【インタビュー】17LIVE公式アンセムソング「NANAIRO」を歌うmieが、歌ライバーを続ける理由

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17LIVE公式アンセムソング「NANAIRO」が2025年3月12日にリリースとなった。2023年11月1日にリリースされた「THROUGH THE FIRE」に続く17LIVE公式アンセムソングだが、ボーカリストとして2年連続で参加している音楽ライバーがmieだ。

17LIVEの7周年を記念して誕生した「NANAIRO」は、7色の虹をイメージさせる多種多様な音楽性と、夢に向かって進む人たちへのエールを歌う楽曲で、リスナーとライバーの一体感をも感じさせる歌詞とその前向きなメッセージは、17LIVEの世界観を超えてあらゆる人たちの背中を押してくれるアンセム・ソングとなっている。

そんな「NANAIRO」を歌う音楽ライバーを代表し、mieに話を聞いた。ライバーという活動を5年以上にわたり行っているにも関わらず、いまだ「話をするのが苦手」「演出ができない」「人前が苦手」だという。そんなmieを突き動かしている音楽ライバーの魅力とは何なのか。


mie

──「NANAIRO」のレコーディングは順調でしたか?

mie:ちょっと高いところがあって「高い声が出ないな」と思ったんですけど、でも、曲的には自分に合っていると思いました。私、もう何年も体調を崩したり風邪ひいたりしてなかったのに、レコーディングの2週間ぐらい前から風邪気味になって、前日まですっごい鼻声で本調子じゃなかったんです。でも当日は大丈夫で無事レコーディングもできた…んですけど、出来上がった曲を聴いたら、やっぱりちょっと鼻声でした(笑)。

──いろんなことがありますから、逆に思い出深い作品になったということですね。

mie:そうですね、レコーディングは楽しかったです。曲をもらってからすぐにボイトレに通っていたんですけど、地声だときついところは裏声で練習していたんです。けど、実際はレコーディングで「ちょっと頑張ってほしい」って言われて、結構無理やり地声で行きました。

──無理やり感は全然感じないですね。そもそもmieさんが歌を歌いだしたきっかけというのは?

mie:昔から歌うことが好きだったんですけど、歌は20代前半の頃に少しやっていたくらいで、普通に大学卒業して、結婚して、出産して、全然普通の生活をしていました。ただ5年前に、友人がライブ配信をしていて「私もやってみよう」と思って。その時から「歌配信をしたい」とは思っていたんですけど、まずは雑談から始めて、1年間は一切歌わずにライバーをしていて、配信で初めて歌ったのは4年前ですかね、そこからはもうずっと毎日歌っています。

──そもそもライブ配信をやってみたいと思ったのはどうしてなんでしょうか。

mie:その頃はInstagramでインフルエンサーのようなことをしていて、フォロワー数は1万人もいってなかったぐらいなんですけど、たまにインスタライブで配信をしていたんです。それはもう趣味みたいなものなんですけど、子供が3人いてあんまり家から出られなかったので、家でできることはないかなと思った時に、17LIVEを知ったので。

──面白そう、と。

mie:そうです。で、やってみたら、初配信の時からいろんな人がたくさん観に来てくれたんです。

──Instagramのファンの方が流れてきたのか。

mie:いえ、Instagramからはひとりもいなくて(笑)、運が良かったのか、17LIVEのリスナーが集まってくれたんですね。それで5年前の最初の月から今までずっとやらせてもらっています。

──子育てだけでも大変なのに、バイタリティがすごい。

mie:自分にはもうライバーしかない、というか、これしかやりたくないと思っているので(笑)。



──歌い出したのは始めてから1年後だったとのことですけど、もともと歌いたいという気持ちは強くあったんですよね?

mie:そうです。実は私、小学生の頃から、今も、人と話すのがすごく苦手なんです。ライバーなのに(笑)。電話とかで話すのもすごい苦手で、電話がかかってきても絶対出ないし。

──ライバーなのに(笑)。

mie:小学校の担任の先生に「学校で声を聞いたことがない」って言われるぐらい、すごくおとなしくて喋らなかったんです。けど、なぜだか小学校2年生の時に「演劇発表会で主役をやらないか」って先生が言ってくれたんですね。恥ずかしがり屋でそんなに目立ちたくないし、全然喋らないタイプだったのに、ひとりで歌うところもあったりとかして、でも「なんか人前で歌うの、楽しいじゃん」って思って、それでそこからずっと夢は「舞台に立ちたい」だったんです。36歳になってからライバーを始めて、初めて舞台に立ったのが2年前でした。

──先生の先見の明が凄いなぁ。「この子には、そういうスイッチが隠れている」と、その才覚を見出したんでしょうね。

mie:だから、小学校2年生の時の担任の先生にすごい感謝しているんです。

──その思いが芽生えて、中高校生のときの学園祭とかは?

