表層的なところを排除して一体何が残るかの勝負!

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wagonらしさって、
この4人でカッコ良いって感じた衝動を
そのまま形に出すことなんだなって改めて思いました

『アルバムバム』という変わったタイトルをつけたwagonの2ndアルバムは、バンドの持つダイナミズムやバンドらしさに満ちたスケール感ある内容で、コアに向かっていた1stに比べてパノラマチックな結果となった。

それは解放されたバンドの2ndイシューと呼ぶにふさわしい出来と言えるだろう。

表層的なところを排除して一体何が残るかの勝負!

最新アルバム


『アルバムバム』

High Line Records HLR-020
¥2,310(tax in)

1. 神よ、おお神よ
2. 恋をした
3. GOLD
4. スカートに火がついている
5. スーパーチープのテーマ
6. 甘いシーフード
7. みんなの歌
8. About My 16
9. スイッチ オン
10.ヒーローの悲劇


3ヶ月連続 350円シングルシリーズ


「みんなの歌」

High Line Records HLR-015
367(tax in)

1. みんなの歌
2. 砂を噛め(Remaster Version)



「神よ、おお神よ」

High Line Records HLR-016
367(tax in)

1. 神よ、おお神よ
2. 空は鳥でいっぱい(Remaster Version)



「スカートに火がついている」

High Line Records HLR-018
367(tax in)

1. スカートに火がついている
2. STAY(Remaster Version)




<ライヴ・スケジュール>

● 4/1(日) 新宿LOFT
〔問〕新宿LOFT 03-5272-0382

インタビューを行なったのは、2人のヴォーカリスト、前島 龍(Vo&G)と二見如久麿(フタミシグマ/Vo&B)。対照的な2人ではあるが、語ってくれた内容はバンドが一体化されたことを裏付けてくれた。

――まずは、昨2000年秋に3ヶ月連続350円シングルを3枚リリースしましたね。

二見:
1stアルバム(『of the people? for the people? by the people?』/'99年リリース)は自分ら的にも押しが強くて、一人よがりが見えたなあという反省点が見えてきたんで、シングルからは間口を広げたところで分かりやすくしたほうが聴き手に親切だろうと。シングル3枚は、黄、青、赤、というコンセプト分けで作っていったんですけど、いざアルバムということになったら、やっぱり一枚全体を通して聴かせたいなと。

前島:
あと、生々しい音は以前から好きだったから、ライヴらしくしたかったかな。それに、僕ら何でもやりたいっていうほうだから、前作のやや片寄った感じをなくしつつ、アルバムで10曲収録だから自分たちが望む振り幅で表現したいなって思いましたね。

――そういった考えに行き着いた経緯は?

二見:

限られた時間で作業していくってことは、どうしても削っていく部分があるんですよ。逆に詰めすぎると今度は本当に聴かせたい部分が希薄になっていく。だから、そこはバランスよく、なるべく聴かせたい、良い音を早く出そうと。それか、支える、押し上げるという意味で4人のライヴでやってる感覚に近いものを…って。今回成功したんじゃないかな。

前島:
もともと4人で音出してカッコ良いなあといったのが始まりなんだからね。

二見:
そう! それ出しゃ良いワケだから。以前は、頭ン中にあるもの全て出してコレだ!ってやり方だったけど、混沌としていたんですね。それが分かってからは、なるべくシンプルにってなっていきました。

――wagonは約5年前に結成していますが、当初のブリティッシュロックなアプローチから、いつしか和風テイストの趣とツインヴォーカルというスタイルに魅力を持つ存在となってますよね。そうなるとは思ってなかったので、1stの“聴かせる”アルバムを周到しつつ、2ndアルバムは音の装飾が多く、かつコアな部分に走るだろうといった予想だったんですが。

二見:
だとしたら、もっと自分たちの深いところを攻めたという感じなんです。表層的なところはいくらでも出てくるけど、それを排除して一体何が残るか?ってところで勝負したとも言えますね。

前島:
シンプルになりつつも、意外とひねくれたところは残ってるよね(笑)。あとはそういった面白さをどういった形で相手に伝えるかでね。それはいろいろ考えましたね。僕たちは4人でエレキでガーンと演るバンドなんだけど、以前インストア・ライヴでアコースティックを演らなきゃいけなくて、アレンジを一から作り直さなきゃならないことがあったんですね。で、そのときに「何を一番にするべきなのかな?」って思ったら、やっぱりメロディの良さってところで。そこに指針が定まっていれば、今持ってる楽器でちゃんと当てはめていけばいい。そういったところで成果として出た実感があったんで、今作ではそこをポイントにしました。

二見:
でも、プライド持っていろんなアイデアを出しているから、削るにも勇気がいるんですよ。

――ですよね。なので、前作やシングルに対して、良い意味で裏切られた感じはありますよ。

二見:
実はお客さんから、「アルバムとライヴの印象が違う」って意見があって。アルバムはライヴの映像が見えてくるものにしたかったというのがありました。あと、まず耳に飛び込んでくる声を良く録りたい、そこにはこだわりました。

前島:
ライヴとCD音源って別モノなんですけど、全く別じゃないじゃないですからね。今回はそういう別ものじゃない、ってのがしっかり出せて満足できたかな。結局、俺らは歌モノですからね。

二見:
うん。ウチらは楽器演奏者じゃなくて表現者なんですよ。だから他のパートのことも考えます。全員でメロディを考えて、それぞれ言い合いますから。

前島:
とりあえず試そうとするしね。そうしたら意外と良かったりするんです。そういうの捨てちゃったりするバンドって意外とあるんじゃないかなあ。

――それでは、今回のアルバムのテ-マを聞かせて下さい。

二見:
wagonはバリエーションが多いんですけど、全体で掴んでもらわないと分かってもらえないだろうなって思って。だから、選曲の部分では“ウチ等はそうは行かないぜって裏切り”と、“実は最後まで聴くとその裏切りが必然になる”、そういう流れにしたかった。

前島:
ウチ等の好みであるんだけど、客観的にも面白く見せる、ってところあったかな。そのダイナミクス、スケール感、まるで一本の映画を見てるような起伏、ちゃんと一枚で話ができているような出来になったと思います。

二見:
ウチ等ゲーム世代なんですよ(笑)。だから全てを見せないで想像できる余地を残したってのはあるんです。想像できるキーワードは曲の中にたくさんあるんでね。

――それでは本人たちが予想する、具体的な将来像というのは?

前島:
メンバーの意見がもっと奥までいったところで緻密に重なるのかなって思いますね。

二見:
今もかなり細かくアレンジしてるんですけど、個々よりも全体をぎゅっと、結晶みたいになってくるんじゃないですか。

前島:
一番はやっぱり雰囲気なんじゃないかな。アレンジって曲の雰囲気が出てるなってところで完成していくんじゃないかな。大切なのは形じゃなくって曲が持つオーラみたいなものなんじゃないかと感じています。

取材・文●中島儀幸

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