ウォーレン・ジヴォン、56歳で死去

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シンガー・ソングライターのWarren Zevonが9月7日(日)、56歳で亡くなった。スポークスマンは「Zevonは、最後、苦しむこともなく、日曜日の午後に自宅で穏やかに息を引き取りました。昼寝から目を覚まさず、亡くなっていることに気が付いたのです」とBillboard.comに話している。

Zevonは、'02年の8月に中皮腫(定期的にアスベストに触れる人々がかかりやすい末期症状の肺がん)がすでに肝臓を深く侵していると診断された。初期症状がなく、Zevonは20年間医者に通っていなかったと話していた。

長年の喫煙者だったZevonは、'97年に禁煙し、毎日少なくとも1時間のウェイト・リフティングをしていた。昨年、トレーニングの後に胸の痛みと息切れに苦しんだが、最初は肉離れを起こしたと見ていた。しかし痛みが治まらず、Zevonの歯科医――Zevonは歯医者には定期的に通っていた――から医者を呼ぶよう説得され、ようやくことの深刻さに気づいたと言われる。当時、彼は余命3ヶ月と診断されたが、独自のユーモアで「それはいいけど、次の007の映画を見ることができなかったらヤダな」と冗談を飛ばしていた。結局、昨年の11月に公開された『Die Another Day』を見ることはできた

その時から、Zevonは2つのことに時間を割くようになった。1つは、娘Arielと息子Jordanと一緒に過ごすこと、そしてもう1つは、ラスト・アルバムのために出来るだけ多くの曲を書きレコーディングすることだった。そのアルバム『Wind』は、2週間前にリリースされている。

アルバムには、Bruce SpringsteenやBob Dylan、Jackson Browne、Tom Petty、彼のバンドHeartbreakersのギターリストMike Campbell、The EaglesのDon Henlay、Joe Walsh、Timothy B. Scmit、John Waite、Dwight Yoakam、俳優/ミュージシャンのBilly Bob ThorntonなどZevonの友人や崇拝者が多数ゲストに参加している。このほか、長年の仲間であるDavid LindleyやRy Cooder、Jim Keltner、Jorge Calderonらと共にJordan Zevonもフィーチャーされている。

Zevonは、昨年の10月に『Late Show With David Letterman』に特別ゲストとして出演。Lettermanは彼に、病気が発覚してから生や死について何か学んだかという質問をした。おそらく墓石への碑文を暗示してだろう、Zevonは「どんなときでもサンドイッチはおいしく食べるべきだ(How much you're supposed to enjoy every sandwich)」と答えた。

Zevonは'47年1月24日にシカゴで誕生。クラシック・ピアノを習っていたが、ティーンエイジャーの時にその道を断念、その後ギターを弾き始め、Turtlesの'67年のNo.1ソング「Happy Together」のB面となった「Like The Seasons」などの曲を書き出した。また「He Quit Me」が'69年の映画『Midnight Cowboy』のサウンド・トラックに収録される。

同じ年、デビュー・アルバム『Wanted Dead Or Alive』をリリースしたが、セールス的にはさえず、その後しばらくはEverly BrothersのバンドリーダーやCMの曲作りの仕事をすることになる。

スペインでの長期休暇から戻った'76年、Jackson Browneをプロデューサーに迎えたセルフタイトルの2ndアルバムをリリース。Zevonの名は、一般的には知名度が低かったものの、LAの音楽業界では有名だった。アルバムにはBrowne、Fleetwood MacのStevie Nicks、Lindsey Buckingham、The EaglesのDon HenleyとGlenn Frey、Bonnie Raittなどがゲストに参加した。後にLinda Ronstadtがカバーし大ヒットする「Poor, Poor Pitful Me」も同アルバムに収録されている。

これに続いた'78年のアルバム『Excitable Boy』がZevon最大のヒット作となる。アルバムは「Warewolves Of London」「Lawyers, Guns And Money」「Excitable Boy」の3つのヒット曲を収録、ゲストにBrowne、Ronstadt、Fleetwood MacのMick FleetwoodやJohn McVieらが参加した。『Excitable Boy』はビルボード200で8位、シングル「Warewolves Of London」はHot100チャートの21位につけた。

Zevonはその後もアルバムをリリースし続けたが、再びこのようなメジャーな商業的成功を収めることはなかった。'87年の『Sentimental Hygiene』は当時、注目され始めたR.E.M.がほとんど曲でバック・バンドを務め、Hot100チャートに登場するほどではないものの2つのチャート・ヒット曲を生み出しだ。タイトル・ソングはMainstream Rock Tracksチャートで9位、「Leave My Monkey Alone」はHot Dance Musin/Club Playリストの18位につけた。

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