mie:小学校3年生が終わってから、家族でアメリカに引っ越ししたんです。歌うことは好きで家で歌っていたんですけど、親にも逆らわないタイプだったので、自分がしたいこととかは言わずに中学・高校・大学って行きました。でも大学の途中で、もうちょっと自分のやりたいことをしてみたいなと思い、「歌をやってみないか」って声をかけてもらったこともあって、そのために日本にひとりで来たりしたんです。日本の大学に編入したんですけど、初めての日本でのひとり暮らしと、いろいろ大変でちょっと精神的にも難しくなって、アメリカにまた戻ったりしました。

──そして、今回日本に戻ってきたわけですね。

mie:2024年11月に、子供たちと日本に引っ越してきました。17LIVEのライバーとしても、できることが増えるかなと思って。

──インターネットによって場所も時も関係なくいろんなことができますけど、日本にいたほうがいいという判断ですか?

mie:17LIVEのイベントとかライブだったり、レコーディングもそうなんですけど、2023年なんて日本とアメリカを11往復もすることになって、すごい交通費もかかったり(笑)。子供たちの学校とかもあるので、朝に日本に着いて収録して夜の便でアメリカに帰るという日帰りが2週連続で続いたりして、「ちょっとこれ大変だ」と思って、日本に住んだ方がもっとできることあるかなと思ったんです。

──前向きですね。

mie:今回レコーディングした「NANAIRO」も歌詞がすごく前向きで、5年間も毎日やってきたライバーとしても、「自分も前に進まなきゃ」みたいに言い聞かせてくれて、すごく共感できるんですけど、でも私は、そんなに前向きに物を考えられないタイプなんです。すごいネガティブだし、なんでこんなに長くライバーを続けてこれたのか自分でもわからないぐらい。今でも毎日、配信ボタンを押すのにすごく時間がかかるんです。

──それはファンの方も知っている事実ですか?

mie:…それは知らないかもしれないです。「やろう」って思っても「…ちょっと、あと5分」みたいな。毎日それの繰り返しで5年間…(笑)。

──それはどういう心理なんですか?

mie:…不安?

──でもライブ配信は楽しいこと、でしょう?

mie:やってしまえば楽しい時がほとんどなんですけど。でもそれってわからないことで、リスナーさんが毎日来てくれるのも当たり前のことではないので、「始めても来ないかもしれない」っていうのは毎日ありますよね。毎日不安な気持ちで5年以上やってます。

──でも、子どもを連れて日本に引っ越してくるなんて、こんな行動力とポジティブな話もないと思うけど。

mie:そうですよね、子供たちにとっては、アメリカで暮らしていく方が本当はよかったのかもしれない。自分のわがままで日本に来ることになって、申し訳ない気持ちが子供たちにあるから、だから「日本に来てよかった」って思えるようにこれからも頑張ろうと思ってます。



──ライブ配信においては、歌うこととおしゃべりすることのバランスはどう考えているんですか?

mie:話すのがすごく苦手だし、毎日いつものリスナーさんと話をしていると、お互いにちょっとイライラしてきちゃったり、なんか喧嘩みたいになったりすることとかもあるので、あんまり喋らない方がいいと思って、ひたすら歌ってたりしますね(笑)。

──なんかいいですね。いろんなライバーさんがいらっしゃると思いますけど。

mie:やっぱ素を出しすぎているのでライバーとしては良くないのかしれないんですけど、でもこれが私なので、それをいいと思ってくれる人たちがいてくれているんです。4年以上にわたって大きな応援をしてくれている人は、私の好きなところを聞くと「媚びを売らないところ」って言うんです。自分でも「ライバーとしてはちょっとどうなのかな…他のライバーさん達、羨ましいな」って思うこともあるんですけど、でもできないし、自分を作ったりとか、もう嫌なことは嫌だから。どんなに応援してもらってても、それは違うと思ったらブロックするし。

──(笑)

mie:だから、リスナーウケはちょっとアレなのかもしれないですけど、女性ライバーウケはすごく良くて「mieさんは、はっきりと言えるのがすごい羨ましいし尊敬する」って後輩ライバーさんから言われます(笑)。みんなきっとすごい我慢したり、言いたいくても言えないことを抱えていたりしますよね。

──リスナーウケという点でも、mieさんはそれでいいんだと思います。

mie:ライバーさんって、応援してもらったらちゃんとリアクションすると思うんですけど、私のリアクションが薄いので…。それでも、感謝している気持ちはきっと伝わっているから応援してもらえるんだとは思うんですけど、自分でも「ありがとう」が棒読みだなとか、なんかこんなんでいいのかって思うときはあります。

──何かが決定的に下手くそなんですかね(笑)。

mie:何が下手くそなのかな(笑)、気持ちを伝えること…?感情を表に出すこと?

