タワレコ限定盤『OVERGROW PANORAMIC MUZIQ』とスズキタカフミのヒネクレに迫る

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OPQの新たなる音源『OVERGLOW PANORAMIC WORLD』が出た。
2ndマキシ「ドノクライ」が昨2001年8月のリリースだから、
約9ヶ月ぶりとなるニュー・アイテム。
これまではシングルという形態でのリリースのため、
断片的にしかOPQの世界が 把握できなかったわけだが、
6曲入りのミニ・アルバムという構成で、より理解 しやすくなったのではないか?
えっ、まだわからない? それではOPQ=スザキタカフミの声を参考にしていただこう。

一回アナログに通した方が音が良くなった……気がしてるだけかも

INTERVIEW MOVIE
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Mini ALBUM

OVERGROW PANORAMIC WORLD
※タワーレコード限定発売 VGCL-1003
2002年5月3日発売 1,500(tax in)

1 song for picnic(Scratch Build Diorama)
2 ブレーンの羊
3 フラワー
4 cave
5 dreamer
6 stone age sol-fa(Scratch Build Diorama)


OPQ OFFICIAL WEB SITE
 

BARKS CAFE 連載
毎月第4月曜日更新。
5月からはさらに
パワーアップ

――今回の作品のコンセプトは?  イントロとアウトロを付けて、割とコンセプチャルに仕上げたのではないでしょうか。

スザキ:
あんまり重いテーマはなかったんですけど、OPQっていうのは“OVERGLOWPANORAMIC MUZIQ”の略で、そんなOPQの世界を見せられたらイイかなって。物語にはなってないけど、何となく軽く意味がつくぐらいがちょうど良いかなと思うんですよ。


――遊び心もありつつ、割とスムースに聴けるなっていうのが印象的でしたね。スザキさんのことだから、あの手この手を披露するのかと思いきや。でも、基本的にはヒネくれてるけど(笑)。で、今回は伊豆とかいろんなところにレコーディングに行ったそうですが。

スザキ:
伊豆行ったのは一昨年だっけかな? 12曲ぐらい伊豆の方でレコーディングしてきたんですよ。レコード会社が決まる前に録りためちゃおうという、イキな計らいというか。僕が何もないままボーッとしちゃう感じになっちゃったんで。


――じゃ、けっこう古い音源も入ってるんですね。

スザキ:
「song for picnic」と「フラワー」、あと「stone age sol-fa」は新曲なんですけどね。新旧取り混ぜた感じで。自分的には全部新曲で演りたいというのは当然あったんですけど、でも前の曲の方が伝わりやすいらしいんですよ。伝わるんだったら前の曲でも良いし。悪い意味じゃなくて割り切るというか。


――でもまぁ、基本的にはどの曲も自分から生まれたものですからねぇ。

スザキ:
そうそう(笑)。でも、伊豆で録ったものをミックスしにL.A.に行ったりという、さりげなく優雅なことしたりして(笑)。エンジニアさんも3人バラバラで。新曲は、自宅でレコーディングしたんですよ。スタジオの卓に立ち上げてミックスし直したり。気のせいかもしれないですけど全部Macの中で演ってることだから、何かグッと来ないんですよね、音的に。一回アナログに通した方が音が良くなった……気がしてるだけなのかもしれないけど、実際スタジオで演るとそう感じたんですよね。結局、人間という究極のアナログが聴くわけだから、デジタルで全部演んなくても良いかなと思うんです。もちろん、曲によるだろうけど。


マイクなんて高校からクスねてきたやつですから(笑)

――アナログ楽器へのこだわりはあるんですか?


SHURE SM58

スザキ:
そういうのはないですね。あくまでも聴き心地の部分で。本当はそこまで演んなきゃいけないのかもしれないけど、そこに魅力を感じないんですよね。コレクターみたいな感じじゃないんで。マイクの立て方もわからないし、そもそも家で使ってるマイクなんて、シュアのゴッパー(SM58)という定番のマイクで、高校の軽音楽部のときクスねてきたヤツですから(笑)。あと、高級なマイクが僕には合わないみたいなんですよね。僕の声って低音が出てるみたいで、逆に安いマイクの方がクリアに録れるみたいなんですよ。

――新旧のレコーディング・トラックからこの6曲を選んだのは?

スザキ:
歌モノが入っててインストも入ってて、あと実はバラエティにも富んでるかなということで。バラードちっくなのも入ってるし、宅録みたいなのも入ってるし。

――トータルでズレの楽しさみたいなのはある作品かもしれないですね。キャッチーなんだけど、L.A.メタルを引用してくるとか。

スザキ:
実際、L.A.メタル好きなんですけどね(笑)。L.A.メタルのオープニングってだいたい大げさで馬鹿馬鹿しくて、そういうところがおもしろいかなと思って。カッコ良いとは 思わずに皮肉るというか。……って、自分で言うか(笑)?!

――L.A.メタル聴いて「アホらしさが良い」ってハマるようなところで、ほかの人と解釈の着眼点が違うんですかね。

スザキ:
あー、そうかもしれない。さすがに肌の合わないものは笑っちゃって。そこがイイから聴いちゃうっていうのはありますね。

――レコーディングに関して、今回ならではの録り方みたいなものはありましたか?

スザキ:
「song~」かな? 調子コイてiBOOKを買いまして。その内蔵マイクでギターを録ってみたら、ショボい音なんだけどそこが良くて。そこから曲が膨らんでいったんですけどね。

けっこう行き当たりばったりなんですよ(笑)

――OPQの場合、加算式というか、足して足してってやってくうちに曲になるパターンが多いんでしょうか?

スザキ:
だいたいそうですね。曲にしても歌詞にしても。まぁ辻褄合わせるのが大変なんですけど。でも、一塊になったときに軽い意味があればイイなって。モンティ・パイソンのコントみたいな感じで。

――モンティ・パイソンって、意味があるようでないし、意味がないようだけど実は何か意味があったりしますからね。しかも、オチないし(笑)。サンプリングで乱暴につないでる感じですよね。

スザキ:
そうそう。僕の音楽ってあぁいう感じなんではないかと。でも、最近ビデオでようやく観たんですよね、モンティ・パイソン。

――で、今回からニューキャラとして“SLEEVEE.”くんというのが登場しましたね。


“SLEEVEE.”くん

スザキ:
よく観るとわかるんですけど、これってスタジャンの袖なんですよね(笑)。ライヴ演るときにビデオも同時に流すんで何か作らなきゃっていうのでポンと生まれたんですけど。けっこう行き当たりばったりなんですよ(笑)。


取材・文●金井覚(02/05/24)

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