【ライヴレポート】michi.、<Dance in the rabbit hole>でソロ初となる新曲披露「KOJIとの約束のひとつ」

michi.が3月29日、東京・赤羽ReNY alphaにて<Dance in the rabbit hole>と銘打ち、2025年初のワンマンライヴを開催した。
◆michi. 画像
2023年1月、東京・羽田TIAT SKY HALLでのアコースティックライヴ<Caramel Vox REBOOT>にて、ソロとしての第1歩を踏み出したmichi.。これまでのセットリストはMASCHERA、S.Q.F、ALICE IN MENSWEARと過去の楽曲をmichi.ソロとしてアップデートし、セルフカバーしたもの。新曲を待ち望んでいたファンも多かったはずだ。そんな中、2024年12月に赤羽ReNY alphaで行われたワンマンでmichi.は満を持して「2025年はmichi.ソロとして新曲にチャレンジしていく」と宣言。その言葉通り、本ライヴは新章の幕開けとなった。

スタッズをあしらった黒のロングジャケットにフリルというスタイリッシュな衣装でステージに登場したmichi.に歓声が上がり、オープニングはALICE IN MENSWEARの「ワルプルギスの夜」。一瞬で、その場の空気を持っていくオーラを放つmichi.は、品性と妖艶さを兼ね備えたボーカリストだ。「PiLL≠GRiMM」「capture -捕食者-」と立て続けにALICE IN MENSWEAR時代の艶かしい曲たちが放たれ、曲によって表情を変えていくパフォーマンスでフロアを釘付けに。疾走感たっぷりの「悪魔×天使=人間 LOVERS」(S.Q.F)も披露された。
「2025年、ファーストワンマン、記念すべきこのライヴに集まってくれて本当にどうもありがとう。去年は50周年祭ということで、1年間頑張らせていただきましたが、今年は51歳になる。折り返しの最高のスタートを切るつもりで来ましたので、皆さん、私の新しいエピソードの始まりを一緒に見届けてください。そして、待たせたな! 公約していた新曲、持ってきました。新しい幕開けにふさわしい最高のナンバー、もう帰ってこれないぐらい、どっぷりとmichi.の世界に浸っていただきましょう」──michi.


届けられたのはライヴのタイトルでもある新曲「Dance in the rabbit hole」だ。シャッフルビートに乗せて歌われたのは“時計の針が溶けていく”と歌うALICE IN MENSWEARの世界観と地続きにあるようなナンバーだった。腰を振りながら歌うmichi.が紡ぎ出す物語の中に溶けて堕ちていくような感覚を覚える。
そこから甘美で幻想的なスローナンバー「誘惑」(S.Q.F)に繋げ、再びALICE IN MENSWEARのセルフカバーへと。奏でられるワルツとmichi.の歌が夜空の三日月を浮かび上がらせるような「ハジマリノウタ」からドラマティックかつサイバーなサウンドと赤く発光する球体を操り、多彩なボーカルで映像的な世界へ引き込んでいく「オートマタ -鋼鉄少女A-」を披露。構築されたセットリストが素晴らしく、ダークファンタジー的なシーンから場面転換するように照明も明るくなり、切ないラブソング「ラストフォトグラフ」(MASCHERA)が贈られた。

張り詰めた緊張感と異世界に連れていくような楽曲もmichi.の魅力。同時に笑顔がこぼれるダンスナンバーもライヴならではの恍惚感だ。「行くぞ! 踊ろうか?」と煽った「ROUND & ROUND」(S.Q.F)からの後半戦はフロアと一体になるアクト。MCでは3月下旬とは思えない寒さと雨に見舞われた天候のことについてmichi.が触れた。
「皆さん、ご存知の通り、ウルトラ晴れ男の私なんですが。今日はあいにくの雨で。ここに移動してから外に出ることはなかったので、天気がどんな感じかわからないんだけど、ライヴ前、まだ降ってた?」と問いかけ、「降ってた」という声に「止んでたらスーパー晴れ男の面目がたったのに」と笑顔。そしてmichi.ソロライヴでおなじみの振りやコール&レスポンスをレクチャーする曲に今回選ばれたのは「東京デリシャス」。バンドスタイルで披露するのはかなり久しぶりとのことだ。


