解散、そして飛翔…エリックの決意と心情

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解散、そして飛翔…エリックの決意と心情

Mr.BIGから脱皮して生まれ変わったロックンロール・スピリット

1st ALBUM

『i'm goin sane』

2002年03月06日発売
PCCY-01557 2,548(tax in)

1 My Disease
2 Spaceman
3 Goin'sane
4 Free of it
5 Marie
6 There Goes The Neighborhood
7 Carnival Of Souls
8 Untouchable
9 Bigger Man
10 Who Am I Supposed To Be?
11 Everyday
12 Fly
13 In Case You Didn't Know




必見のライヴ♪&コメントビデオは
こちら!

※より鮮明に、そしてリアルな映像を観たい方はぜひ「Broad Band Barks」のコーナーへ!!!
ブロードバンド対応の大画面で観ることができます。
最後のお別れだから、かなり沈むよね

──Mr.BIG解散後の作品ということで、今までのソロ作と違い、多くのファンが不安と期待の混ざった心境で待っていました。

エリック・マーティン(以下エリック):
『アクチャル・サイズ』(Mr.BIGのアルバム)を作っている時にも、たくさんの曲を書いてたんだ。だから『アクチャル・サイズ』に収録されなかった曲も何曲かあって、そのいくつかは今回のアルバムに入った。僕は毎回Mr.Bigのアルバムで20曲くらい曲を作ってたんだよ。収録されなかったものは、大抵あんまりいい作品じゃなかったんだけど…でも今回は結構疑問に思うことがあって(笑)。

──いい曲がまだまだたくさんあったんですね。

エリック:
特に今回僕のアルバムに収録されてる「マイ・ディジーズ」「フー・アム・アイ・サポーズド・トゥ・ビー」「スペースマン」はいい作品だと思ってたから。実際、『アクチャル サイズ』を作っていたときは、いろんな騒動もあったからね。過去にも採用された曲とされなかった曲があったけれど、今回は何でこの3曲がMr.Bigのアルバムで採用されなかったのか不思議だったんだ。彼らは曲が気に入ってても、僕のことが嫌いだったのかも(笑)。それで僕のバンドに曲を持っていって、メンバー達が演ってくれたんだ。これらの曲が生き残って良かったよ。

──ファンにとっても嬉しい話ですね。

エリック:
Mr.Bigは解散してしまって残念だった。まさか終わると思っていなかったから。ちょっと休みをとって、頭の中を落ち着かせようと思ってただけだった。確かにツアーを廻ったり、彼ら4人と一緒にいるということは大変なことだったけどね。バンドの中で成長していって…お互いミュージシャンとしてはリスペクトしてたけど、人としてはリスペクトしていなかったのかもしれない…分からないけど。もうこういうことを話すのはうんざりなんだけど、でも今回起こったのはそういうことなんだ。

──ええ。

エリック:
解散ツアーの1ヶ月前にビリー・シーンをクビにしたのはみんな知ってると思う。バンドといるとき、彼はつまらなさそうに見えたから。でも多分それも間違いだったのかもしれない。それよりもちゃんとお互い話し合えばよかったのかも。最終的に僕たちもハッピーではなかったから解散することになった。

──そうでしたね。

エリック:
結局ビリーに解散ツアーのことを伝えて、最後だけは一緒にバンドとしてやらないか?って聞いたら「いいよ」って言うんだ。脱退して、解散ツアーでは一緒になって…もうワケが分からなくて、何が起こっているのか…うまく言えないけど、12年間のMr.Bigの活動の中で、僕はいつもMr.Bigを最優先にしてた。エリック・マーティン・プロジェクトを保留にしていたり、2番目のプロジェクトとして扱ったり、趣味としてやってみたりしていた。Mr.Bigが終わってしまったのは悲しいけど、でも今は、思いっきりエリック・マーティン・バンドに集中できるからとても嬉しいよ。エリック・マーティン・バンドは解散しないよ!

最新作『i'm goin sane』の制作はいかがでしたか?


▲左からマーク・ハーリー、エリック・マーティン。手に持っているのは、もちろん最新作『i'm goin sane』!
エリック:
何か面白いことあったかな? あ、紹介するね、彼はマーク・ハーリー。エリック・マーティン・バンドのギタリストなんだ! そうだなぁ…何か変な状況だったんだよ。Mr.Bigはあまり楽しい仕事じゃなかったんだ。全然楽しくないってわけじゃなかったけど、でもMr.Bigのリハーサルから帰宅して、自分のバンドのところに行くと、すごく嬉しくて。彼らはみんな僕のことが好きだし、みんな友だちだったから。で、今回はGroove Roomというスタジオでベーシック・トラックをレコーディングしたんだ。すごいデカイ倉庫みたいなところで、デカいマイクがあって、ライヴ感を出すマイクなんだけど…とにかくそこがすごく寒くて、多分窓が壊れてたんじゃないかな(笑)。メンバーは全員トレーナーやスキー帽、パーカーとかを身に付けて…ギターなんて寒すぎてチューニングが狂って(笑)。僕の飼っている犬のチャイナが走り回ったり、録音中知り合いとか、家族とか、彼女が遊びに来て・・・トラッキングしてるのに、普通に歩いて入って来てて、何か変な感じだったな。

