【ライヴレポート】LM.C、<Brand New Stories>ファイナルで秋ツアー開催発表も「やっぱり今が一番好きだな」

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LM.Cが4月26日、東京・恵比寿LIQUIDROOMにて国外含む全15公演の<TOUR 2025 -Brand New Stories->のファイナル公演を開催した。10月から秋ツアーの開催も発表となった同ツアーファイナルのオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆LM.C 画像

運命的エンカウントは、時にQOL (Quality of life)を爆上げする。お気に入りの靴、信頼出来る仲間、居心地の良いカフェ、感銘を受けた本、あるいは愛すべき推しなどなど。無機物・有機物を問わず、生きてきた中で大切な何かとの遭遇をしたことがある、という人はそれなりに多くいることだろう。

このたび恵比寿LIQUIDROOMにて開催された<LM.C LIVE TOUR 2025>のツアーファイナル公演で、フロントマンmayaがMCで述べた言葉はまさに“出会い”についてのものであり、それと同時にLM.Cの今現在を強く肯定するものでもあった。



「すんごい楽しい! すんごい幸せ!! LM.Cは今年で19周年ですが、続けてきて良かったなと心から思います。今までにはたくさんの出会いや別れもあって、いろんなことがあったけど、やっぱり今が一番好きだなぁ。ほんとに出会ってくれてありがとうございます!!! ま、そこはお互いさまだよね(笑)」──maya

日本国内のみならず台湾や香港も巡ってきたという今ツアーで、どうやらmayaはさまざまなことを感じて来ていたらしい。故に、前述の言葉のあとにはさらにこうも語ってくれることになったのである。

「もちろんさ。今日もこれだけの人数がいるんで、それぞれがいろんなハードルを超えたうえで集まって来てくれてるんだと思うし、中には今と違う人生だったら…みたいなことを考えてる人もいるのかもしれない。でも、何の苦労もせずに生きてきたワタシからの偏見として言わせてもらうなら(笑)、そもそも何かが違ってたらLM.Cに限らず、今の自分が好きな何かとも出会えてなかったわけでしょ? そんなのイヤじゃない?? だとしたらもう、諦めて“この人生”を頑張ってこうよ。パラレルワールドなんかに行ったところでろくなことないって。あらためて、みんな出会ってくれてありがとう。この人生を一緒に生きていきましょう!!!!」──maya

確かに、タラレバ論やもしも論ほど非生産的なものはない。考えれば考えるだけ疲弊して、負のスパイラルに陥ってしまうくらいなら。“何食わない笑顔でブチかましときゃいい”──これは今宵のライヴで最初に歌われた「LET ME' CRAZY!!」の歌詞にある一節となる。あげく、この曲の中でのmayaは“この場所で満足なら 座ってそこで指くわえて見てな”とも聴き手側を煽ってくるのだから痛快でたまらない。



LM.Cが放つポジティヴマインドは始動以来ずっと揺るがないどころか、時を経るごとに力強さと輝きを増してきており、当然そのスタンスは今年の春ツアーでもますます明確なものとなったように感じる。セットリストにアグレッシヴな曲が多めにエントリーされていたこともひとつの特徴だったようで、このツアーで数年ぶりに披露された初期の楽曲「mR.century」や、まだ音源化はしていないものの今ツアーでさらなる成長ぶりをみせた「Egoist」といった曲では、ギタリスト·Aijiによる熱量の高い攻めのプレイを存分に堪能することも出来た。

ちなみに、そんな「Egoist」で聴けた“不文律の荒波にさらされ どう生きるのかを試されている でも最後にはピース”というmayaの説得力あるヴォーカリゼイションもまた、天衣無縫な強(したた)かさにあふれていていかにもLM.C的なことしきり。歌詞の最後をしめくくる“情けも愛も喜怒も哀楽も 己の為に”というくだりとあわせて、ことごとく濃厚なmayaイズムが表出しているのだ。

また、ライヴ中盤では自問自答のような歌詞世界が味わい深い「mono-logue」、ある種の死生観までもが歌となっている「左耳のピアス」でじっくりと聴きこめるタームも用意されており、楽しく盛り上がることだけには終始しないLM.Cの魅力、そして本当の意味で“前向きに生きること”の意義をこのパートから感じられたように思う。

