老若男女も踊りだす!琉球フェス、若手アーティスト注目株チェック

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10月12日に渋谷クラブクアトロで<琉球フェスティバル '02 前夜祭>が、10月13日に日比谷野外音楽堂で<琉球フェスティバル '02>が行われた。三線を弾きながら琉球言葉で歌う伝統唄から、ギターやドラムスをバックに日本語で歌う沖縄ポップスまで幅広く披露された。ここでは特に会場を盛り上がらせた若手アーティスト3組を紹介。

●興那覇徹(よなはとおる)
26歳にしてすでに20年以上の芸歴を持つ島唄の実力者が、琉球フェスティバルのトップバッターとして登場。ヴォーカル/三線を披露した興那覇は、彫の深いフェイスラインに、金髪、サングラスで、ルックスだけ見るとちょっとロック・アーティストっぽい?のだが、三線はベテラン組が「沖縄一」と太鼓判を押すほどの腕前。興那覇が「12分もかかるんだけど」と言いつつ、沖縄伝統の踊り唄を歌い始めると、それまで座って見ていた観客が次々に立ち上がり、手をひらひらさせて踊る出す。しょっぱなから、老若男女関係なく躍らせてしまうパフォーマンス力は見事。

●しゃかり
前夜祭で圧倒的な存在感を放ったしゃかり。元りんけんバンドの上地一成を中心に結成された男2人、女1人のユニットだ。ヴォーカル千秋の圧倒的な声に、会場が一瞬どよめく。独特の韻を踏む三線、アコースティックギター、パーカッションの音色をバックに、彼女のハイトーンでいながらも力強い声がこだまする。なかなか新しい道を切り開けない現代人に、内面の葛藤はあるけれど前に進もうと呼びかける「新しい私」や、沖縄では“幸運”という意味を表す「かふう」などを披露。客席では、2歳くらいの金髪ボーイがおしりふりふりご機嫌モードに。子守唄のような癒しパワーに満ち溢れたしゃかりのステージが終わると、会場から「ブラボー」の声がかかった。

●パーシャクラブ
楽曲が沖縄のCMソングに多数起用されているパーシャクラブ。ラテンジャズ、ファンク、レゲエ、伝統的な沖縄民謡などを見事にミックスさせた独特のサウンドで、本土にもファンが多い。琉球フェスティバルの終盤に登場し、ヴォーカル/三線の新良幸人が「久しぶりの海外です」とお得意のトークで笑わせた後、名曲「海の彼方」「五穀豊穣」「じんじん」などを熱唱。会場で販売されていた泡盛やビールでほろ酔い加減の観客がワーッとステージに前に詰め寄せ、ジャンプしている若い女の子から、子どもを肩車しているお父さん、踊っている年配の方まで大盛リ上がり。最前列では、知らない人同士が肩を組み合い、気持ち良さそうに左右に体を揺らす。司会役のガレッジ・セールが「僕らも客席で酒飲みながら見たかった」と言うほど盛り上がったステージだった。
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