沖縄を核に持つロックバンドとしての新たなる境地

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沖縄を核に持つロックバンドとしての新たなる境地

「オバーに捧げるバラード」では、客席で実祖母本人が踊る!

<サトウキビ畑でつかまえて>
2001.11.25@渋谷ON AIR WEST

1. woo-too-too
2. Sea Side High School
3. 沖縄TIME
4. Route 58
5. CHAOS MY LIFE
6. オバーに捧げるバラード
7. Life (to be free)
8. スキトヲル月
9. Beautiful Days
10. My Sweet Heart
11. タイフーン
12. ナチカサヤ
13. 空の青 
14. Billy Boy
15. ISHIMARU DEATH
16. VIVA! 沖縄
17. 海風
18. キセキの必然
19. SHAKING
20. ちんすこう
21. 沖縄JUSTICE

encore
22. 沖縄BEAT
23. 花
24. タコライス
25. ミラクル2000
26. アキラDEATH
27. アキラコア


 NEW ALBUM

『VIVA! 沖縄』

Warner Indies Network WIN3-82086
発売中 ¥2,000(tax in)

1. Woo-too-too
2. スキトヲル月
3. ナチカサヤ(featuring ナヴィ)
4. Sea Side High School
5. Beautiful Days
6. 沖縄TIME 2002
7. Typhoon
8. 空の青
9. Summer Sun
10. My Sweet Heart
11. VIVA!沖縄
12. 瞬間の気持ち~next metallic~
13. Beautiful Days~yamazaki remix~

今年バンド名をIndian-HiからIN-HIに改めた彼らの初ワンマンであり、アルバム『VIVA!沖縄』の発売記念でもあるライヴが東京・渋谷のON AIR WESTにて行なわれた。

IN-HIと言えば、沖縄音階を随所に取り入れた独特の“琉球コア”なるジャンルを確立した沖縄パンクシーンの先駆者でもあるが、この夏に発売されたシングル「空の青」より、テンポを落としたメロディ指向のロックへのアプローチが多く見られるようになった。そんな彼らの変化がライヴにもどう表われているのか。

IN-HIは4人とも黒スーツ姿で登場。客席からは紙吹雪が舞って熱い歓迎を受けている。ステージも新作『VIVA!沖縄』のオープニングナンバー「Woo-too-too」から始まり、このアルバムを中心に演奏されていく。

実は今日の初ワンマン実施のキッカケは自らの意思ではなく、イベンターからの提案だったとか。それでも躊躇していたShimo-Z(Vo)の背中を押したのは、「ナ~ニ、ヨワキング?」という周りの一言。そんな話をステージでし、
「IN-HIと、今日のお客さんはヨワキングじゃないってことを証明しようぜ!」と訴えると、会場からは「オーッ!」という怒号のような歓声があがる。と、なればもうペースはIN-HIのものだ。

勢いあるステージ展開のなか、昔、泣きながら落ち込んで帰ってきたときも、「男なら大丈夫」とShimo-Zをなぐさめてくれたという実祖母に、「オバーに捧げるバラード」を捧げると、二階最前席に陣取っていた本人も踊り出す(!)。さすが芸能の国沖縄である。“イェイイェーイ”と威勢のいい紹介で「Beautiful Days」や、寿(沖縄音楽に強い影響を受けた2人組ユニット)のナビィ(Vo)を迎え「ナチサカヤ」を披露。観客がみな、ナビィの表現豊かなヴォイスに魅了されている。そしてシングル曲「空の青」を聴かせてくれた後、元なすびの相方(らしい)ルンルン金城が登場。漫談をカマした後に「ISHIMARU DEATH」をお見舞する。

その間、IN-HIのメンバーはアロハ姿となり、一気にコアナンバーを演奏。Kame Rider V3(G)は右へ左へ移動してその観衆を煽り、Hav machine(B)は“男にして下さい”と一曲歌う。そしてファスト・コアナンバーの「ちんすこう」後の本編ラストは、「沖縄JUSTICE」。客席からの“沖縄コア! 沖縄コア! 沖縄コア!”というコ-ルが彼ららしい。

アンコールではカヴァー曲「花」も飛び出す。曲の良さを活かしたアレンジに、コアというジャンルを飛び出し、ロックバンドとして一回り成長した姿を見ることができた。

今回トータルして感じたのは、ロックバンドIN-HIとしての新たなる境地。沖縄を核に持つバンドが東京でガツンとかましてくれたぜ!という印象。そう、会場を後にして感じたのは、“渋谷の街にだって、泡盛も案外似合うんじゃないか”ってこと。

文●中島儀幸

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