ビョーク初のベスト、『グレイテスト・ヒッツ』全曲解説

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来たるべき新章を待ちながら……
ビョーク 『グレイテスト・ヒッツ』


10月28日に発売された『グレイテスト・ヒッツ』は、ソロデビュー作『デビュー』から最新作『ヴェスパタイン』までの4枚から楽曲を選りすぐった、ビョーク初のベスト・アルバムである。収録曲は、彼女のオフィシャル・ウェブサイトで行なわれたファン投票の結果をもとにして選ばれており、その中に新曲が1曲加えられている。なぜ今、ベストなのか? それはおそらく、自身の内面を克明に、精緻に描き出した『ヴェスパタイン』を作り上げたことで、彼女が音楽を通じて表現したかったことが、ひとつの完結をみたからだろう。さまざまな形で紡がれてきた愛の歌たちを、今一度かみ締めながら、来たるべきビョーク新章を待ちたい。

グレイテスト・ヒッツ
2002年10月28日発売 ユニバーサルインターナショナル
UICP-1050 2548
『デビュー』から『ヴェスパタイン』まで、ファンが選んだ14曲
M1:オール・イズ・フル・オブ・ラヴ
All is Full of Love(’99)
オープニングを飾るのは、“すべては愛で満たされている”と、愛の尊さを謳うアンセム。ゆったりとした波のようなビートと、その上を漂うようなヴォーカル/コーラスのリフレインが、静かに、しかし力強く胸に沁みてくる。
M2:ハイパーバラッド/Hyper-ballad('96)
軽いタッチのブレイク・ビーツが全編に敷き詰められた中、ビョークの語るようなヴォーカルが色鮮やかに表情を描いていく繊細なナンバー。後半は、さまざまなエレメントが重ねられ、4つ打ちのダンス・ミュージックへと曲調が変わっていく。
M3:ヒューマン・ビヘイヴィアー/Human Behaviour('93) やっかいだけど、だからこそ美しいという、人間の感情を歌った曲。ティンパニーのような重くて太いビートが導入されたパーカッシヴなトラックで、どことなくダークなムードが漂っている。ビョークのかすれ声とファルセット、シャウトが野性的。
M4:ヨーガ/Joga('97)
ストリングスによる陰影に富んだ流麗な音色と、ふくよかなメロディ・ライン、そしてビョークの官能的なヴォーカルが絶妙に溶け合った、ドラマティックなスロー・ナンバー。深いメランコリーを湛えた、切なくも美しい感動的な1曲だ。


FUTURE RELEASE

『Family Tree』
ユニバーサルインターナショナル
2002年11月27日発売
UICP-7001 6825(tax in)

ビョーク自身が選んだ12曲のグレイテスト・ヒッツに加え、未発表マテリアルを“Roots”“Beats”“Strings”の3カテゴリ、6枚の3インチCDに収録。さらにビョークお気に入りの歌詞ブックレットをパッケージした豪華BOXセット

『コンプリート・ヴォリューメン』 (DVD)
ユニバーサルインターナショナル
2002年12月4日発売予定
UIBP-1011 4410(tax in)

2000年にリリースされたビデオクリップ集『ヴォリューメン+2』に『ヴェスパタイン』からのPVを追加したDVD。「Hidden Place」「Pagan Poetry」「Cocoon」は5.1サラウンド・サウンドで、さらに新曲の「イッツ・イン・アワ・ハンズ」がフィーチャーされる

1 Human Behaviour
2 Venus As A Boy
3 Play Dead
4 Big Time Sensuality
5 Violently Happy
6 Army Of Me
7 Isobel
8 It's Oh So Quiet
9 _Hyperballad
10 Possibly Maybe
11 I Miss You
12 Joga
13 Bachelorette
14 Hunter
15 Alarm Call
16 All Is Full Of Love
17 Hidden Place
18 Pagan Poetry
19 Cocoon
20 It's In Our Hands
21 Nature Is Ancient

『ヴェスパタイン・ライヴ:ロイヤル・オペラ・ハウス 』
(DVD)
ユニバーサルインターナショナル
2002年12月4日発売予定
UIBP-1010 4410(tax in)

