ほら、AUTO PILOTって“自動操縦”って意味だからだからさぁ…新作『surf game rider』を発表

ポスト
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丁度いい地点をうまく探っていくようにしてるんだよね。
ほら、AUTO PILOTって“自動操縦”って意味だからだからさぁ


AUTO PILOTは'99年に、タカバタケシュンタロウ(Vo&G)、ナカイ(Vo&G)、ウオズミ(Prog)の3人で結成。1年後にAKO(B)が、そしてその1年くらいあとにモトキ(Dr)が加わり、5人編成のロックバンドに。なんと、もともと全員同じサッカーチーム所属。そこから一人ずつ取り込んでいった、というわけ。

結成当初は「
最初は生バンドって考えなかった。ただの普通のバンドはやりたくないなって」(ナカイ)という通り、生バンドにプログラマーの存在があって…。

そして、今2001年夏に新作『surf game rider』を発表。

その制作話はもちろん、変則バンドならではの演奏と思想の自由さ、本人達も今さらながら気づいた己の実態(!?)、そしてFUJI ROCK FESTIVAL '01参加の話まで、ばっちり掘り出します!

まじめにやってる人に殴られるなって位がいい(笑)

▲(左から)モトキ(Dr)、ナカイ(Vo&G)、タカバタケシュン(Vo&G)、AKO(B)、ウオズミ(Prog)


<LIVE SCHEDULE>

7/13(金) 渋谷 NEST
[問]NEST 03-3462-4420
7/24(火) 下北沢 CLUB Que
[問]CLUB Que 03-3412-9979
7/27(金)
<FUJI ROCK FESTIVAL '01>新潟苗場スキー場
[問]FRF'01事務局 0180-993-998


1st ALBUM

『surf game rider』

Hi-Fidelity Flag Disc WINN-82072
2001年6月21日発売 1,800(tax n)

1.surf game
2.
trance warp planet
3.ライツ
4.spider
5.summer rider



――今作『surf game rider』はデビュー作ではありますが、ストレートに作った雰囲気が出て、純粋にいいなぁと思える出来ですよね!

タカバタケシュン
フェイバリット・バンドは?
ジョンスペマイブラ、…あとは、あんまりないんだよねぇ。基準は何となく、あんまり細かく、考えて聴いてないよね。
タカバタケ:
これ、カッコ良いよねえ! カッコ良いのできたよねえ!(やや興奮気味)

――すごく考えられているようだけれど、いい意味での荒々しさもあって……。これはどうやってレコーディングしていったのですか?

タカバタケ:
まずドラムだけ2日くらいで録って、あとはスタッフ宅でハ-ドディスクを使って録っていったんです。

ナカイ
フェイバリット・バンドは?
ベルベットアンダーグラウンドジミヘン、B級パンク全般…。それ言い出すとキリがないね(編集部註:この後も「これは長いぞ~」とウオズミ氏が言う通り、話が止まりませんでした・笑)。何でも好きなんだけど、時代が変わってもパンキッシュなのがいいね。
ナカイ:
毎日通ってだらだらと…ね(笑)。だらだらやると何とかなるなと! でも、正直、なかなか俺たち自身、曲を把握していなかったから、一から考えて録りましたよ。フレーズにしろ骨格にしろ、ちゃんと決めてるけど、そのほかはライヴでは適当なんですよ。その場で思い付きでやってるからね。

――では、CDとしてひとつ形にするにあたっての構想やコンセプトは、どこに定めたんでしょう?

ナカイ:
一応考えてたけど、演り出すとそういうのブッ飛ぶじゃないですか。ライヴは得意のハッタリと脅かしで演れるんだけど(笑)、CDは僕ら自身でも冷静に聴く機会があるからね。だから作業して、いろんなこと思いついては、また練り直して…って感じでした。

タカバタケ:
本当そのレコーディング中での感じだったよね。当初、思っていたのと全然違う風になったしねえ。だから、その場ででき得ることは全部やってみようと。ライヴでこうできるのに、とかは考えずに、その場で思いついたことを全部!ってね。だから、「surf game」って曲は、最初、このミニアルバムの全体的なコンセプトではあったんだけど、結局録り終えたのは一番最後だったもんね。3年前からある曲なんだけど、コンセプトとは変わって、一番新しくなったよね。

