デヴィッド・リー・ロス&サミー・ヘイガーのツアー:初日レポート

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David Lee RothSammy Hagarは最近、Van Halenのことが好きでないようだが、それぞれがバンドのフロントマンを努めていた頃に作った曲に関しては、当たり前のことだが確実に誇りに思っている。そんなわけで5月29日(水)、2人がオハイオ州カイヤホガフォールズのBlossom Music Centerからジョイントサマーツアーをスタートさせた日、Van Halen時代の曲が今回のショウの目玉になることは驚きには値しなかった。

ファンたちはVan HalenのヴィンテージTシャツを着て集まっていたが、その中には背中に「Eddie Van Halenっていうクソったれな奴って、いったい誰?」と書かれたものもあった。初日の夜、Hagarは90分のセットをエネルギッシュにこなし、観衆はバンドに在籍していた時代とソロを含めた彼の11年('85年~'96年)のキャリアに圧倒された。

15分のハイライト・フィルムに続き、イエローの衣装に身を包んだHagarは、彼のバンドWaboritasをコンサート当選者用の2つの特別観覧席に挟まれたステージへと導いた。ステージ上ではセクシーな身なりをした2人の“ウェイトレス”がショウを通じてHagarにドリンクをサービスし、それを受けたHagarが最前列の席のファンに彼オリジナルのマルガリータ(または“Waborita、ワボリータ”とでもいうべきか)を作って差し出す場面も見られた。

Hagarが演奏した17曲中8曲はVan Halen時代のもので、Montroseのクラシック“Rock Candy”は時間の都合上、セットから外された。Hagarは彼のソロアルバムから“Red”('77年)をはじめ、米国のスピード制限に抗議した“I Can't Drive 55”、最近の作品“Mas Tequila”などの曲を豊富に披露。“Mas Tequila”の最後ではカボ・ワボ・テキーラのボトルの形をしたピニャータを割った。

HagarはRothのことに触れ、セット中に彼を「俺の相棒」と呼んでいたが、Van Halenのことになると感情をあらわにし、Edward Van Halenの姿をした板紙を立て、その頭をひっぱたいた。

Rothの張り詰めたヴォーカルと4人編成のバンドは、必ずしもタイトにかみ合っていたわけではなかったが、それでもテンションはかなり高く、Hagarに対抗して張り合うことはせずに、オーディエンスが何年も耳にしてなかったVan Halen時代の曲を多くプレイした。Rothの80分のセットは19曲からなり、ソロセレクションで披露したのは唯一“Yankee Rose”のみ。あとは“Panama”“And The Cradle Will Rock...”“Dance The Night Away”“Beautiful Girls”“Unchained”“Ain't Talkin' 'Bout Love”などのメタル系ナンバーで観衆を魅了し、さらにKinksの“You Really Got Me”、Roy Orbisonの“(Oh) Pretty Woman”といったVan Halen時代のカヴァーも披露した。

ただ、Rothは実際、Van Halenのアルバムからあまりに多くの曲を引き出しすぎた。演奏曲はVan Halenの'78年のデビューから“I'm The One”“Little Dreamer”“Ice Cream Man”“Atomic Punk”、さらに滅多に聞くことのない“So This Is Love?”“Everybody Wants Some”といったものにまで及んだ。ギタリストのBrian YoungはEdward Van Halenの有名な早弾きフレーズやソロを上手く弾きこなしたが、一方でRothは観衆に対して言葉数が少なく、パフォーマンス中にかつて在籍していたバンドの名を口にすることはなかった。

Hagar/Rothのツアーは5月31日ミシガン州クラークストンのDTE Energy Music Theatreで行われる。各日程で2人の役割が交互に入れ替わるため、この日のショウのトリを務めるのはHagar。
Gary Graff, Detroit (C)LAUNCH.com
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