【インタビュー】BAND-MAID新曲「Ready to Rock」×アニメ『ロックは淑女の嗜みでして』でさらなる成長

2025.04.04 18:09

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◾︎悔しさを感じている人たちに向けての応援歌みたいなものにできたらいいな

──ついにアニメの世界にも足を踏み入れることができた。そういえば、声優の方々と一緒に舞台挨拶をする機会もありましたよね。あの様子を見て、あまりの違和感の無さに「声優としての活動もアリなんじゃないか?」と思わされましたが。

AKANE:(きっぱりと)夢です! それもやってみたいことのひとつではあります。

KANAMI:私は……できないです。

小鳩ミク:KANAMIっぽいキャラクターの声だったらできそうだと思うっぽ。

KANAMI:私、トラウマがあるんです。BAND-MAIDを始める以前、シンガーソングライターをやっていたときにいろいろなオーディションを受けていて、声優オーディションも受けたことがあるんですよ。その時に、自分の演技の下手さを思い知らされて……。小鳩とかAKANEは演技もすごく上手いんですけど。

MISA:いや、今のKANAMIならできる。

AKANE:うん、今ならできる。モーションキャプチャーの時もKANAMIの演技が一番すごかったです。

SAIKI:ホントに、りりさになりきってたよ。

小鳩ミク:撮影の時に、足を上げて欲しいという要望があったようなんですけど、その撮影時の動画を見た時には「ギターを持ったままこんなに足がるものなの?」と驚かされましたっぽ(笑)。本当にりりさちゃんになったみたいで、カッコ良かったっぽ。

KANAMI:では、私もいつか声優になります(笑)。

SAIKI:そうなってくると、新曲が出なくなります!(笑)

──それはマズいですね。歌詞についても訊かせてください。「Ready to Rock」の歌詞は“ready”と“lady”を掛け言葉のようにしながら作られていますよね?

SAIKI:そうですね。ふたつのキャラクターが掛け合いをしているようなイメージで作ったところがあります。というのも、漫画の中でも登場人物が煽り合ったり罵り合ったりするような場面が結構あって印象的だったので、それを意識しながら書いたんです。それからこの「Ready to Rock」というタイトル自体は、実は当初作った2曲のデモのうちもう1曲のほう、結果的には選ばれなかったキャッチーな曲のほうに付けられていた仮タイトルでもあったんです。この曲にも似合う言葉だったので、これでいいかな、と。

KANAMI:デモのタイトルを採用してもらえるのって、すごく嬉しくて。

──デモに仮タイトルをつける時は、作詞のヒントになりそうな言葉を選んだりもするんですか?

KANAMI:最近はちょっとそういうことも考えてます。以前はパンケーキとかマフィンとか、そういったお菓子系の言葉を仮タイトルにすることが多かったんですけど。

AKANE:ルイボスティーもあったよね?

小鳩ミク:マフィンはのちに「Shambles」になりましたっぽ。

SAIKI:「Corallium」の仮タイトルはラテでした。

AKANE:ルイボスティーは「BLACK HOLE」ですね。私、レコーディングの時に譜面を書いていて、そこに仮タイトルが書き込まれたままになっているんで、歴代の仮タイトルが全部残ってるんです。

──いつかまとめて仮タイトルを公開するのもおもしろそうですね。歌詞の話に戻りますが、物語や登場人物のイメージを踏まえつつも、なおかつ自分たちらしい主張を織り交ぜた、という感じでしょうか?

SAIKI:そうですね。音楽をやっている身として、物語の中のバンドに共感できる部分がすごくあるんです。BAND-MAIDが始まったばかりの頃って、やはり見た目で判断されるというか先入観を持たれがちで、曲を聴いてもらうところまで辿り着けないようなところがあったんです。そういうところですごく悔しい想いをしていたから、作品の中の登場人物たちの悔しさも理解できる。私たちも昔は「そんな夢は諦めたほうがいいんじゃない?」とか「無理があるんじゃない?」みたいなことを言われてたんですね。今にして思えば、そういった言葉は優しさから出てきたものだったのかもしれないと思えるんですけど、当時はすごく疑問を感じたし「何を言ってるの?」と思っていて。そこでみんなでチームワークを大事にしながら、自分たちは間違っていないと信じて、お互いを励まし合ってここまで来ることができたという自負もあるので……。だから、そういった悔しさを感じている人たちに向けての応援歌みたいなものにできたらいいな、という気持ちで書きました。

──ええ。確かにそういった力強さがある歌詞だと思います。

SAIKI:今の時代、だいぶ変わってきてはいますけど、まだまだ女性が生きていくうえではいろいろと弊害もありますよね。そこで「誰かに言われて諦めるなんてことはしなくてもいいんじゃない?」と言いたかったし、「諦めるという選択肢はなくてもいいんじゃない?」と呼びかけたかったんです。女性だからという理由で諦める必要なんてないし、夢を追うことの素晴らしさも伝えたくて、こういった歌詞になりましたし。

──楽曲的にも歌詞的にも、すごく物語に沿っていながら、なおかつめちゃくちゃBAND-MAID然としたものになっていますよね。そこが両立できたことについては、作曲者としても達成感があるんじゃないですか?

