問題児ディジー・ラスカル、マーキュリー・アワーズを受賞できたのは恩師のおかげ

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無名に近い18歳の新人Dizzee Rascalが、最年少で、またラッパーとして初めてイギリスで最も権威のある音楽賞、マーキュリー・アワーズを受賞した。UKのガラージ・シーンから登場してきたDizee Rascalは、イースト・ロンドンの荒れ果てた公営住宅団地で貧困や暴力、犯罪に向き合って育ってきた。

Rascalは、英『Daily Mirror』紙のインタビューに答え子供時代のことをこう話している。「小さい頃から、銃撃や強盗、いろんなものを間近で目にしてきた」。そして自らも周りの少年たちと一緒になって馬鹿げたことをしてきたが、「ある日、目が覚めたんだ。こんなことやってても何にもならない。こんなこと一生やってるわけにはいかない」と思ったという。そして彼は音楽に救いを求めるようになった。「周りでどんなに気違いじみたことが起こっていても、俺は音楽に固執してきたんだ」。彼は、自分の成功が誰だってストリートから脱出できるということを証明したはずだと付け加えた。

Rascalは15才にして、すでに3つの学校から退学処分を受けていた。しかしその後、転入した学校で、彼の人生を変えることになる音楽教師Tim Simithと出会う。Rascalは恩師に対してこう感謝している。「彼だけが俺のために時間を割いてくれた。ほかの教師には見捨てられてたよ。彼だけは俺を信じてくれてたし、俺のキャリアはあそこで始まったんだ」

教え子がマーキュリー・アワーズを受賞したことを知ったSmithは、涙目でこう語っている。「Dylan(Rascalの本名)の才能は類まれなもの。学校にいる時は、私のクラスで1日中音楽を作ってた」。彼とRascalは、携帯電話を使って独自のトーンを作り出していたという。

Rascalは、マーキュリー・アワーズの賞金2万ポンドのうち半分を恵まれない子供たちに寄付するという。「5つの青少年クラブに寄付するつもりだ。そのお金で彼らは音楽の機材を買うことが出来る。そうやって恩を返すのが一番いいと思う」そして残りの半分は「自分のポケットにしまっとくよ、当然(笑)」と話した。

Ako Suzuki, London
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