リスナーに狙い撃ち“HITMAN”登場

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狙いを定めた“HITMAN”とは?

2001年、Def Jam Japanよりアルバム『PLUTINUM TONGUE』でデビューし、
日本のヒップホップ・シーンに一石を投じたラッパー、DABO

ライヴをこなすごとにメキメキと実力を発揮し、その圧倒的なパフォーマンスで
着実にオーディエンスを集め続けてきたDABOが、2002年に放つアルバムは『HITMAN』

今まで築きあげたDABOらしさを残しつつも、新たなる挑戦を自らに課せる事で
次の段階へ到達した満足感をこのインタヴューから確実に受けることとなった。

アルバム全体を覆う殺し屋と野球のイメージ、そして…

最新アルバム

『HITMAN』

Def Jam Japan 2002年09月25日発売
UICJ-1005 3,059(tax in)

1 HITMANのテーマ
2 Back(2R.A.P.E.)
3 LIFE/LIVE
4 BIGMAN! feat.BIGZAM
5 D.A.B.O.
6 マイクにガツン☆
7 Wannabees Cup 2002
8 授賞式(SKIT)
9 Murda!!!!(Killa Emcee)feat.TOKONA-X
10 場外ホーマー
11 恋はオートマ feat. HI-D
11 スピーカーにTバック feat.P.H.
13 Weegotweee! feat.DELI, SUIKEN
14 ねぇ D(LADY) feat,LISA
15 もしも明日が...(Forget Me Not)
16 OUTROW(OUTRO)



DABOからキミへ、
スペシャルメッセージ♪
そして、インタヴュー映像もお届け!
――アルバム・タイトル『HITMAN』の由来は?

DABO:
今回は最初からアルバム全体を見通して作っていった感がありまして。前作(『PLUTINUM TONGUE』)は、タイトルとかは後決めでギリギリまで引っ張ったんですけど、今回は「最初から決めたほうが宣伝的にもイメージとか伝わりやすいよ」というアドバイスを受けまして、「じゃあそれやってみよっかー」って。でまあ最初にタイトルを決めちゃってですね、それからアルバムの流れを決めていったと。いろんな意味やイメージのある言葉だし、面白いなあと思って。

――本当にいろんなイメージを喚起させられる言葉ですよね。

DABO:
狙い撃ちであり、撃たれるほうにしたら不意撃ちだったり…あと単純に今度のアルバムは数字をちょっと出したいというか、いい感じにヒットしたいなーというのがありましたね。1回売っておこうというか、まあ売れることに挑戦してみようという意味での“HIT”って感じ。もちろん、気持ちの悪い擦り寄りとかはなしに、純粋にヒップヒップとして、今までの俺のスタンスで何が売れるだろうっていう挑戦ですね。それでとにかくラブソングをやろうと。

――それが先行シングルの「恋はオートマ」に結実したわけですね?

DABO:
そもそも1枚目からラヴソングをやらないかって話はあったんすけど、その時はさらさらやる気はなかった。自分ではハードコアの部類に入るヒップホップの人だと思っているので、1stアルバムは荒削りなDABOを見せるのが先決だろうというのがあって。1stはハードコアで2ndはラヴソングっていう風な流れが俺の中であったんだけど、まあいきなり2ndアルバムに繋がる最初のシングルがラヴソングっていうのもイヤだったんで、アルバム全体を覆っている殺し屋と野球のイメージから、まず野球のイメージで最初にシングルを切って(「D.A.B.O./場外ホーマー」)、2枚目でラヴソングという風に、シングルから狙い済まして出していったと。

――そういえば、野球も“ヒットを打つ人”=“HITMAN”ですよね…そういったアルバムや曲ごとのテーマに関して、真正面から向かうんじゃなくて、どこかに必ずユーモアを盛り込んでる感じがするんですが、これは意識的?

DABO:
ユーモアはやっぱり忘れたくないですね。もう慣れっこで無意識になってますけど、でも基本的には意識してると思いますよ。“軽口”っていうか「イヤイヤ、そんなつもりじゃなかったんだよ。冗談冗談」みたいな、そんなつもりないよっていうのを俺は絶対入れたくって。それはなんていうか、いい加減なこと、好き勝手な事を言う逃げ口上っていうのも勿論あるけども、わざわざ公の場で言う事もない、なんてことのないひと言とか、街角の噂話、友達との言い合いとか、そういう空気をどんどん曲にしていきたいから。

――他愛のない日常会話だからこそ核心をつくと?

DABO:
まあ、別に格言めいた事をいうつもりもないし、出てきちゃったものに対して「格言ですね」って後から言われる事はあるけど、要は軽口を叩きたいんですよね。よくする話ですけど、ヒップホップの始まりというか、スタンスとしてゲットーの人間の喋り方っていうのがあって「今から俺のチ●ポをズボンから取り出して、この家に3回巻きつけてからお前のママとやるぞ」みたいな、そういう“何に言ってんだよ~できもしないくせに”っていう感じが好きなんすよね。言ってる事ムチャクチャでチョー理不尽だけど、そのパワーにやられてしまうっていうのが基本にあって。そういうのが1stとかにすごい詰まってんだけど、スタンスはそのままにそっから売れるって言ったら何ができるか?っていう実験が今回のアルバムって感じで。

――「受賞式〔SKIT〕」なんか象徴的な曲ですよね。オープニングから出てくる“HITMAN”が再度、登場して理不尽に撃っちゃったりなんかもするし。

DABO:
そうっすね。“HITMAN”の中には、殺し屋のアティチュードで大ヒットっていう目標があって、まぁ殺し屋のアティチュードっていっても、俺はよくリリックの中で人を殺しちゃったりとかするから、そういう意味では(“HITMAN”=)ハードコアなラッパーと捉えてくれていいんだけど、俺が今のスタンスのままでヒットを飛ばすっていうのが暗にあって。「SKIT」はね、セリフ喋ってるだけなんだけど、俺はこう言うスタンスなんだよ、ブラックジョークが大好きなんだよっていうのを分かって欲しいっていうか。前の曲(「WannabeesCup 2002」)とこの「SKIT」と、次の「Murda!!!!」の3曲は流れを考えながら作ってたんだけど、この辺はアルバムの折り返し地点的な感じで、ちょっと“HITMAN”のキラーな一面を見せつつ…というところですね。

――“Wannabees”っていうのは“なりたがりや”とかそういう意味?

DABO:
まあ“猿マネ君”ととらえてくれれば。モノマネ野郎があーでもないこーでもないって、会社の無駄な金を使って、くだらないプロモーションをしながら、くだらないトロフィーを取り合ってるよっていうのを俺は観客席から眺めてるんですよ、笑いながら。最後はムカついて撃っちゃうんですけど、そんな歌ですね。皮肉ってます。よくやるよって感じですね、この曲は。

――最終曲は「OUTROW(OUTRO)」で、これはスペル的にも“NITROW”を連想するタイトルになってるんですけど、ニトロの活動の方はどうですか?

DABO:
ニトロはアルバムっていうかとにかく曲をどんどん増やしていってる感じですね。レコーディング中で、年内にシングル、来年アルバムという感じで。まだ3曲くらいしか作ってないけど、マッカチンのアルバム収録曲でシングル曲だった「適当強盗」以来、すごい久しぶりに8人全員が揃うレコーディングになってるんで。1年ぐらいぶりでみんな単純に腕あがってるんで、すごいことになってますよ。一人一人がパワーアップしてるから楽しみにしててください、そっちも。

取材・文●尾田和実

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