多国籍ユニットが2ndマキシで見せた片鱗

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――3MC、1ヴォーカル。しかも多国籍なメンバーが集結。そもそもDELiGHTED MINTの成り立ちって、どのように始まったんですか?
ジョルジョ:元々は僕がインターナショナル・スク-ルの仲間と演ってた、“三つ目のライマ-”という、3MC(3ラッパ-)のグル-プが原型になっているんです。そのグル-プで活動後、僕一人で演ってたところへ幼なじみの紹介で潤と出会い、彼のラップを聴いたら“いいね”ということになり、2人でデモ・テ-プを作り始めたんですよ。それを学校の友達のバルに聴かせたら、“俺もラップをやりたい”という話になって、3人でユニットを組んで活動し始めたんです。その後、インディ-ズでレコ-ドを出すという話が出た時に、“女の子の歌を入れたいね”ということになって。その時偶然HANAさんの歌を耳にして“ぜひ彼女にやってもらおう”ということで。最初に出した12inchアナログ盤『Groove Thang』では、“feat.HANA”ということで彼女に参加してもらってるんです。それでその後、1stミニ・アルバム『Along The Bayside 』を出す時に、HANAさんが正式ヴォ-カルになり、今の形になったって感じです。
――ソウル/ヒップホップに限らずというか、それらも楽曲を形成する一つの要素でしかないという解釈のもと、ジャンルを超越した様々な音楽要素を組み込んできてますよね。その幅広いセンスが恰好いいなと。
ジョルジョ:作品を聴いてもらえばわかると思うんですけど、3MCとはいえ決してヒップホップだけを演ってるわけじゃなく、いろんな音楽要素を含んでるんですね。やっぱり音楽を作る上で、枠に縛られたくはないし。だからシンガ-が必要だったんだろうし。
――DELiGHTED MINTの魅力の一つとして挙げられるのが、1曲の中で3人のラップが自由奔放に絡まっていく所ところと思うんです。その絡み合いはどんな感じで作っていくんですか?
ジョルジョ:みんながそれぞれに自分でスキルを考え、それをHANAさんも含めて全員で話し合っていくという感じです。
バル:自分が一番コア的なヒップホップを得意としてるんですけど。このグル-プは、個性的な4人がぶつかって出てくる音こそが、新しくて良いものだと思ってるぶん、自分はコア的な要素を残しつつも、メロディアスな面も出したりしてる。
藤井:俺はこの多国籍なメンバ-の中では、特に日本語を大切にしてる。逆にこういう(英語の得意な)奴らがいるからこそ、日本語を大切することによって自分の居場所も出来るし。英語の歌詞は2人に任せて、俺は日本語のラップへ強い魅力を感じながら演ってます。

――藤井さんの場合、<臨戦態勢><新選抜制>など、四文字熟語を好んで多用してますよね。
藤井:四文字熟語は好きなんですよ。漢字って、一つの意味しか持ってなくても、組み合わせ次第で言葉の意味が広がるじゃないですか? しかもラップって言葉遊びですから。例えば、“ぬるま湯”という意味を別の言葉で韻を踏むとしたらどうなるだろう? と考えた時に<平成微温湯>と表現したり。とくに俺の場合、言葉の意味を凄く重視してるので、その言葉を通し何を言いたいのかがしっかり伝わるように書いてます。
――ヴォ-カリスト、HANAさんの場合はどうですか?
HANA:私はこれまでズ-ッと一人で(ゴスペルを)歌ってきてたんですね。ましてやヒップホップのことなど、よく知らない状態でしたし。だけどラップと歌を分担して歌ったり、みんなで合わせて歌ってる合間を縫うように歌っていくというスタイルを学んだことにより、私自身学ぶことが多かったし、自分の歌い手としての広がりも出ましたね。だから私自身は、日本語のヒップホップを良く知らない自分と、コアなスタイルを知っている彼らとの架け橋のようなスタンスで演りながら、それを外へ伝えていけたらなと思ってます。
――さっきジョルジョも言ってたように、DELiGHTED MINTの楽曲って、枠を越えた様々な音楽スタイルが凝縮されてますよね。例えば、最新マキシ・シングル「FORCE」だって、いきなりスパニッシュなアコギのフレ-ズとデジタル・ル-プが絡んだソウルフルな楽曲からの幕開けですよね。ヒップホップ色を持ったラップや、HANAさんのゴスペル・シンガ-然とした雄大かつ伸びやかな歌が絡み合っていく、とてもエキサイティングなナンバ-へと仕上がってますし。
藤井:ラテン・トラックの上で演るというのは、今までのDELiGHTED MINTの中には無かったスタイルなんで。ラップや歌と同様に、ギタ-の気持ち良さもぜひ感じて欲しいですね。
――今回収録されている「FORCE」と「CYCLE OF SPIRITS」には、共通したテ-マがあると聞いたんですが。
ジョルジョ:今回は“自然の中に生きてること”をテ-マに、2曲とも書いてるんです。「FORCE」では、“この大地(社会)の中で、自分はどうやって戦いながら生きていくか”を。「CYCLE OF SPIRITS」では、“一人じゃ絶対に生きていけない、みんな助けあって生きていこう”と。つまり今回の2曲は、“太陽と月”みたいに、同じテ-マでも、書いてる視点が違ってるんです。
HANA:「FORCE」では、“自分の存在を模索したり、迷ってる自分を表現したり”。そして「CYCLE OF SPIRITS」では、“自分の中には迷いもあるけど、今この時代にみんなと繋がりを持ちながら生きてることこそ本当に素晴らしいことだ”と。そうやって、視点を変えて想いを表現することによって、DELiGHTED MINTの新たな面も見れたと思います。
バル:そうだね。“この地球という大地の上では、みんなが繋がっている”という、とても大きな想いを、今回は記すことが出来た。

――インディ-ズ時代の作品や1stマキシ・シングル「Higher Elevation」では、あらゆる音楽スタイルをクラブ・ミュ-ジックという一つの大きな枠の中へ集約し、自分たち独自のスタイルを築こうとしている印象が強かったんですが。今回の「FORCE」を聴き、ジョルジョの持つワ-ルド・ビ-トを機軸にしたトラック・メイカ-としてのセンス、バルと藤井君の持つヒップホップ・テイストの強烈なエゴ、HANAさんの持つゴスペル・シンガ-としての天性の才覚、そんな個々の持ち味を各曲の中でより強固に推し出した作品に仕上げたのかなという印象をかなり強く受けたんですよ。
ジョルジョ:確かに今回は、DELiGHTED MINTの原点に戻ってる意識があるかもしれませんね。「FORCE」では、3人でラップで絡みあったり、HANAさんがサビで歌いつつ、ラップの部分でも一緒に絡んだりして、DELiGHTED MINTの持つヒップホップ的センスの面白さを推し出した楽曲になりましたし。「CYCLE OF SPIRITS」では純粋に“いい曲を作る”ということを実現出来た曲になったし。個人的にも、サビで歌いあげていくHANAさんの歌声が凄く好きなんですよ。それくらい今回の作品は、グル-プの方向性が明確になった作品だと思います。

               取材・文●長澤智典(00/09/12)


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