KANAMI:そうですね。もちろん作品ありきの曲ではあるんですけど、自分たちの良さというか、BAND-MAIDらしさ全開みたいな曲にすることができましたし、アニメの制作チームの方々にもすごくいいと言っていただけて。すごくやりがいがあったし、喜んでいただける嬉しさ、自分たちをさらけ出しても受け入れていただける嬉しさがありましたね。

小鳩ミク:曲とアニメの雰囲気が本当に完全一致してますっぽね。誰が聴いてもそう感じてもらえるはずだし、実際、原作を描かれている作者の福田先生ともお話をさせていただいた時にも「まさにぴったりな曲です」と言っていただけてすごく嬉しかったですっぽ。作曲したKANAMI、作詞をしたSAIKIのことがすごく誇らしく思えましたっぽね。

──しかもこの曲、これまでのBAND-MAIDの速い曲、激しい曲ともひと味違うじゃないですか。

MISA:そうなんですよね。最初に聴いた時、カッコいいのはもちろんなんですけど、面白さもあるし、すごく刺激的な曲だな、と思ったんです。それもあってアニメと同時にこの曲自体を盛り上げていきたいという気持ちが強く出てきて、ベースラインを考えるのもすごく楽しかったです。ギターとドラムが遊んでいる場面ではベースは抑え目にはなりますけど、そこでいかにして存在感を残すか、というようなことを考えたりもしましたし、そういった駆け引きみたいなものもすごく楽しめました。だから、この曲をお給仕でやるのがすごく楽しみです。

──お給仕でやるとなると、AKANEさんにはプレッシャーがかかりますよね?

AKANE:間違いないです(笑)。でも、初っ端のツインペダルを踏めさえすれば、もう何も怖くないです。しかも、いつかこの曲を1曲目にやることになるんだろうなって予想もしているし、覚悟も決めて準備しているので、今は怖さよりも楽しみな気持ちのほうがずっと強いですね。

──そういえばさきほど、登場人物たちの罵り合いがすごいという話が出ましたけど、確かに「この不燃ゴミが!」なんていうすごい言葉が飛び交っていますよね。そこで訊きたいんですが、メンバー間の仲の良さもよく知られているBAND-MAIDにおいても、罵り合いみたいなことが起きることはあるんでしょうか?

小鳩ミク:さすがにこの作品中の台詞みたいな強い言葉で罵り合ったことないですっぽね。

SAIKI:バーカバーカ、みたいな言葉が出ることはありますけどね(笑)。

AKANE:そういう小学生みたいな言い合いをすることはあります。

SAIKI:怖い言葉は出てこないです。ただ、憧れみたいな気持ちはありますよ。だって、あんな言葉を口にできる機会なんて、日常的にはないじゃないですか(笑)。

AKANE:そういえばアニメ中に出てくる酷い言葉にはモザイク音がかかるんですね。それがこの作品の場合、よくある“ピー”という音ではなくて、私たちのレコーディングした音が使われているんです。たとえばドラムだったら“トゥルルル”みたいなスネアの音が使われていたり、ギターの“ギュイーン”みたいな音が被せられていたり。

KANAMI:モーションキャプチャーは動きを取り込むためのものですけど、実は音も録っているんです。だから劇中の演奏シーンの動きだけじゃなく、楽曲の音は全部、自分たちが演奏したものになっているんです。

──すごいですね。本当の意味でアニメとコラボができたと言えそうですね。

SAIKI:こんなにも深く関わらせていただけるとは思ってもみませんでした。

KANAMI:そういえば、SAIKIはピアノを始めて5年目になるんですね。そしてこの物語に出てくるティナちゃんは、ピアノ歴はあるけどバンドでキーボードを弾いた経験はなかったという設定なんです。だからある意味、ちょっと拙く演奏しないとならないところがあって、それがSAIKIの演奏とすごく合致したんですよ。

SAIKI:私がピアノを始めたのは、あくまで弾き語りをするためだったから、単音のメロディを弾くこととか、ほとんどなかったわけです。そんな初心者っぽさがちょうど良かったみたいで(笑)。

KANAMI:しかもそのために練習した結果、SAIKIはピアノがめっちゃ上手くなって。

SAIKI:鍛えられちゃったんだと思います(笑)。

──まさに登場人物がライバルになったわけですね。

AKANE:みんな今回の経験を通じて、上手くなったんじゃないかな。

MISA:環が4弦の指弾きなのに対して、私は5弦のピック弾きだから、全然違うんです。でも、それをやったことでプレイの幅も広がって、ちょっと成長できたんじゃないかと思えてますね。

