シーンの流れに乗るよりかは、自分が違う波を作りたい

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シーンの流れに乗るよりかは、自分が違う波を作りたい

日本のヒップホップ・シーンを盛り上げまくっている凄腕集団、ニトロ・マイクロフォン・アンダーグラウンド(以下、ニトロ)。
スイケン、ダボと核のメンバーがソロアルバムをリリースし、更なる快進撃を続ける中、グループの司令塔的な立ち位置にいる男、マッカチンが遂にソロアルバム『CHIN ATTACK』をドロップ!

東京アンダーグラウンド・ヒップホップ・シーンで、古くからノラリクラリとマイペースな活動を続けていたマッカチンだけに、待ってた人も多数存在するとか(筆者含む)。
そんな期待を思いっきり(モチロン良い意味で)スカしてくれた内容に、シーンはドギモをヌカレてますが、そんな騒動の真っ只中、インタヴューを慣行しちゃいました!
キャラクター同様、掴みどころの無い話になったものの、実はそこにこそマッカチンの魅力があるのだっ!?

取材・文●升本 徹

ちょっとオタクな人たち、音楽バカから支持を得たいかなー


最新アルバム

『CHIN ATTACK』

REALITY RECORDS発売中
IDCS-1004 2,550 (tax in)

1 コノ音見テハメテケルヒト
2 タイブレーク '80
3 Maririn Cafe 日本語版
4 Live '96(ビデオテープの記憶)
5 マキアートランナー
6 あったか~いっ
7 都会の音シリーズ1
8 ランページな夜
9 やすらぎの店 Feat. BUTCHER
10 未完成に捧ぐ
11 インストの秋
12 イケナイコト×アカサタナ
13 ボサノバシャワー/taken'from Station 79.7
14 マッカチンイナインデスカ(カセットテープの記憶)
15 適当強盗a.k.a.春夏秋冬
16 イボンヌONEループ


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――まずは、たくさん聞かれてるとは思いますが、ラップを始めたきっかけってのは何でしょう?

マッカチン:
(気だるそうに)それしかやることが無かったから…最近はこう答えるようにしてるんですけど(笑)。

――(笑)それでOK? その頃からズッとラッパーとしてやってこうと決めてましたか?

マッカチン:
う~ん、ラップに限らず好きなことをやっていこうとは思ってたけど。でも実際、それだけで食えていけてる人もその頃はいなかったんでねー。

――トラックを作るようになったのっていつ頃からですか?

マッカチン:
どれくらいだろう…遊びの時間が長かったから・・・。曲を作るために憶えることが色々と多かったんで・・・。さんピン(キャンプ)が終わったくらいかな~。その頃に機材を買ったのかな。

――今回のソロアルバム『CHIN ATTACK』はいつ頃から作り始めたんでしょう?

マッカチン:
え~と10月14日ですね。でも最初に作ってたヤツとかは入ってないっす。ニトロのアルバムが終わってから、ツアー中にやり始めてヒマな時にトラック作っていくって感じで。一曲ずつ作るっていうよりも、全体的に作業を進めていったのかな。授業みたいに一時間目はこの曲、二時間目は次の曲とか。3月くらいには終わってた。

――先行シングルの「適当強盗a.k.a.春夏秋冬」は?

マッカチン:
一曲の中に喜怒哀楽、春夏秋冬を入れてる感じ。ラップ・パートもあればラップがないとこもある、映画っぽくドラマティックに仕上げたつもり。映像がない映画サントラからの一曲、みたいな。

――ニトロの面々がアルバムで参加してるのはこの一曲だけですが

マッカチン:
うん、ニトロでやるのは一曲で良いかなって思ったから。またニトロではアルバムを出すこともできるし、これはオレのアルバムなんだから。(メンバーに)感謝の意味を込めて一曲だけ作った。一年中一緒にいるし。

――それ以外にもほとんどゲストナシですね

マッカチン:
フィーチャリングはいつでも出来るからねー。まずはある程度ひとりで作らなきゃなってのが、気持ちとしてあったから。一枚目は自分で自己紹介できなきゃね。オレはトラックも自分で作れるし。二枚目からフィーチャリングを多くしたり、プロデュースを誰かに頼んだりとかは考えてる。

――その中でブッチャーが参加してるのは?