なおかつ、ライヴ後半では“辿り着く場所なんてどこでもいいさ”を“辿り着く場所は やっぱ東京がいいね”とmayaが歌い替えた「PUNKY ❤ HEART」や、オーディエンスが一斉にシンガロングし、人によっては激しくヘドバンをしだす事態となったバーストチューン「The BUDDHA」でいよいよの佳境へと到達。


「楽しめてますか? そこに偽りはありませんね? 他の人生とか想像したらダメです。地獄ですよ(笑)。この人生で幸せになっていきましょう!」──maya

もはやシンガロングというレベルを通り越し、大合唱そのものが恵比寿LIQUIDROOM内に響きわたった「JUST LIKE THIS!!」では驚異的な一体感が生まれ、Aijiの弾くギターソロのエモさにもよりいっそうのテンション感が加わり、mayaの表情と歌声も幸せの色合いを強めていくことに。

「初めてLM.Cを観る人はびっくりしちゃうかもしれないけど、ウチはアンコールとかやってないんで。そうやって19年やってきました。今日もそうです。ここからあと2曲でこのライヴを完成させます!」──maya

mayaがそう宣言してからの「BOYS & GIRLS」と「The LOVE SONG」が尋常ならざる盛況ぶりをみせたのは言うまでもないが、なんとこのあとにはmayaの独断により急遽「Egoist」が再び演奏されるというサプライズがあり、結果として<TOUR 2025 -Brand New Stories->はさらなる充実感を爆上げした中での大団円を迎えたのだった。


「あっという間の15本でしたが、ライヴってほんとに掛け替えのない時間だし、ありがたみも感じるわけなんだけど、ツアーファイナルだからってこれで終わりじゃないからね。またみんなと会えるように、最高な時間を過ごせるように、頑張るしかないなと思います。それまでみんなも元気でいてください!ありがとうございました!!」──Aiji

「いやー、楽しかったなぁ。今年の夏はワタシの誕生日ライヴもありますし、秋には次のツアーも決まってますので、これからも一緒に想い出を積み重ねていきましょう。よろしくお願いします!」──maya

気付けば、20周年の節目もだんだんと射程圏内に入ってきたLM.C。長く応援し続けて来たという方々がいる一方、まだライヴを観たことがない人、このところしばらく観ていなかった、という人も中にはいらっしゃる可能性がある。だとするならば、そうした方々には「やっぱり今が一番好き」というmayaの言葉を信じ、ここはLM.Cとのエンカウントもしくは再会をぜひとも試みていただきたいのだ。ひいてはQOLが爆上がりし、mayaの「この人生で幸せになっていきましょう!」というあの言葉も現実となっていくはず。求めよさらば与えられん、の言葉はきっと出会いについても通ずるに違いない。

取材・文◎杉江由紀
撮影◎Mirai Yamashita (PROGRESS-M)

■<TOUR 2025 -Brand New Stories->4月26日@東京・恵比寿LIQUIDROOM セットリスト

SE NO.9
LET ME’ CRAZY!!
DOUBLE DRAGON
Space Wannabiez
Egoist
mR.century
DAYS
mono-logue
左耳のピアス。
BABY TALK
Chameleon Dance
GHOST † HEART
Happy Zombies
PUNKY ❤ HEART
The BUDDHA
OH MY JULIET.
Dystopia
JUST LIKE THIS!!
BOYS & GIRLS
The LOVE SONG
Egoist

■<LM.C TOUR 2025>

10月11日(土) 柏 PALOOZA
10月12日(日) 横浜 ReNY beta
10月17日(金) 埼玉 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
10月18日(土) 長野 CLUB JUNK BOX
10月24日(金) 京都 MUSE
10月25日(土) 大阪 ESAKA MUSE
10月26日(日) 神戸 VARIT.
11月08日(土) 宮崎 LAZARUS
11月09日(日) 福岡 DRUM Be-1
11月17日(月) 渋谷 duo MUSIC EXCHANGE

■展示会<maya + 山内洋枝 + 相川志津和 + TaKu‘ ,n 4人展「Dreaming」>

会期:7月22日(火)〜7月27日(日)
https://www.instagram.com/dreaming_dreaming_2025/

■<maya BIRTHDAY LIVE 2025>

7月28日(月) 大阪 ESAKA MUSE
7月30日(水) 神田スクエアホール
▶ファンクラブ先行受付:https://www.teamlmc-fc.com/

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