「S.Q.F時代はモッシュ曲。俺も皆さんも右往左往してはちゃめちゃになる曲だったんですが、さすがにもう怪我怖いでしょ(笑)? そして怪我をしてるキミたちを見るのが悲しい。何よりもモッシュ禁止のライヴハウスも増えてきてるね。なので安全な楽しみ方ができる令和の「東京デリシャス」を指南していきたいと思います。みんなが動けない分、俺が右往左往するから」──michi.
モッシュしない代わりに手バンでみんながmichi.の動きを追いかけるという新たなスタイルの誕生に場内が沸き、レクチャータイムへ。上手から下手へと何度も移動しながら歌うパフォーマンスにステージの広さもあり、「意外としんどいぞ」と苦笑するmichi.だったが、本番では盛り上がるファンたちと共にレトロテイストのシャッフルナンバー「東京デリシャス」を見事にエネルギッシュに歌い切った。この曲をキッカケに外は真冬のような寒さなのに、場内の気温はどんどん上昇。目が回るようなサウンドとハイヴィジョンの演出がアトラクション的な楽しさの「Dizzy Go-Round」(S.Q.F)から、「EXCORE」(ALICE IN MENSWEAR)と間髪入れずアッパーなナンバーを投下。BPMをさらに上げた「Vertigo!」(S.Q.F)ではフロアから拳が上がり、レインボーカラーの照明が注ぐなか、色鮮やかな扇子が舞ったダンスチューン「刹那2012(MASCHERA)」で本編を締めくくった。


アンコールでは感謝を伝え、新曲が生まれた経緯についてmichi.が語った。
「シャッフルっぽい曲は「東京デリシャス」も「誘惑」もそうだし、S.Q.Fではあったんですね。ALICE IN MENSWEARでは3拍子だったり、ジブリっぽい世界観だったり、幅広い素敵な楽曲をみんなに届けることができていたんですが、以前、KOJIとは「ALICEの3rdアルバムにシャッフルのスイングっぽい曲を入れたいね」っていう話をしていたんです。それは叶わなかったけど、俺の中ではKOJIとの約束のひとつだと信じ切っているので、じわじわ構想を温めながら、michi.ソロの新曲はシャッフルのスイングで、新しいステージで二人の魂を紡いでいけたらいいなと思っていて。タイトルは今日のイベントと同じく「Dance in the rabbit hole」。まさにALICE IN MENSWEARの世界観をそのまま体現したような曲になったと思います」──michi.

そして、さらにもう1曲、新曲を用意してきたことを伝えた。
「とてもセクシーでダークネス。タイトルを含め、まさに私を体現したような素晴らしい曲です。もう俺の世界から戻ってこられない精神と身体に調教してあげよう」──michi.
曲のタイトルはmichi.のダークサイドを象徴するような「INCUBUS」。音域の幅広さを活かした表現力のあるボーカルとガラスを砕いたようなエッジのあるサウンドが禁断の快楽にいざなっていく。冒頭で満を持してと記したが、この日、披露された新曲2曲のクオリティの高さは今後のmichi.ソロへの期待を加速させるものだった。

新曲の興奮を途切らせず、エロティックなナンバー「GRAPPLER」(ALICE IN MENSWEAR)を届け、「白のチョコレート」(S.Q.F)では開放感のあるファンタジーな景色を見せた。
「春はスタートのシーズン。始まりにふさわしいライヴができたんじゃないかと思います。それもメンバーたちとスタッフの皆さん、そして君たちサーバントのおかげです。ありがとう! “新しい風を吹かせる”という公約のもと、今年からはさらに加速して、今日を新しい始まりとして、みんなと一緒にいい歳をとっていきたいと思いますので、これからも手を取り合って一緒に歩いていきましょう」──michi.
ライヴが終わるのが名残惜しそうだったmichi.は、「今日からまた新しいmichi.の歴史が始まります。羽田のアコースティックから始まり、ここまで辿り着きました。年内、フルアルバムのリリースを目指します! 8月のワンマン、12月のツアーも楽しみにしていてください」と報告した。


