<SUMMER SONIC 02>で7年ぶりに姿を現わしたSOFT BALLET

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ほぼ定刻通り、14:15から始まったIN DOOR STAGE、4組目のSOFT BALLET。7月下旬に突然の再結成を発表した後の初舞台である。場内の空気は、それまで筆者がいたFACTORY STAGEとは明らかに異なる、ただならぬ期待感と好奇心がビリビリと充満していた。オープニングのSEに混ざり聴こえた遠藤遼一の重低音ヴォイスに、反射的に沸き起こった「キャーッ」という甲高い歓声。そんなオーディエンスの反応に、「フフッ」と笑い声を漏らす遠藤。もぉ、焦らされまくりだ。長すぎると感じたほどのSEの後、ようやくステージに現われたSOFT BALLETの3人。森岡賢はノースリーブの銀ラメつなぎに身を包み、ステージ下手に組まれたキーボードの間に。黒づくめのストリート・ファッションの藤井麻輝はギターを携え上手へ。ファーのジャケット+革パン姿の遠藤遼一はセンターの定位置へ。各々この7年間に音楽活動を行なっていたし、もともと美意識の高い人たちだから当たり前のことだろうけれども、“怠惰”とは見事にかけ離れた佇まいであることに、やはりSOFT BALLETの美しさを感嘆せずにはいられなかった。

約45分間のステージでMCを一切行なわないまま、SOFT BALLET の“これから”を示唆する楽曲をプレイし続けた彼ら。遠藤はエヴァーグリーンなメロディに伸びやかな歌声を響かせ、森岡は華やかなタッチでキーボードを操りながらダンスで客席を煽り、藤井は寡黙な職人気質で身構える、とそれぞれが個の表現者として確立したポジションを保持した上でバンドとしての完成形を体現せしめている。これぞSOFTBALLET なのではないだろうか? 私は、初めて観ることができたSOFT BALLET のステージに対し、こんな感想を持った。

ビートパンクが隆盛を極め“バンド・ブーム”と呼ばれた'80年代末期~'90年代初頭に、ユーロビート~ハウス~トランスというゴシック様式を取り入れたダンス・ミュージックをJ-Popシーンに見せつけた元祖であろうSOFT BALLET。20世紀の遺産を楽しむのではなく、噂でしか彼らを知らない、生で観たことがない、という世代の人たちも必ずや感銘を与えるであろうバンドの再始動だ。マキシ・シングル、アルバムのリリース、さらに全国ツアーを予定しているというから嬉しい限りである。
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