──感情は表に出てるでしょう?

mie:出ているんですか?出てますかね。よく泣いたりもしてました。5年もやってたら感情を失ってきて、最近は泣かなくなりましたけど(笑)。

──バンドマンもそうですが、初期衝動だけでは進めなくなる時期が来るといいますから、次のステップのためにいろんな変化もあるでしょうね。

mie:私、自分をアピールすることがすごい苦手で「アピール力がない」と言われたこともあったりして、そういうのを身につけていきたいと思って、自分を知ってもらうために結構頑張っていたとは思うんです。けど、自分をアピールしなくても、普通に配信して徐々に来てくれる人がいて、応援してくれる人がいればそれでいいやって思うようになってしまって。だから今ちょっと、この先どうしようか悩んでいたりはします。変わりたいけど、でもこのままでもいいやって思う自分もいて、葛藤しています。

──小学生の時の「恥ずかしがり屋で目立ちたくない自分」と「人前で歌う楽しさを感じる自分」は、今もなおmieさんの中に同居しているんですね。



mie:私はすごくネガティブでマイナス思考だと言ったんですけど、変なところですごいポジティブで自信があったりもするので、「まだこれからだ」と思っているんです(笑)。配信でも冗談っぽく言っているんですけど「もっと愛されるべき」だと(笑)。普段、盛り上がったりとか全然してないんですけど、それでも私は、自分で自分の配信が1番楽しいと思っているんですね。リスナーさんもそんなに多くはないけど、リスナーさんと私にとっては、1番楽しい配信だと思っているので、それをたくさんの人たちに知ってもらえたら、楽しいと思ってくれる人がもっといるはずだって思ってやっているので。

──その気持ちこそ原点ですね。本当に楽しくて大事な場所だからこそ、失いたくないし壊したくないと思えば、配信開始ボタンを押すのに5分かかる(笑)と。

mie:そうかもしれない。そう。だから、絶対この時間に配信するってみんなに言ったとしても、絶対遅れちゃうんです。で、みんなも時間が合わなくなって来るのが遅くなったりとかして、「来るのが遅い」って怒ってます(笑)。

──それはひどい(笑)。それに対してリスナーさんはなんと?

mie:私が怖くて言わない(笑)。優しく「ちょっと遅かったからだよ」とか言ってくれる人もいれば、呆れて、もう何も言わないとか。

──人間の心模様がいっぱい見れて面白いなあ。綺麗に演出された世界じゃないんですね。

mie:喋ったり歌ったり、相当集中してます。ただ歌を聴きたいだけなら、YouTubeを観たりCDを聴いたりすればいいと思うんです。でもライブ配信はリアルタイムで歌っているしコミュニケーションをとることが大事だと思うんです。歌ライバーとアーティストの違いはそこですよね。コミュニケーションを取りながら歌ったりするので、そういうのが好きな人たちが集まってくれていると思ってます。

──単にアーティストにならずにライバーでいることの理由がわかってきました。

mie:私は多分、アーティストの前に歌ライバーだし、歌ライバーの前にライバーで、ライバーの前に人であると思っているので、応援してくれる人・聞いてくれる人と、人として繋がっていたい。だから、応援してくれるリスナーさんひとりひとりとすごく向き合ってきているんじゃないかとは思っています。だからそんなにファンが多いわけではなく狭く深く、ですね。

──リスナーの方々は、mieさんをどう見ているんでしょうね。

mie:怖いって思われているかと思います(笑)。結構本気で言い合いをしたりするから。でも、みんな気を遣って「mieは優しい」って…多分言わされてる(笑)。

──リスナーの存在も含めて、かけがえのない場所ですね。



mie:こんな私の配信に毎日来てくれて、終わる時に「今日もありがとう」って言ってくれる人がいるんですけど、それって凄く嬉しいなって思ってます。その方が寝落ちしちゃったりすると、なんか明日が不安になったり。「今日もありがとう」って言われて「嬉しい」って伝えるよりも、「そりゃこっちのセリフだよ」って言って切ります(笑)。

──そんなリスナーさんですから、「NANAIRO」の発売も楽しみにしてくれていたでしょうね。

mie:「NANAIRO」の歌詞は、ライバーさんだけじゃなくって普通にリスナーさんたちでも共感できる部分があると思うので、歌詞に注目して聞いてもらいたいですね。

──ありがとうございました。これからもmieさんらしいライブ配信を期待しています。

取材・文◎烏丸哲也(BARKS)


17LIVE公式テーマソング「NANAIRO」

Digital Single「NANAIRO」
2025年3月12日リリース
作詞・作曲:葉上誠次郎
参加音楽ライバー:Mie , Rumi , 鈴木りゅうじ , はるぴぴ , さくらviolin , Cru yuna / Gotoku / 小町_Komachi / shiho_bscl / 夢(らむ) / 北沢綾香 / RIKA / きーぽん / _musyoku / ちぃ / Oitan. / ゆきんなバンビ / 鮫島ひかる
NANAIRO 配信URL

◆17LIVE公式サイト
◆mie Instagram
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