マッカチン:
ブッチャーくんとは普通に仲が良いんで。オレのアルバムのトータルのバランス的には、あんな曲が凄く必要かなと思ったから。ヒップホップを聴いてる人って耳が偏りがちだから、逆にポーンと他のシーンで頑張ってる人たちのことをお届けできたら、聴いてる人の耳も幅が広がるだろうし。まぁ、やりたいからやっただけなんだけどね。

――今回のアルバムは、ヒップホップだけじゃなくハウスにレゲエにボッサに、と色々とミックスされてて、今のヒップホップ・シーンとは一味違う感じのアルバムになってますよね。

マッカチン:
いや、ヒップホップも凄い好きなんだけど、自分が音楽を作る上で刺激的なものって考えると、今のUSのヒップホップは入んないから。だから、日本のヒップホップ・シーンでは"今こういうのが流行ってる"ってのができれば良いんだけどね。トライトンとかUSでは流行ってて、でも日本ではハーモニカが流行ったり(笑)。みんな日本のシーンではハーモニカを使ったりしてね。シーンの流れに乗るよりかは、自分が違う波を作りたいかなー。人が嫌がるようなことをやってみたり。耳につくようなサウンドを、オレはワザと入れてみたりするんですよ。一箇所、変なとこに音を入れてみたりとか。

――でもこれだけのアルバムを作っちゃうと、これからプロデュース依頼とかもくるでしょうね。 トラックメイカーとして、誰かやりたい人っていますか?

マッカチン:
今はS-WORD、デリ、XBSの曲をやってるけど、一緒にやりたいラッパーは…特にいないかな。良いラッパーにトラックを提供したいとは特に思わないし。オレはねー、嫌いな曲って多いから、その曲にもよるかなー。ヒップホップに限らず世の中の音楽、CDやレコードでスピーカーから出てくるモノの中だと、1:
9くらいの割合で1が良い曲、9がどうでもよ~い曲なの、オレの中では。曲を凄い選んじゃうんですよ。


――じゃあ曲次第…と。

マッカチン:
うん。あとオレはズッと政治的なことがイヤだったんで。だからインタヴューとかもあんま受けてないし。ちょっとした横繋がりみたいなモノを利用せずに、音だけで上がって来たかったんですよね。だからトラックとかの仕事で、政治が見えるようなものは絶対やりたくないんすよ。@@@恵とかさ(笑)。その代わり身内は全然やるけど。仲良いし、金を借りたりしてるし(笑)。オレはクラブとかで仕事を取ってるつもりはないんすよ。クラブでカンパイとかして、「よく会うね、今度一緒に仕事しようよ」みたいな繋がりで東京のヒップホップ・シーンって作られてきてると思うんですよ、100%じゃないけど。オレはそういう路線じゃなくて、「アイツの仕事がスゲェ良いから」ってとこで一緒にやっていきたい。だから、もうちょっとオタクな人たち、音楽バカから支持を得たいかなー。

――最後に何かありますか?

マッカチン:
レコードを買うのはシスコが良いなぁ(笑)。

――(笑)ありがとうございましたー。


個人的なイメージとして、マッカチンって“
職人っぽい”と思っていたんだけど、リラックスした語り口調から一転、トラックメイカーとしての考えを聞いた最後部での熱い語りで、ある意味正しかったな、と実感。
上述した以外にもTWIGY「Freedom」のREMIXを手掛け、更にセカンドソロ(!)の構想、ニトロの今後(新曲も録り終わったとか!?)などなども語ってくれ、マッカチンからますます目が離せなくなってくるはず!

とりあえずは出たばっかのアルバム『CHIN ATTACK』を聴くべし!

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