誇らしげにAIRという名の旗を翻して…。アルバム『Flying colors』完成!

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誇らしげにAIRという名の旗を翻して…。
アルバム『Flying colors』完成!

文●水越真弓

『Flying colors』

『Flying colors』


ROOTS(ポリスター/プライエイド・レコーズ)
RTCR-1014 ¥3,059(tax in)
2001年3月14日発売

1. ME, WE.
2. Right Riot feat.Kj
3. 8 modern punks
4. don't abuse me
5. I'm sleepy
6. Put your hands up
7. 夏の色を探しに
8. only one
9. EVERYTHING,OR EVERYONE AND EVERYTHING,OR PEACE 2001
10. 声にならない声に

Flying colors TOUR SCHEDULE

■3.17(土)大分ドラムトップス
18:00OPEN / 19:00START
(問)キョードー西日本:092-714-0159

■3.18(日)熊本ジャンゴ
18:00OPEN / 19:00START
(問)キョードー西日本:092-714-0159

■3.20(火)福岡ドラムロゴス
18:00OPEN / 19:00START
(問)キョードー西日本:092-714-0159

■3.21(水)岡山オルガホール
18:00OPEN / 18:30START
(問)夢番地岡山:086-231-3531

■3.25(日)札幌ペニーレーン24
(問)WESS:011-614-9999

■3.30(金)高知キャラバンサライ
18:30OPEN / 19:00START
(問)デューク高知: 088-822-4488

■3.31(土)高松オリーブホール
18:00OPEN / 19:00START
(問)デューク高松: 087-822-2520

■4.2(月)広島チャイナタウン
(問)夢番地広島:082-249-3571

■4.6(金)名古屋ダイアモンドホール
18:00OPEN / 19:00START
(問)サンデーフォーク052-320-9100

■4.7(土)大阪Zepp OSAKA
18:00OPEN / 19:00START
(問)サウンドクリエーター:06-6357-4400

■4.29(日)東京BAY NK HALL
OPEN17:00 / START18:00
(問)ODYSSEY:03-3796-9999
果てしなく続く大地の上で、AIRという名の旗が誇らしげに翻っている…。

そんな光景が浮かんできそうなAIRのニュー・アルバム『Flying colors』が完成した。

通算5枚目となる本作は、彼にとって紛れもない自信作であり、最も力強い作品になったのではと思う。

1stアルバム『WEAR Off』リリース時にインタヴューした際、車谷浩司は「
自分でガッツポーズ取るようなものが出来た」と語っていたけれど、この『Flying colors』が出来上がった時の感触は、きっとガッツポーズどころの騒ぎじゃなかっただろう。よりフレキシブルに、よりヘヴィに、そしてよりメロディアスな轟音サウンドを全10曲の中で存分に聴かせてくれる。

本作の幕開けを飾る1曲目は<Against animal testing(動物実験反対)>と痛烈なメッセージを投げかける「ME,WE.」。言葉の端々に込められた彼の熱いメッセージが胸に突き刺さってくる1曲だ。

続く2曲目はAIRの大事な戦友、Kjこと降谷建志をフィーチャリングヴォーカルに迎えた先行シングル「Right Riot」。Dragon Ashのコアなファンなら、降谷がAIRの音楽を敬愛しているのは周知の事実だろう。

2ndアルバム『Buzz songs』の「Melancholy」という曲の中で、降谷は<Kids are alrightと唱える人 僕に何ができるか考える>と歌っている。

この<Kids are alrightと唱える人>とはまさにAIRのことであり、そのリスペクトに応えてAIR自身もDragon Ashのマキシ「Lily's e.p.」にリミックスで参加している。そんな2人の真っ向勝負が実現した「Right Riot」は、誰にも止められない強靭なグルーヴを産み出した。

そして3曲目の「8 modern punks」では激しいビートにのせて<毎日が戦場だ>と歌い、4曲目「don't abuse me」は<強さとはそう優しさであり
強さとはその優しさである>という名フレーズを声高らかに叫ぶ。