ウオズミ
フェイバリット・バンドは?
'90年代前後のギターバンドはたいてい好き。博多のSWANKEYSが昔、大好きだった。福岡にはよく観に行きました。
ウオズミ:
うん。それって、昔考えていたことが、今新しく出てきたって感じだね。

――その結果、CDにパッケージできたものってなんだったでしょうかね。

ナカイ:
演奏面でもね、ギタリストらしくないギターをパっと思い付きで入れられたかな。だから今後も弾けるようになってきたから駄目だね。もうちょっと下手になんないと!(笑)

タカバタケ:
確かにその辺がすごく微妙だよね。AUTO PILOTはウオズミがプログラマーとしているからトラックが入るわけだけど、あまりカチッとしないように丁度いい地点をうまく探っていくようにしてるんだよね。……って今、気がついたけど(笑)。ほら、AUTO PILOTって“自動操縦”って意味だからだからさぁ。

ナカイ:
ああ、そうかも! 俺も今、気がついた。昔よく反省してはいろいろしっかりやってみようって試してみるんだけど、違うなぁって思ってたもんね、俺たち的には。

ウオズミ:
そこがAUTO PILOTでは要なんだね。

――音を作り上げていくレコーディングである反面、AUTO PILOTのようにナマモノ(楽器演奏)と打ち込みモノ(プログラミング・トラック)の融合となると、音を抜いていく作業も重要だと思うんですが。

ウオズミ:
俺はねえ、それが一番重要って気にしていたんですよ。単純にぶつかる音だけでゴマンとあるし、リズムのズレとか上物のギターの適当具合のバランスってすごく重要。それに曲も作る時点でいろいろ考えるようになるしね。すごく苦労した点ですよ。それは今回の作品だけじゃなくて、今後の鍵にもなると思う。

――でも、そうやって練った甲斐あってか、全体がひとつとなって聴こえますよね。

タカバタケ:
あれは俺たちがその時その時、いっぱいいっぱいで無我夢中で、できること、やりたいこと全て演ったらああいうものができたよね。だからヴィジョンなんかなくって。

モトキ
フェイバリット・バンドは?
このメンバ-は10年くらい一緒に遊んでいるんで、僕からはあんまり好きな音楽は発掘しないんです。みんなから言われて聴きます(笑)。僕はドラマーなんでリズムものが良いですね。
ナカイ:
うんうん。今回はそれは今後いろいろできてくると思うね。それが笑い飛ばせるようになればいいかな。俺としてはまじめにやってる人に殴られるなって位がいい(笑)。

モトキ:
ドラムとトラックがぶつかって、その場で叩き方、代えたっけね。今回は本当、問題定義の段階でもあるから、次は山ごもりですね(笑)。

AKO:
うん。だから逆に私はあんまりバンドでベースを弾くってことにこだわらなくていいかなって、それくらい思いましたね。

AKO
フェイバリット・バンドは?
最近気がついたんですけど演奏がカチッとしてるのが苦手で、マイブラペイブメント…。小人数で悪い音の音楽が好き。ヴォーカルが男女ってのが好き。最近思いましたね。
――それでは今後のライヴも変わってくるような気がしますね。

タカバタケ:
AUTO PILOTの音楽性とかジャンル、ヴィジョンってのは本当曖昧で、同じサッカーチームで10年間遊んできてるっていう意味合いが、バンドのメンバーの存在が重要だったりするのね。サウンドと同じくらい。こいつはこういうところで信頼できるとか、そういうメンツが集まっているから、そういうところをライヴでは客に感じて欲しいっていうか。ライヴに来てあそこカッコ良くなったというよりは、あ~あ駄目な人間が集まって頑張ってるから、俺も頑張ろうとかそういう感じで観に来て欲しいんだよな。

――それって、かなりロック的ですね!

タカバタケ:
ロックバンドですよ! そういうことが大事なんだよなあ! そういうことを感じるためのギターのいい加減さだったり、妙なバランスの悪さだったり…。音楽性がどうのこうのってよりは、見て盛り上がってるほうがいいじゃん。俺もライヴ行くときはサウンドがカッコ良いってよりは「何かこいつカッコ良い」ってのを観に行きたいしねぇ。

モトキ:
FUJI ROCKも参加することになったけど、キャンプ場で寝泊りしたいしね。

タカバタケ:
そうそう~。キャンプから直接ステージへ(笑)。またキャンプ場へ戻って遊んでたいね!

取材・文●中島儀幸

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