<最速レポート>異例の“18禁”大人ライヴへ潜入! 

ツイート


“マッシヴ”なビートが鳴り響く中でみせた
リップ・サウンドの大きな魅力


これまで5万人の単独野外ライヴ、クリスマスMEN'Sライヴなど……
様々な企画ライヴを敢行し、 その時々のライヴのおもしろさを
伝えてくれるリップスライム(以下、リップ)。

久々のシングル「Dandelion」のリリース前のツアーとなる今回は、
<CLUB TOUR 2004 "DANCE FLOOR MASSIVE">ということで
18歳以上の観客を集めて、21時からと遅めのスタート。
そんなちょっと“大人”なライヴへ潜入。

 
久々のシングル・リリース!!!

「Dandelion」

Warner Music Japan
2004年3月17日発売
WPCL-10078 1,260(tax in)

1 Dandelion
2 ジグソウル
3 Twilight
……と言っても会場前は入場のために行列ができていて、会場外からの熱気はいつもと変わらず。今回のライヴもチケットが即完だっただけに、リップのライヴへの期待度が伝わってくる。フロアに足を踏み込むと一気にクラブの雰囲気に。天井にはピカピカに光るミラーボール、そして太~いベースがうねりまくるドラムンベースがDJ SOMAによってプレイされ、開演前からフロアのお客さんもいい温まりモード。

そしていよいよ…!というところで、照明も落とされ、DJのFUMIYAが登場。さすがに大歓声があがる中、はじめに鳴り響いた音に反応するように、DJブースを挟んで用意された2つの大型スクリーンに映し出されたイコライザーのようなVJが青く光る。そしてDJブースの後ろには積み重ねられたスピーカーのサウンドシステム……。“クラブ”にこだわったその音の演出も万全だ。

ミドルテンポのアブストラクトなサウンドと共に照明の青さが宇宙を想像させる空間を創り出す中、「エアーコンディショナー」で幕を開け、RYO-Z、ILMARI、PES、SUそれぞれのMCが各自のヴァースで登場。それぞれ頭にライトをつけた4MCは、白い衣装を身にまとい、青暗い空間に彼らの光だけが輝くまさにミッドナイトにふさわしく異空間にやってきたような演出。しかし、みんなが知っている「虹」が次にキックされると7色の鮮やかな光りと共に会場もさらに歓声が湧きあがり、メンバーもそれぞれライトをとって、顔をだす。

続いて「New Shit!」という掛け声と共に新曲「Twilight」を披露。オープニング~この3曲まででVJの幻想的なイルミネーションとサウンド、そしてメンバーのいつもとは違う演出に、全く今まで経験したことのないような世界へと引きずりこまれる。

そして前半の山場は「楽園ベイベー」。サビでは観客一体となって左右に手を振る中、どんどんと熱くなって、この日最初のブレイクでDJ FUMIYAがスクラッチを披露。RYO-Zから「誕生日おめでとう!」という言葉に観客も大歓声。そう、前日3/14はFUMIYAの25歳の誕生日というスペシャル・デイだったのだ。

MCでRYO-Zは「いろいろと廻ってきまして、東京に帰ってきました!」と東京のお客さんの声を確かめるべく「SAY HO!」のお決まりのコール&レスポンス。「子供は寝ている時間だけど、君たちは熱くなりたいんだよね!」というMCの後、音が鳴り始めるとお客さんは「HOT!」という掛け声と共にドラムンベースで軽快の「HOTTER THAN JULY」で一気に爆発。さらに大きな声でのコール&レスポンスを繰り返し、ヒートアップしていく中で、クラシック曲「STEPPER'S DELIGHT」、そして「またまたNew Shit!」とビートが効いた新曲「ジグソウル」、そしてMC4人がまた踊りをみせた「CHECKER FLAG」、さらに「BASIC LINE」「雑念エンタテインメント」などおなじみの曲で一気に中盤をフィニッシュ。

<DANCE FLOOR MASSIVE>
2004/03/15 セットリスト
intro
1 エアーコンディショナー
2 虹
3 Twilight
4 MINUTES MADE
5 楽園ベイビー
MC
6 HOTTER THAN JULY
7 STEPPPER'S DELIGHT
8 ジグソウル
9 CHECKER FLAG
10 BASIC LINE
11 雑念エンタテインメント
MC
12 BLUE BE-BOP
13 TOKYO CLASSIC
14 FUNKASTIC
MC
15 DANDELION
16 TIME TO GO
17 JOINT

<アンコール>
1 ONE
2 ~BY THE WAY~
3 FRESH
4 UNDER LINE NO.5
outro

【オフィシャルサイト】

http://www.ripslyme.com/

http://www.wmg.jp/ripslyme/

中盤はRYO-Zの大人ネタMCを話しつつ、「誕生日だからFUMIYAくんからも一言」と促し、FUMIYAは「ありがとうございました。これからもがんばります!」と一言。……あっ本当に一言だ、と思ったのもつかの間、それを自分でサンプリングし、すぐに何度も流して、さらには逆回転までさせ、FUMIYAの“技”で会場を湧かせた。そんな誕生日ネタと共に「オシャレな曲をやりたいね。みんなをスウィングさせたいわけよ!」と紹介するとすぐにイントロで大歓声が巻き起こってジャジーな「BLUE BE-BOP」で後半突入。「TOKYO CLASSIC」「FUNKASTIC」と次々にクラシック曲を披露し、会場は大興奮。

そして「もうすぐ発売する新曲ですが…」と紹介しながら一気に手拍子がおこり、「Dandelion」を披露。サビに出てくる<誰もがみなFlower~>という歌詞は会場ひとりひとりにピースな気持ちを与え、発売前にして合唱が…。

そして一気にライヴはクライマックスへ。ラストもこのライヴにふさわしいドラムンベースのトラックが印象的な「JOINT」。「ラスト」と叫んだ瞬間「え~~~」という会場の嘆きにも「え~じゃなくてYeahと言って!」と盛り上げ、最後までそのテンションは上がりっぱなしで本編終了。アンコールも4曲も披露し、最後は「UNDER LINE No.5」の4つ打ちダンストラック、そして合間ではヒューマンビート・ボックスも披露するなど、最後までヒップホップらしいエンターテインメントを見せつけ、最後までその鳴り響くビートを楽しむように幕を閉じた。

まさにクラブでの様々な経験があるからこその、今回のクラブ・ツアー。イベントタイトルどおりの“マッシヴ”(大きくて重たい)なビートが最初から最後まで駆け抜ける中、随所でみせた普段観られないような4人のダンスがまた新鮮で、それがVJのクールな色のスペクタクルと共にアートなステージを演出していた。また、なんといっても彼らの楽曲を爆音で聴くとそのよさを改めて認識し、DJ FUMIYAのスクラッチはもちろんのこと、サウンドに負けないひとりひとりの個性が違う声とフロウも圧巻だった。こういった箱でのライヴだからこそ、リップ本来の大きな魅力を再確認したのは間違いない。

さらに、MCの途中でも言っていたように今回のツアーはなんと大人な(!?)イベントなだけあって、プレゼント付き♪ 「僕達のオフショット写真がず~っと観れるよ!」とRYO-ZはMCで語っていたが、その正体は……気の遠くなりそうな作業が必要なパズルでした。一体、これは完成できるのでしょうか……。

取材・文●バークス編集部

※全ての画像と文章の無断転用を禁止します。
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス