20thスペシャルインタヴュー【part 2】~作品制作過程、その方法論と価値観~

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20thスペシャルインタヴュー【part 2】
~作品制作過程、その方法論と価値観~


■ポエトリー・リーディグと、いわゆる歌の、決定的な違い。

スポークン・ワーズはやや理知的。

それからメロディの伴ったポップ音楽は、もっと感情p…情緒的、という風に大きく分けている。

今までは、スポークン・ワーズ、ポエトリー・リーディングなんて僕が言って作品を出すと、ジャーナリストの人たちも“詩の朗読ですね”"なんて言ってたんだけれども。今、'80年代の中盤にリリースした『エレクトリック・ガーデン』のリミックスとして今年『SPOKEN WORDS』を出して、非常にヒップホップ表現に近いことに、自分でも気づく。

で、僕がデビューした1980年から、言葉をいかに格好良く音楽化するにはどうしたらいいかという、その点にアプローチして作品として残してきている。

たまたま行ったニューヨーク、'83年、'84年、あのときヒップホップ・カルチャーがストリート・レベルで炸裂していた。僕の友達の黒人もヒスパニック系のプエルトリカンたちも、みんなマシン(簡易サンプラー)などを使って、楽しいラップを路上でやっていた。まだ商業化される前の、生な文化。僕もすごく面白いと思ったし、自分がずっと課題にしてきた"言葉の音楽化"というところに、彼らがやってることはすごく近い。

ヒップホップってすごく、自分が思い描いているものと近いので、僕も思わず“日本語でやりたいよ、東洋から来た一人の少年だけど、その中に飛び込んでもいい?”と言って始めたんだ。


■ヒップホップとロックンロールの佐野元春的認識とは?

僕はね、ヒップホップがどんな文化なのか実を言うとよく知ってない。

でも、言葉の音楽感という点において、アートという面から見て、ラップ、それからヒップホップというのは、すごく面白いフォーマットだと思う。応用が可能だし。その証拠に、フランス語によるラップ、ドイツ語によるラップ、韓国語によるラップ、さまざまな言語でヒップホップは消化され、それぞれの都市でそれぞれの発展の仕方をしてる。これはかつて'50年代、ロックンロールが生まれたときとまったく同じ道をたどっているんだよね。だから僕は、すごく伝播力がある素晴らしいアートフォームだと思っている。

で、アートとしてはOKなんだけれども、自分がたとえばドッグキャメラで…つまり犬の目のキャメラ、低い位置で腰をかがめてですね、腕を前に出して“YO,Check it out,baby”とか言いたくはなかった。それは形ですから。それをやったらコミックだと思う。


■プロデューサーとしてのMOTOと、
いちミュージシャン、ソングライターであるところの佐野元春の境目。

自分のことを…、たまたま僕の音楽をまとめる人がそれほど多くない…僕は現場で非常にわがままですからね。

ですので、しょうがなく自分で自分の音楽をまとめている。自分の音楽をプロデュースしているっていうような大そうな感覚は、実はないんですよね。

ただ、そういうプロデューサーがそばにいてくれて、迷ったときにね、何かアドバイスをくれるプロデューサーがいたらいいな、とは思うけれども。まぁ今まで何回かはいたけれどもね、概ね自分でやってきてる。

これはもう、しょうがなくて自分がまとめてるっていう感覚。

だから、佐野元春というアーティストをもう一人の佐野元春が操作したりとか、これはできないし、やった覚えもないですし、したくもないです(笑)。


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