【インタビュー】HAGANE、新体制初フルアルバム完成「自分たちの可能性をもっと広げられる」

昨年、凪希(Vo)とJUNNA(Dr)が加入して以降、精力的な活動を重ねてきたHAGANEが、ついにフルアルバム『TOP OF THE TOWER』を完成させた。
ハードロック/ヘヴィメタルを基調としつつ、優美さと遊び心も随所で発揮している。現在の編成で形にできるサウンドの可能性を最大限に示した作品だ。込めた想い、手応えを凪希(Vo)、Sakura(G)、Sayaka(B)、JUNNA(Dr)が語ってくれた。
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◾︎面白い魅力とスキルを持った2人が加入したからこそ
──『TOP OF THE TOWER』は、どのようなアルバムになったと感じていますか?
Sakura:「詰め込めるだけ詰め込む」という感じで曲を作ったんですけど、その結果、面白くてバラエティに富んだアルバムになりました。
JUNNA:去年リリースしたEPの『Life Goes On!』は、これまでに私が経験してきたことを全部詰め込む意気込みで臨んだんですけど、今回はその先に進んでステップアップできたと思います。
凪希:自分の声でレコーディングした音源をさらにたくさん形にできることが嬉しかったです。聴いてくれたみなさんに「凪希は、こういう歌い方もできるんだ!」と感じていただけるように頑張りました。
Sayaka:新体制になってからこんなに早くアルバムを出せるとは想像していなかったんですよね。新しいメンバーは各々のスキルも高いので、このスピード感でアルバムを作れたんだと思います。
──今の編成のHAGANEの強みは、どのようなところにあると感じていますか?
Sakura:前の編成は5人だったので、人数が減ることで困ったりもするのかなと思っていたんです。でも、やれることの方が増えているのが不思議なんですよ。それは面白い魅力とスキルを持った2人が加入したからこそだと思います。前の編成の時はハードロック寄りのテンポも多かったんですけど、今は「BlackCult」や「Sword Of Judgement」みたいなメロスピの方向も増やすことができているのがいいなあと思っています。
──ソングライターとしての自由度が広がったということでしょうか?
Sakura:まさにそういうことです。凪希ちゃんは低音までしっかり聴かせることもできて、それが魅力的です。JUNNAちゃんは、ツーバスのプレイがすごいですし、そういう部分を活かして作れるようになっています。
凪希:めっちゃ褒めてくれる(笑)。普段、Sakuraさんがこんなに饒舌にメンバーを褒めることはないので嬉しいですね。
JUNNA:私もちょっと、とろけてます(笑)。メロスピは私ももともと好きだったので、全力でプレイできるのが幸せです。HAGANEは音が大きいので、150%で叩いても大丈夫なんですよ。
Sayaka:お互いに遠慮がないバンドですからね。

──今のHAGANEにみなさんが手応えを感じているのは、去年の12月にリリースした「Start Our Journey」からも伝わってきます。この4人で力強く前に進もうとしている姿を歌っていますよね?
凪希:はい。歌詞を書く際にそういうイメージをSakuraさんから頂いていましたし、私の中にもそういう気持ちがあったんです。初めて書いたHAGANEの歌詞だからこその新鮮な言葉ばかりの歌詞になりました。初めて剣士(HAGANEファンの呼称)のみなさんと出会った時の感情を忘れないようにしたくて、「一緒に行こう!」みたいな気持ちを込めています。
JUNNA:「Start Our Journey」もそうなんですけど、ライブで叩きながら楽しくなっちゃうんですよ。4人が1つになった時の空気感のすごさを、ステージでみんなを後ろから見ながらいつも感じています。
──活き活きとプレイしている姿を観て、HAGANEに加入する前から応援してくれていたファンも喜んでいますよね?
JUNNA:はい。「またバンドを始めてくれて嬉しい」とか、とても喜んでくださっています。
Sakura:加入を発表した時、「JUNNAちゃん、きたー! ボーカルは一体誰なんだ?」って盛り上がってましたからね。
凪希:写真で顔を隠してたんですよね。
JUNNA:私はバレてましたけど。
凪希:ツインテールでバレる(笑)。
──「HAGANE にJUNNAちゃんが加入したらいいなあ」って思っていたファンもいたんじゃないですか?
JUNNA:そうなんだと思います。イベントとかでファンのみなさんにお会いした時、「HAGANEから連絡とかないの?」って言われたことがありました。「え? HAGANEってメンバーがいなくなるんですか?」ってしらばっくれてたんですけど(笑)。

──(笑)。「Out of the Darkness」「Catch the star」とか、ファンが大喜びするサウンドでしょうね。この4人が生み出す大きなエネルギーは、本当に気持ちいいです。
Sakura:「Out of the Darkness」は、「ZERO」の第2弾みたいな感じがあります。ギターリフ自体はちょっと前からあったんですけど、その後の展開はフルアルバムを作ることになってから広げました。アルバムの中に何か1つ重いものが欲しくて作ったんですよね。
──「Catch the star」の歌詞は、JUNNAさんが書いたんですね。
JUNNA:はい。初めてHAGANEの歌詞を書きました。歌に言葉をはめるのが初めてだったので、形にするのが大変でしたね。
──歌詞をメンバー全員が手掛けたアルバムにもなりましたが、どのような経緯でそうなったんでしょうか?
Sakura:前回のEPで初めての作詞をSayakaにお願いして、「いいなあ!」って思ったんです。そこから「Start Our Journey」の歌詞を凪希ちゃんに書いてもらうことになって、「次はJUNNAちゃんにも書いてもらいたいな」と。メンバーそれぞれの個性が歌詞でどういう風に表れるのかを私も楽しみにしていました。今後、4人で歌詞の1A、1Bとかを分担するのも面白そうですね。あと、しりとり形式で書くとか? 「り」で終わったら、次の人が「り」から始めたり?
JUNNA:「また『り』だ!」っていう「り」攻めは困る(笑)。
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