ジャンプするフロアにタオルが揺れる光景が広がった「Cloud Cuckoo Land」(S.Q.F)を最後に披露し、サポートメンバーの菅大助(G)、古谷圭介(B)、竹村忠臣(Dr)を紹介。新章のライヴは笑顔でエンディングを迎えた。メンバーがステージ去った後もひとりステージに残り、「新曲披露というプレッシャーもみんなの顔を見たら吹き飛んだ」と感謝の想いを伝えたmichi.。新曲たちはリリース前になんらかの形で届けるという約束もファンを喜ばせた。
取材・文◎山本弘子
撮影◎河井彩美
衣装◎tosHiko ヘアメイク:我那覇智
■michi.ソロ2025初ワンマン<Dance in the rabbit hole>3月29日(土)@東京・赤羽ReNY alpha セットリスト
01. ワルプルギスの夜 (ALICE IN MENSWEAR)
02. PiLL≠GRiMM (ALICE IN MENSWEAR)
03. capture -捕食者- (ALICE IN MENSWEAR)
04. 悪魔×天使=人間 LOVERS (S.Q.F)
MC
05. Dance in the rabbit hole (michi. ※新曲)
06. 誘惑 (S.Q.F)
07. ハジマリノウタ (ALICE IN MENSWEAR)
08. オートマタ -鋼鉄少女A- (ALICE IN MENSWEAR)
09. ラストフォトグラフ (MASCHERA)
10. ROUND & ROUND (S.Q.F)
MC 〜Call & Response
11. 東京デリシャス (S.Q.F)
12. Dizzy Go-Round (S.Q.F)
13. EXCORE (ALICE IN MENSWEAR)
14. Vertigo! (S.Q.F)
15. 刹那2012 (MASCHERA)
encore 〜MC
16. INCUBUS (michi. ※新曲)
17. GRAPPLER (ALICE IN MENSWEAR)
18. 白のチョコレート (S.Q.F)
MC
19. Cloud Cuckoo Land (S.Q.F)
▼サポート
菅大助(G)
古谷圭介(B)
竹村忠臣(Dr)
■<Dance in the rabbit hole>配信チケット
open16:30 / start17:00 / 配信start16:50
▶配信チケット:https://unitedproducts.zaiko.io/item/369441
【配信チケット料金】
B-②ライブ配信チケット+30日間 (4/28(月)23:59まで)のアーカイブ視聴 ¥7,500(税込)+ZAIKO手数料
B-③ライブ配信チケット+DVD盤 ¥10,000(税込)+ZAIKO手数料
B-④ライブ配信チケット+DVD盤+CD ¥13,000(税込)+ZAIKO手数料
B-⑤ライブ配信チケット+Blu-ray盤 ¥11,500(税込)+ZAIKO手数料
B-⑥ライブ配信チケット+Blu-ray盤+CD ¥14,500(税込)+ZAIKO手数料
B-⑦ライブ配信チケット+アーカイブデータ+DVD盤+CD ¥17,000(税込)+ZAIKO手数料
B-⑧ライブ配信チケット+アーカイブデータ+Blu-ray盤+CD ¥18,500(税込)+ZAIKO手数料
※ディスク付きプランをお求めの方はチケットご購入時、記入漏れやミスにご注意ください。また、すでに個人情報ご登録済みの方も再度お名前やご住所の入力が必要となります。漏れやミスがあった場合は発送が遅延したりお届けできない場合がございます。
※コース③~⑧には「30日間 (2025/4/28(月)23:59まで)のアーカイブ視聴」も付属します。
※コース③~⑧のDVD盤、Blu-ray盤、アーカイブデータには全てオフショットの特典映像を収録します(30日間のストリーミング配信にはオフショット映像は含まれません)。
※コース⑦~⑧アーカイブデータはデータ準備完了(目安としてはチケット販売終了より3〜5週間)次第、ダウンロード先URLをお知らせいたします。
※CDはライブ音声を収録したものとなります。
※ディスク盤の映像、CDの音声は、若干の編集や音質調整などが加わる場合がございます。
※DVD盤、Blu-ray盤、CDの発送はチケット販売終了後から約5〜7週間ほどお時間をいただきます(簡易パッケージ / レターパックライト / 海外への発送は対応しておりません。返金等も出来ませんので、あらかじめご了承ください)。
※レターパックライトはポスト投函となります。ポストの大きさなどで投函できない場合は不在通知が投函されます。その場合は不在通知から再配達のご依頼をお願いします。保管期限超過で事務局返送となった場合はヤマト運輸着払いでの再送となりますのでご注意ください。
※配信チケットに関しましては、2025年4月28日(月)22:00までチケット購入可能です。
▶総合インフォメーション:https://michi-solo.com/contact
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