。とりあえず会いたいです」って、それぐらい冷静だったんです。
──その流れが普通ですよね(笑)。
香取:そう(笑)。いざ初めて会って、「サザンオールスターズの「愛の言霊(ことだま) ~Spiritual Message~」をもっと揉んで捻って、自分たちの「愛の言霊(ことだま) ~Spiritual Message~」にできないか?」って提案したら、「怖い」と。僕自身、もちろん原曲をリスペクトしているけど、何か新しいものが見えてくるんじゃないかと思ったんです。
──「怖い」とおっしゃる気持ちもわかります。実際の作業は?
香取:曲を一旦剥がして見つけるっていう作業をして行く中で、本当に何度も何度も試行錯誤をして、お互いが納得いくところを目指しました。それは、フェスのステージで「会場が近所なんです」ってジョークを言える彼とは全然違った真摯な姿勢で。もう一つ印象的だったのは、レコーディングのときに僕が「一緒にやれて嬉しい」と言ったら、「自分も香取さんとやれて嬉しいし、必ずどこかで出会うとは思ってたけど、自分の道のりの中ではちょっと早すぎた」って言うんですよ。そんなこと言えるのカッコよくないですか(笑)?

──そう思います。「UNERI KUNERI (feat. Kroi)」はアルバム収録曲の中で一番最初に完成したそうですね。Kroiのみなさんとのステージ共演を振り返っていかがでした?
香取:一緒に花道を歩いてサブステージの前まで行ったんですけど、僕は「なんかちょっとふざけて行こうよ」って感じだったんですよ。でも、よく考えたらバンドの人たちってあまり花道に行かないんですよね。彼ら自身も言ってたけど、「僕らコードでアンプに繋がれてるんで」って。下手したら一生行かない人もいるみたいだけど、あの景色はみんなが見たほうがいい。
──ワイヤレスを使用しないバンドあるあるですね。Kroiとの出会いは?
香取:僕がテレビ番組のロケで長野に行ったときに、ずっとKroiを聴いてたことがあって。今もそのときの景色や気持ちを覚えています。ロケの合間に聴きながら「この曲のこの感じで決まりだな」って、やっぱりまだ声もかけてないのに頭の中でできた(笑)。初めて話をしたのは、僕が歌番組に出演したときの楽屋で、リモートで繋いで。こっちはもう大ファンなので、「うわー! Kroiだ! 嬉しいよ」って言ったら、「いやいやいや! それはこっちのセリフですよ!」 って。これ、香取慎吾あるあるなんですよね(笑)。あと、ステージ上で話しましたけど、彼らはステージ上ではバンド然としてるけど、普段は気さくな楽しいあんちゃんたちなんですよ(笑)。
──<“Circus Funk” Festival>の原点でもある在日ファンクとの「カツカレー (feat. 在日ファンク)」は、アルバム収録曲中、最も王道ファンクな仕上がりですね。
香取:「ファンへの想いみたいな曲を作ろう」って2時間ぐらいハマケンさんに話して。「在日ファンクの得意な感じで、“ファンは大事”と繰り返す曲がやりたいと伝えたんです」って熱く伝えたんですよ。ハマケンさんもノートを広げて真剣に聞いてくれていたんです…だけど、上がってきた曲が衝撃的で(笑)。
──「カツカレー」ですもんね(笑)。
香取:そう。「この曲にしたいです」って、ハマケンさんが。これは本当に忘れられないんだけど、神宮のあたりを一人で散歩してたときに、「在日ファンクの曲が来た」って連絡があったから聴いてみたら、“テテテテテッ カツカッレー”って。「嘘だろ!?」って立ち止まったよね(笑)。「カツは香取さんで、カレーが在日ファンクで、白米がファンの皆さんだとしたら…」という内容だってハマケンさんから聞きました。

──では、「TATTOO (feat. 中森明菜)」でデュエットした中森明菜さん、同曲でライブ共演したSOIL&"PIMP"SESSIONSについては?
香取:SOIL&"PIMP"SESSIONSの曲は、日常的に聴く音楽で、いつか一緒にやりたいと思っていました。“SOIL”、“TATTOO”、“中森明菜”ってもう、自分でも痺れましたね。
──はい。痺れました。
香取:「TATTOO」はずっと好きで、いつかカバーしたいと思っていたんです。“『Circus Funk』に「TATTOO」が合うんじゃないか?”と思い始めたあたりから、明菜さんがYouTubeでセルフカバーしている姿とかが話題になって、「TATTOO」も歌っていて。これは「「TATTOO」を歌いたいんです」って言うときなんじゃないかな?って。オファーするときは最初、「カバーさせてください」っていう文章だったんだけど、そこに「一緒に歌ってもらえませんか?」っていう一文も添えてもらったんです。その一文がなかったら実現しなかったでしょうね。自分がカバーできるだけで最高なのに、「一緒に歌ってください」ってよく言えたよね(笑)。
──それも叶ったわけで。
香取:今言ったら叶うんじゃないか?って思ったんです。そうしたらレコーディングも二人でできて。
──そのレコーディングはいかがでしたか?
香取:明菜さんにレコーディングで伝えたことがあるんです。僕は30年以上グループでやってきて、また一人でステージに立って歌いたい踊りたいって思っても、自分が思うだけじゃできない。でもなにかやってみようって、お祭りみたいにオトナたちが集まったら1枚目のアルバムができちゃった。これで終わるのかな?と思ったら2枚目のアルバムもできた。“これ、続けていいのかな”と思ったんだけど、続けるには自分の決意も決心も必要だなと改めて気づいて。 “あなたは本当に遊び、お祭りを続けていくんですか?”って自問自答して。だからこの3枚目のアルバム『Circus Funk』は、“よし、これでもうずっと歌っていきたい、ずっとステージに立ち続けたい”っていう決意表明のアルバムでもあるんです。そういうことを明菜さんとレコーディングしたときに直接伝えたら、「頑張ってください」って言ってくれて。もう感動して涙が出ましたね。
──実際にライブ会場まで観に来てくれましたよね。ご本人が観てるところでライブをするっていうのはいかがでしたか?
香取:そうなんですよね。もう信じられない!っていうのが重なりすぎちゃって。その日、会場にいた稲垣吾郎のことはまったく見てなかった(笑)。吾郎ちゃんもいたんだよ。

──(笑)。次は「一億人の恋人 (feat. 乃紫)」の乃紫さんです。実際ステージに上がって共演した感じはどうでした?
香取:これはみんなに言えることだけど、すごく堂々としてましたよね。僕らの若い頃を思い返せば、緊張でボロボロだったから。彼らには、そういうのがないじゃないですか。ライブ当日はあまりリハーサル時間もなくて、僕自身「いけるいける。いこうぜ! そこからそっちまで走ろうぜ! 以上、本番よろしく!」みたいな感じだったんだけど、乃紫ちゃんもそれについてきてくれたから。カッコいいよね。
──走ってましたね。
香取:「走り出す曲を作ろう」っていうところから始まってるからね。曲を作る前の話し合いで、「イントロを歌ったタイミングで、二人で走り出すんだ」ということは言ってて。
──ライブの後半の起爆剤になるようなパフォーマンスでした。
香取:そうですね。アルバムに参加してくれた他のみんなとも、「ステージでこうしたいから」っていうヴィジョンを先に提示した上で曲を作っていったんですよ。それが実際のライブになったとき、本当に形になる…違和感なく花開いた瞬間だったんじゃないかなと思います。
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