5.1チャンネルへのミックス変更のため延期されていたライヴDVD。日本盤リリースは12月4日に

収録内容(予定)
1 frosti
2 overture
3 all is full of love
4 aurora
5 undo
6 generous palmstroke
7 an echo, a stain
8 hidden place
9 cocoon
10 unison
11 harm of will
12 t's not up to you
13 pagan poetry
14 possibly maybe
15 isobel
16 hyperballad
17 human behaviour
18 joga
19 t's in our hands
bonus - ツアードキュメンタリー(30分)

M5:バチェラレット/Bachelorette('97)
自分自身を、愛する人に踏みしだかれる灰の道や、折られてしまう木の枝にたとえたリリックが、ビョークの女としての性や熱情を想起させる濃密な曲。キャッチーとも言えるメロディックなサビが耳を惹く。ラストのアコーディオンの使われ方がクール。
M6:アーミー・オブ・ミー/Army of Me('95)
ふがいない男への警告ともいえるメッセージが込められた、アグレッシヴなナンバー。ビート使いや、ギターを模した(?)響きを持つ電子音のリフ、そして全編に貫かれているアタック感がとてもロック的で、ビョークのヴォーカルも、どことなく挑発的に聴こえる。
M7:ペイガン・ポエトリー/Pagan Poetry('01)
まるで琴のような音色で奏でられるオリエンタルなイントロに耳を奪われる、清らかで瑞々しい美しさを湛えたナンバー。脆さと強さを併せ持った、ビョークのエモーショナルなヴォーカルに胸を焼かれてしまう。祈りを捧げるようなエンディングは圧巻。
M8:ビッグ・タイム・センシュアリティ/Big Time Sensuality('93)
クラブ・ミュージックのような、ビートの効いたミニマルなバック・トラックの中を、自在に泳ぐようにビョークのヴォーカルが絡んでいくダンス・チューン。耳よりも先に体が反応してしまいそうな、フィジカルな快感をもたらすフロア型の1曲だ。
M9:少年ヴィーナス/Venus as a Boy('93)
パーカッシヴなビートを全面にフィーチャーした、リズム主体のユニークな楽曲。ここで聴けるビョークのヴォーカルは、ちょっと無邪気な少女のようでもある。歌詞でセクシャルな描写がなされていることもあり、彼女の女性性がクローズ・アップされてくる。
M10:ハンター/Hunter('98)
この曲では、当時シーンを席巻していたドラムンベースにアプローチしていて、今聴くと逆に、とても新鮮に響く。自身を狩りを続けるハンターにたとえ、去っていった男性への想いが綴られている。ストリングスが効果的にフィーチャーされ、ドラマティックな展開に。
M11:ヒドゥン・プレイス/Hidden Place('01)
人間の内面の奥の奥へと潜りこんでいくような、神秘的で深遠なムードが漂うナンバー。聖歌隊のようにスピリチュアルでピュアな女性コーラスが、曲に荘厳なヴァイブを加えている。プログラミングには、マトモスというサンフランシスコのユニットが参加。
M12:イゾベル/Isobel('95)
ホーンのイントロに導かれて、湧き出すように広がっていく大陸的でアーシーなビートが妙に心地いい。途中からは、ストリングスが伸びやかで大らかなサウンド・スケープを描き、優雅に空を舞っているようなイメージを喚起。口笛(?)のエンディングが郷愁を誘う。
M13:ポッシブリー・メイビー/Possibly Maybe('96) レコード盤に針が擦れるノイズのような効果音を含め、バック・トラックが極めて音響的。緩やかなリズムの隙間を埋めていくエレピが美しく、曲全体を淡いロマンティシズムが包んでいる。“POSSIBLY MAYBE PROBABLY LOVE”と繰り返す歌詞は、恋する女心を捉えている。
M14:プレイ・デッド/Play Dead('93)
より歌に焦点が当てられたアップ・チューンで、ビョークの卓越したヴォーカリゼーションを聴くことができる。ゆっくりと高揚しながらクライマックスに達る、魂の叫びのような歌声は感動的だ。歌詞は“死を演じる”しかないという、苦しみと痛みに満ちたもの。

M15:イッツ・イン・アワ・ハンズ/It's In Our Hands('02) ラストは、シングルとしてもリリースされる新曲。多彩なビートを前面に押し出したナンバーで、曲間には手拍子が打ち鳴らされ、温度感を増していく。エレクトロニックなのにオーガニックという、『ヴェスパタイン』で確立された世界観を凝縮したような1曲。

文●鈴木宏和



ジャケットは収録アルバム(M14は日本再発盤に収録)
()内はシングル発売年

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