──ある意味、アニメ側から無茶振りされたようなところもあったわけですね(笑)。

AKANE:ホントにそうですよ。まさかあんなにツインペダルを踏むことになるなんて。でも、ずっとツインペダルを踏んでいるうちに自然と上手くなったし、体力がつきました。

KANAMI:普段はBAND-MAIDの楽曲をずっと演奏しているわけじゃないですか。それに対してこのプロジェクトでは、求められることをやる。そういう経験をひさしぶりにすることができて、すごくいい練習の機会になりました。登場人物のキャラクターに合わせたプレイをしながらも、そこに自分らしさを出したいとも思ったので、そこでいろいろと考えさせられもしましたし。

──いろいろな意味で、とても有益な機会になりましたね。こうして快調に次々と新曲が登場する中、ツアーも近付いてきていますが、そこで「Ready to Rock」を聴けるのを楽しみにしています!

取材・文◎増田勇一
写真◎尾藤能暢

BAND-MAID「Ready to Rock」

▲「Ready to Rock」ジャケット

2025年4月4日(金)配信リリース
配信リンク:https://BAND-MAID.lnk.to/Ready_to_Rock

■Apple Music「Pre-Add」/Spotify「Pre-Save」&ライブラリ追加キャンペーン
「Ready to Rock」をApple Musicの “Pre-Add”、Spotifyの “Pre-Save”いずれかで事前登録された方全員、もしくはリリース後にライブラリ追加いただいた方全員に「オリジナル画像TypeA」をプレゼント
※事前登録頂くと、配信日にご自身のライブラリにアルバムが追加されます。

・対象サービス
Apple Music / Spotify

・特典
オリジナル画像TypeA

・応募期間
2025年3月31日(月)19:00〜4月11日(金)23:59

キャンペーン参加に関する詳細URL:https://bandmaid.tokyo/contents/898327

TVアニメ『ロックは淑女の嗜みでして』

■オープニングテーマ「Ready to Rock」BAND-MAID
■エンディングテーマ「夢じゃないならなんなのさ」Little Glee Monster

■放送情報
4月3日(木)よる11時56分からTBS系28局にて全国同時放送開始!
4月5日(土)よりAT-Xにて放送開始!
 毎週(土)23:30~/毎週(火)29:30~ ※リピート/毎週(土)8:30~ ※リピート

■あらすじ
一流の淑女(レディ)だけが在籍を許される「桜心女学園高等部」に通う鈴ノ宮りりさ。
学園で最も栄誉と誇りある称号「高潔な乙女(ノーブルメイデン)」を手に入れるべく精進し、周囲からも一目置かれるほどのお嬢様だが、実は一年前に母親の再婚で鈴ノ宮家に入った「元・庶民」だった。
母親の期待に応えるため、本心を押し殺し、大好きだったロックやギターを捨て、お嬢様として振る舞うりりさ。ある日、学園の憧れの的である黒鉄音羽と出会い、ひょんなことからドラムを叩く音羽を目撃し…… 。
お嬢様×ロック!?
”本音”がぶつかる青春ロックアニメ、開幕!

■STAFF
原作:『ロックは淑女の嗜みでして』福田宏(白泉社「ヤングアニマル」連載)
監督:綿田慎也
シリーズ構成:ヤスカワショウゴ
キャラクターデザイン:宮谷里沙
ビジュアルディレクター:ソエジマヤスフミ
助監督:安川央里
色彩設計:大塚眞純
美術監督:坂上裕文
美術設定:浅見由一
CGディレクター:坂口遥佳
撮影監督:渡辺実花
編集:齋藤朱里
音響監督:菊田浩巳
アニメーション制作:BN Pictures

■CAST
鈴ノ宮りりさ:関根明良
黒鉄音羽:島袋美由利
院瀬見ティナ:福原綾香
白矢環:藤原夏海

■公式サイト:https://rocklady.rocks
■公式X:@rocklady_info
■公式TikTok:@rockrady.info

(c)福田宏・白泉社/「ロックは淑女の嗜みでして」製作委員会

<BAND-MAID TOUR 2025>

5月10日(土) 東京 LINE CUBE SHIBUYA SOLD OUT
5月17日(土) 広島 CLUB QUATTRO
5月18日(日) 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM. SOLD OUT
5月25日(日) 静岡 浜松窓枠 SOLD OUT
5月31日(土) 新潟 LOTS
6月20日(金) 大阪 ゴリラホール
6月21日(土) 大阪 ゴリラホール. SOLD OUT
6月28日(土) 宮城 仙台GIGS
7月12日(土) 東京 豊洲PIT
7月26日(土) 北海道 札幌ファクトリーホール
8月2日(土) 熊本 B.9 V1
8月3日(日) 福岡 DRUM LOGOS
8月8日(金) 愛知 DIAMOND HALL
8月9日(土) 愛知 DIAMOND HALL
To be Continued

ツアーチケットオフィシャル抽選先行受付
受付期間:2025/3/31(月)12:00〜4/13(日)23:59
https://bandmaid.tokyo/contents/869736