自らの音楽を言葉では語らない、近年稀に見る口数の少ないバンド

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自らの音楽を言葉では語らない、近年稀に見る口数の少ないバンド

MCらしいMCを一切行なわず、ただひたすら演奏し、曲を連射する。
終始うつむき加減のヴォーカリストはギターを掻き鳴らしながら散文詩のような言葉を歌い、寡黙な佇まいのベーシストは喜怒哀楽のすべてを指先から弦に流動させているかのようにプレイし、瞬間のフィーリングこそすべてと言わんばかりにドラマーは瞬発的なリズムを叩く。

初めて観たthe blondie plastic wagonのライヴとは、こんな印象だった。

このインタヴューはそのライヴの翌日に行なったのだが、正直、何を訊こうかとかなり考えあぐねた。the blondie plastic wagonのメンバーは、自らの音楽を言葉では語らないと感じていたからだ。
まるで生理現象であるかのように、感情に反射的なバンド。

篠原信夫(Vo&G)、仲俣寛之(B)、山田洋一(Dr)。近年稀に見る口数の少ない3人から出てきた言葉は、彼らの音楽同様に虚飾ではなかった。

「全部、感覚だから。何も偽りはない」

2nd MINI ALBUM

『bitches blue』

Warner Indies Network WINN-82065
1,500(tax in)

1. vista
2. raspberry dance
3.
fake stars
4. 水滴
5. black limousine

1st MINI ALBUM

『buffalo boogies』

JOHN john-004
1,575(tax in)

1. lovin' dice
2. devil lunch
3. wall
4.
buffalo craxone dancin' boogie
5. peacock walk



寡黙な青年達、the blondie plastic wagonからメッセージが届いています。




<ライヴ・スケジュール>
BITCHES BLUE TOUR

2001/5/23(水) 仙台MA.CA.NA
2001/5/25(金) 旭川カジノドライブ
2001/5/26(土) 札幌ベッシーホール
2001/5/30(水) 下北沢CLUB Que
 〔問〕BAD MUSIC 03-3352-3779

2001/6/15(金) 下北沢CLUB Que
 〔問〕下北沢CLUB Que 03-3412-9979
2001/6/17(日) 宇都宮VOGUE
 〔問〕宇都宮VOGUE 028-639-0111
2001/6/28 (木) 下北沢CLUB Que
 〔問〕下北沢CLUB Que 03-3412-9979


――ライヴでMCをしないのはなぜですか?

仲俣:
必要ないから。

篠原:
みんな音楽を聴きに来てるんでしょ? 俺らも音楽を聴かせたいから。

――地方によって客席の反応が違うと思うんですけど、特にやりやすい場所はありますか?

篠原:
音を出してる時点でゴキゲンだから、お客さんのリアクションでやりやすいとかっていうのはない。

――客席の反応は自分たちのプレイに影響しない?

篠原:
やりやすい、やりにくいっていうことには関係ない。

――では、みなさんにとってライヴとはどんなものでしょう?

仲俣:
伝えたり、表現する場所。バンドをやってて、自分を見せる一番いい場所。

山田:うん、そう。

――表現したいものっていうのは何?

仲俣:
昨日の(ライヴの)まま。

――それを、観てない人にもわかるように表現すると?

仲俣:
観に来てくれないことには……。

――4月にリリースされたミニアルバム『bitches blue』収録曲の詞には<涙の塊>とか<泣きそうなんだ>とか、ウェットな単語が用いられていますが、それは作詞をしている篠原さんご自身の、脆さとか弱さを表現しようとしているからなんですか?

篠原:
それも一部ではあると思う。そういう気分になるときもあるから。

――アルバム・タイトルの“blue”っていうのも、“ブルーな気分”のブルーに引っ掛けているのかな? と思ったんですけど。

篠原:
そういう気分だったらそういう曲を作るし。

――このタイトルが意味するものとは?

篠原:
曲ができて、レコーディングして、聴いて・・・この言葉が浮かんできた。感覚でつけた。全部、感覚だから。音も詞も。気持ちとか心とか感情とか、そういうのって、俺らは…出てきてしまうっていうか。何も偽りはないから。

――詞を書くときに辞書って使います?

篠原:
日本語のときはないけど、英語のときは(使う)。

――練りに練ったものではなくて、フッと口をついて出てくる言葉のようですもんね。で、そういう自然に出てくる歌詞と音だということは、自分自身をわかってほしいという気持ちが音楽表現につながっているのかと。

篠原:
それもあるけど・・・なんだかんだ言っても今この世界は素晴らしいと思うし、「くだらねぇ世の中だ」とかって言うタイプでもないから。そんなこと昔からみんなが言ってることだから。…悲しくもなるし。

――嬉しくもなる?

篠原:
うん。そういうことに、みんな気づいてんのかなって。本当はぜんぜん自由じゃない、自由じゃなくしてるのは自分、とか。

――何をもって自由とするかっていうこともありますよね。

篠原:
それは大事。・・・先が見えてないとできないこともあるし。目的は見えてるけど、でも、その先は・・・見えてるつもりだけかもしれない。

――トリオであることにこだわりはありますか?

篠原:
こだわり…。

――ロック・バンドの編成としてはミニマムな構成なわけで、シンプルだからこそ表現できるもの、達成できる境地というものがあるかと思うんですけど。

篠原:
……まぁ、3人でできてしまっているから、他に誰か入れてやろうとはぜんぜん思わない。

――なんか、3人の間に言葉は要らないって感じですよね。「それ」「あれ」で通じちゃうような。

篠原:
バンドってみんなそういうもんじゃないの? 感情が出てくるところが一緒っていうか。人と成りはぜんぜん違うんだけど……感覚。

ぶっきらぼうな口調ながら、一所懸命に頭の中で答えを整理し、嘘のない答えを導き出そうとする。その、不器用ながらも真摯な姿は、the blondie plastic wagonの音楽そのものであるような気がする。

取材・文●望木綾子

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