12/17@渋谷公会堂 SOFT BALLET<大団宴>レポート

ツイート
「2年間、楽しかったです」
アンコールの前に遠藤遼一(Vo)が言ったこの言葉が、全てを象徴するかのようだった<大団宴>。本編は、再始動後にリリースされた『SYMBIANT』『MENOPAUSE』からの楽曲のみで構成され、ラウド&アンビエントな藤井ナンバーと、クール&ビューティーな森岡ナンバーを絶妙な配置でプレイし、オーディエンスをアッパー状態に。しかし、そんな本編のラストは『MENOPAUSE』のエンディング曲でもある、まったりとしたドラムとベースのグルーヴにノイジーなギターをシンクロさせた「土縋り」でチルアウト。そして旧譜を並べたアンコール、「BODY TO BODY」では森岡がキーボードの上で仰向けに寝そべり、異常なまでのテンションでクライマックスを迎えたかと思いきや、ラスト・ナンバーは「LAST SONG」。しかも雪が舞い降るという、SOFT BALLETらしからぬオセンチな演出で大団円となった。

充実した面持ちでメンバーはステージから去っていった。客電も点いた。しかし、アンコールは鳴り止まない。ももももしやっ?! と熱い期待が誰もの胸によぎっただろうとき、SOFT BALLETの3人は再びステージに現われた。演奏するためではなく、最後の宴に立ち会った全ての人たちに感謝の言葉を言うためにだ。
「Enjoy SOFT BALLET! 応援してくれてありがとう。スタッフのみんなも、やっかいな僕らに付き合ってくれて、ありがとう」(遠藤)
「愛してるーっ! またねーっ!!」(森岡)

またいつか…?! そんな期待を抱かせつつ、SOFT BALLETの“2回目の最後のライヴ”は終わった。最後まで一言も発せず、直立姿勢でギターを弾き続けた軍服姿の藤井麻輝。スポーティー&セクシーなヘソ出し衣装で、バネ式スタンドにセットしたキーボードを激しく揺さぶりながら、自身も激しく踊りまくる森岡賢。この強烈な個性の二人の間で、会場の気を操るようなダイナミックな所作を繰り返しながら、言霊とも呼べる唄を歌う遠藤遼一。この、三様の際立った個性のコントラストは、やはりSOFT BALLETだけのものである。またいつか、3人がSOFT BALLETを楽しめるようになったときには再会してくれるんじゃないかと思っている。解散したわけじゃないし。

文●望木綾子

この記事をツイート

この記事の関連情報