マーク・ハーリー(以下マーク):
エリックはMr.Bigの解散ツアーのリハーサルに行かなくちゃいけなくて、それまでにできるだけ終わらせるために、エリックはいつも時計をみながら、時間とか日程を気にしてた。かなり早いペースで進めていたけど、とってもいいサウンドに仕上がってるよね。1人があるパートを研究している中で、別の奴がレコーディングしてたり、それが反対になったりして、いつも動いていて。下の階ではキーボード・プレイヤーがプレイして上で僕がギターを弾いてて、上と下で行ったり来たり…。

エリック:
そうそう。僕が上でヴォーカルを録ってて下の階でエンジニアがミキシングをしてて、僕はプロデュースもしてたから、かなりバタバタしてたね。最後の日の朝8時にやっとマスターが完成したんだよ。それですぐに飛行機に乗ってMr.Bigの解散ツアーに出かけたんだ。

──凄いスケジュールですね。

エリック:
色んなことが動いていて、ちょっと働きすぎて疲れてたんだけど、解散ツアーでは嬉しそうな顔をしたよ。でも難しかった。解散ツアーは僕のアイディアだったし、ロックン・ロールは楽しいもんじゃなきゃいけないと思っているんだけど、でも何か気難しくなって…。ファンに会えて本当に素晴らしかったし、2時間もの間、ものすごくエキサイティングでエネルギッシュで観衆も盛り上がったんだけど、でもショウが終わるとみんな沈んでて、バンドメンバーは移動の車に乗って、最後に晩飯を静かに食べてさ…。以前のようにみんなで楽しく!って感じじゃないんだ。ファンがきても真面目な感じになってて、まるでお葬式みたい。“また会おう!”っていうわけにはいかなかったから、かなり沈むよね。最後のお別れだったんだ。

──そうですね。

エリック:
ただそんな中で、僕には完成した『アイム・ゴーイン・セイン』があった。僕にはまだ楽しみなことがあるって感じたよ。

エリックが生んだロックンロール・アルバム

──エリックからマークを紹介してください!

エリック:
マーク・ハーリーを紹介するよ。エリック・マーティン・バンドのギタリストだよ。じゃぁ、日本語で話してみろよ! カメラに向かってね!

マーク:
(カメラを見つめて)ボクノナマエはマーク・ハーリーデス。

エリック:
ハーイ(日本語)。素晴らしい! はい、ご褒美にクッキー。

マーク:
さすがに最初はちょっとビビッたよ。僕はブルース・ロックの影響を受けたプレイヤーだけど、エリックはスキルのあるギター・プレイヤーとずっと一緒にやってきている。彼らはコラムまで書いたりするプレイヤーだっただろ? 僕なんかコラムすら読まないからね(笑)。考え方からして違う訓練を受けてきたって感じかな。音楽学校出身みたいなギター・プレイヤーと、クラブでしかやったことないんだけどギターが好きでガッツがあるプレイヤー。でも僕は彼らを本当に尊敬してるんだ。だからレコーディングをしながら、エリックというシンガーは、ドリルで弾いたり世界的に有名な「アディクテッド・トゥ・ザ・ラッシュ」や「コロラド・ブルドック」をやったビリー・シーンやポールと一緒にやってた奴なんだと思うと、ホントに驚きだった。僕は“マーク・ホリー”としてベストを尽くしたいと思っているだけだよ。

エリック:
彼は僕らに必要なんだ。僕はブルース・ロックのシンプルさが好きなんだ。ポール・ギルバートは素晴らしいギタープレイヤーだし、リッチー・コッツェンも彼自身が感じるブルースみたいなものがあって、素晴らしかった。信じられないほど素晴らしいテクニックや才能を持つギタリストがいて、あの頃はそれでよかったんだ。でも僕のバンドはもっと歌に集中している。僕は彼の弾き方が好きなんだ。同時に僕はプロデューサーという大変な作業を良くこなしたと思うよ。自分で自分を誉めちゃう…だってアルバムの出来が最高だったからね(笑)。

マーク:
あぁ。最高の出来だった。全てのハードワークとか、困難だったことがベストな結果に結びついたんだ。メンバー全員が、彼にヴィジョンがあるってことを理解してたし、彼を信頼した。メンバー全員がこのアルバムを誇りに思ってるよ。

──コンディションはばっちりですね?

エリック:
Mr.Bigの頃から12年間ファンでいてくれてる人たちは、このアルバムをとっても気に入ると思う。これはロックンロールなんだ!
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