速報!ジョン・メイヤー、初来日コンサートリポート

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デビュー・アルバム『Room For Squares』の大ヒット、そしてシングルカットされた「No Such Thing」が全米のラジオでの驚異のオンエア数を記録し、2003年度のグラミー賞で最優秀男性ポップ・ヴォーカルを獲得したシンガー・ソングライター、ジョン・メイヤー。まだ25歳という年齢ながら、その卓越したギターテクニック、特にアコースティックギターでのフィンガープレイと、誇張した表現のない自然な歌詞、聴きやすいメロディラインを歌うハスキー・ヴォイスは、20歳代のみならず、'70、'80年代のアメリカンロックが好きなおじさんまで、日本で幅広いファンを獲得している。そのジョン・メイヤーが初の来日コンサートを実現させた。このコンサートは2003年12月の予定が延期されたものだけに、ファンは待ちに待ったという印象が強かっただろう。

1月28日の渋谷公会堂は、20代の女性を中心に40代のベテランロックファン、グループで来ているガイジンも含めて超満員で、なにやら湿度が高く感じられる。定刻15分遅れで何気なくステージに登場したジョンは、いかにも文科系の優等生。アルバムが何週にもわたって全米でトップの座に鎮座し、グラミー賞にまで輝いた超大物には見えない。しかし曲が始まると、やはり只者ではない彼の本質が明らかになる。ブルースフィーリングを感じさせながらレイドバックしたギタープレイ、ハスキーだが通りの良い声、ガッチリ固めたアンサンブル。客席が手拍子を打ちながら身体を揺らせる。曲間ではガイジンの観客がジョンに気軽に声をかけ二言三言のやりとりがあるのだが、これが何を話しているのかわからなくて悔しい。でもそれがリラックスした雰囲気を醸し出し、観客を自分の席に封じ込めることでは定評のある日本のコンサートとしては珍しく、とてもステージと客席が近く感じられ、一瞬、ここが公会堂などではなく、アメリカのナイトクラブにいるかのような錯覚に陥る。MCの時に何気なく爪弾くギターはジミ・ヘンドリックスの「Little Wing」。こういうちょっとしたプレイにも味があって、彼の25歳という年齢が信じられなくなる。そう、『Room For Squares』には、スティーヴ・レイ・ボーンやジミヘンの曲のカヴァーがボーナストラックとして入っていた。やはり彼はこの辺の音楽を愛していて、そしてそれが彼の血肉になっているのだ。

とってつけたような演出も何もない。奇をてらったトリッキーなプレイがあるわけでもない。芯のあるギターとヴォーカルの力だけで純粋に音楽を楽しめるということを再認識させられたライヴだった。いかにもアメリカって感じのソフィスティケートされ聴きやすいフォーク・ロック。こういうのってクセになるんだよね。

詳しいライヴレポは後日。お楽しみに!

2004/01/28 @渋谷公会堂
1.Bigger Than My Body
2.Back To You
3.Clarity
4.Wheel
5.No Such Thing
6.Somethings Missing
7.My Stupid Mouth
8.Daughters
9.Your Body Is Wonderland
10.Come Back To Be
11.Why Georgia
アンコール
12.St Patricks Day
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