D’ESPAIRSRAYが待望の再集結。今秋開催＜CROSS ROAD Fest ＜DAY1＞］＞に参加決定

時は来たれり。“絶望と光”という意の名を持つあのD’ESPAIRSRAYが、約11年の歳月を経ていよいよ再集結することが発表された。
 
1999年9月９日にHIZUMI（Vo）、Karyu（G）、ZERO（B）、TSUKASA（Dr）の4人で始動して以降、2000年代前半のインディーズシーンにおいて瞬く間に抜きん出る存在となった彼らは、当初から音楽性の面でも強く海外進出を意識しながら動いていたと言えるだろう。
 
ニューメタルやインダストリアルロックの血脈を汲みつつ、メイドinジャパンのゴシックロックを独自のスタンスで確立していったD’ESPAIRSRAYは、その後に海外公演常連勢となっていくDIR EN GREYやMUCCに先駆けるかたちで、当時の国内バンドとしてはまだあまり前例のなかった欧州ツアーを2004年に初敢行。つまり、彼らはいちはやく“欧州に向けたVisual-Keiの輸出”という偉業をやってのけることになったのだ。
 
また、2006年には欧米全8カ国14公演にわたるワールドツアーを実施しつつ、同年夏にはドイツでの大型メタルフェス＜Wacken Open Air＞に唯一の日本人バンドとして参戦したうえ、2008年には味の素スタジアムでの＜hide memorial summit＞でもD’ESPAIRSRAYは堂々たる勇姿を披露。さらに、同年夏にはアメリカを約2ヶ月かけて行脚するツアー型フェス＜taste of CHAOS 2008＞にMUCC、the Underneath（現defspairalの前身バンド）らと帯同することにもなり、全米各地にて好評を博していったのである。
 
かくして、始動から10周年を迎えた2009年には晴れてのメジャーデビューも果たし、D’ESPAIRSRAYのさらなる飛躍を多くの人々が望んでいたのだが…2010年に入ったところで、突如HIZUMIが声帯故障というアクシデントに見舞われてしまうことに。そして、治療を目的とした活休期間を経ながらも、当時は声帯のリカバリーが困難だったという状況から、苦渋の選択でD’ESPAIRSRAYは2011年６月15日付で解散発表へと至った。かねてよりマニアの総称がつけられていたファンはもちろん、同業ミュージシャン、関係者も含めて、多くの人たちが彼らの解散を惜しんだことは言うまでもない。
 
なかば悲劇とも呼べたD’ESPAIRSRAYの解散劇。そこから約3年後の2014年７月29日には、Angelo主催のイベント＜THE INTERSECTION OF DOGMA＞にゲスト出演して計4曲を演奏するというサプライズがあったものの、近年は各メンバーとも異なるバンドであったりプロジェクトで精力的に活動してきた経緯があるため、まさかこの機にD’ESPAIRSRAYが再集結が実現しようとは…。
 
なお、念のため現在の事実関係もここでおさらいしておこう。HIZUMIは2019年よりNUL.でボーカリストとして復帰し、KaryuはAngelo（活休中）とH.U.G、ZEROとTSUKASAはTHE MICRO HEAD 4N’Sにそれぞれ在籍しているところとなる。一方でTSUKASAは演歌歌手・最上川司としても活躍中。くわえて、昨今はD’ESPAIRSRAYの楽器隊がTAKA（defspairal）とLuv PARADEとして動いている姿も多くみられる。要するに、4人ともガッツリと日々邁進し続けているというわけだ。
 
そうした中、11月15日に幕張メッセ・イベントホールにて開催されるイベント＜CROSS ROAD Fest ＜DAY1＞＞でD’ESPAIRSRAYが再集結することになったという吉報は、とにもかくにも嬉しい限り。
 
“絶望と光”という意の名を持ち、圧倒的なライヴパフォーマンスを国内外で見せつけ、唯一無二の音で一時代を築き上げたD’ESPAIRSRAY。彼らが始動から四半世紀を経た2025年の今、あらためて甦るというその尊き事実をここはしかと確かめたい。
 
文◎杉江由紀）