5曲目はもう一人の大事な戦友、RIZEのJesseがスクラッチギターで参戦した「I'm sleepy」。畳み掛けるようなJesseのギターに煽られて、AIRも負けじと言葉の洪水を浴びせかける。6曲目の「Put your hands up」では<今ここで唄ってることが全て ただそれだけが全て>と彼なりの思想を力強く表現し、7曲目「夏の色を探しに」は一転してゆったりとした口調で私小説のような美しい物語を奏で、8曲目「only one」は<気がつけば全てつながる軌跡>とスケールの大きなテーマを見事に歌い上げている。

続く9曲目「EVERYTHING, OR EVERYONE AND EVERYTHING, OR PEACE 2001」は、AIRのライヴに欠かせない名曲のニュー・ヴァージョンだ。オリジナルは名曲揃いの2nd『MY LIFE AS AIR』に収録されているが、「EVERYTHING~」はライヴで何度も演奏されるにつれ重要度を増していった曲なだけに、今回よりドラマティックに生まれ変わったことで、今後のライヴ活動がますます充実したものになることを予感させてくれる。

そしてアルバム・ラストを飾るのは、大空を揺蕩う雲のように緩やかなメロディが響き渡るラヴソング「声にならない声に」。車谷の切なく透き通った歌声が美しい余韻を残す、感動的なエンディングとなっている。

最後にどうしてもひとつだけ言っておきたいことがある。

本作に登場する大事な戦友とは、前途した降谷建志とJesseだけではない。AIRのデビュー作からずっとレコーディングやライヴを共に経験してきた凄腕ミュージシャン、渡辺等(ベース)と佐野康夫(ドラムス)の存在だ。この2人なくしてAIRは語れないし、車谷を含めた3人が固い絆と強い信頼関係で結ばれているからこそ、『Flying colors』が最高傑作に仕上がったのだと思う。
「Right Riot」

「Right Riot」


ROOTS(ポリスター/プライエイド・レコーズ)
RTCR-1013 ¥1,020(tax in)
2001年3月2日

1. Right Riot feat.Kj
2. Emission


『Stilly』

ROOTS(ポリスター/プライエイド・レコーズ)
MTCR-1 ¥1,570(tax in)
2001年3月2日

1. YAWN(REMASTERED VER.)
2. リヴ(REMASTERD VER.)
3. Are you sleeping Brother John?(Celt Version)
4. SOMEHOW(REMASTERD VER.)
5. ここで確かに(REMASTERD VER.)
6. NEO KAMIKAZE(with Strings Version)
フィーチャリング・ヴォーカルにKjこと降谷建志、ターンテーブルにBOTS(共に Dragon Ash)を迎えたニュー・シングル「Right Riot」

「正しき暴動」という意味を持つタイトル通り、感情を激しく叩きつけるようなAIRの歌、Kjのハードなラップ、BOTSのセンスが光るターンテーブルが絡み合い、荒々しさとクールさを兼ね備えた強靭なグルーヴを聴かせてくれる。

リリックはAIRと降谷の共作となっているが、互いを“戦友”と呼びリスペクトし合う彼らだからこそ表現できる“共に闘おう”というメッセージが全体を通して伝わってくる。

またカップリングの「Emission」も「Right Riot」と同様、昂ぶる想いを声高々とぶちまけた1曲。まさに21世紀一発目のリリースに相応しい、最強のアジテーション・ソングを擁する作品に仕上がった。

このシングルがAIRの“動”の部分を担っているとすれば、同時発売のミニ・アルバム『Stilly』はAIRの“静”の部分にスポットライトを当てた1枚だと言えるだろう。

『Stilly』には、今までの作品の中からスローかつメロウな楽曲がまとめて収録されている。

静と動――この2つが揃ってこそ、AIRの音楽はより魅力的に感じられる。そういった意味でも「Right Riot」と『Stilly』は、どちらも聴き逃せない1枚なのだ。
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