博報堂、クロスモーダル知覚(五感の相互作用)を活用しブランド体験を進化させる実験活動を開始 東京大学鳴海准教授と共同で 【実験第1弾】ビールのおいしさを増幅させる音楽

株式会社博報堂



株式会社博報堂のプロジェクトチーム「Human X(ヒューマンクロス)」は、東京大学大学院情報理工学系研究科の鳴海拓志准教授と共同で、クロスモーダル知覚(五感の相互作用)を企業のブランド体験開発に活用する実験活動「Human X Experiment(ヒューマンクロス エクスペリメント)」を開始しました。
生活者インターフェース(企業・ブランドと生活者の接点)を、人間の身体や感覚の観点から感性的・科学的にデザインする取り組みです。

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博報堂は、ブランドを起点とした生活者発想による事業成長・事業変革を「ブランド・トランスフォーメーション(BX)」として提唱し、その実現に向けた企業支援やソリューション開発を行っています。すべてがデジタルで接続する時代に、ブランドが生活者から選ばれ、生活者と長くつながり続けるためには、テクノロジーやデータの活用だけでなく、“生活者の感覚や感情にはたらきかける豊かな体験”の提供が求められていくと考えられます。

そうした新しいブランド体験の開発に、「Human X」が挑戦します。Human Xは専門組織「博報堂ブランド・イノベーションデザイン」内のチームで、2018年に発足して以来、クロスモーダル知覚を活用した独自のプロダクトやサービス開発に取り組んできました。『書くを楽しむボードWrite More(ライトモア)』や、『食育フォークpacoo(パクー)』など、異なる感覚を組み合わせて生活者の課題を解決するプロダクトが幅広い支持を集めています。

今回、Human Xチームの新たな試みとして、クロスモーダルインタフェース研究の先駆的存在である東京大学の鳴海拓志准教授との協働体制を構築し、クロスモーダル知覚がブランド体験やブランド・トランスフォーメーションにどのように活用できるかを実証研究する活動「Human X Experiment」をスタートしました。

具体的な活動として、生活者の日常に関連が深いテーマを起点とした『〇〇×五感体験デザイン』の実験シリーズに取り組みます。鳴海准教授の監修のもと、異なる感覚の組み合わせで、生活をより豊かにする仕組みを感性的・科学的に開発していきます。実験の成果は随時公開していく予定です。

また同時に、企業のブランド変革支援として、活動から得られたクロスモーダルナレッジを企業が持つブランドの“らしさ”と掛け合わせることで、生活者の身体性や感情に着目したブランド開発や世界観構築、新たな体験創出、研究開発、新事業開発にも取り組んでいきます。


■第1弾実証実験「おいしさ×聴覚」のプロトタイプ公開
「ビールのおいしさを増幅させる音の可能性」

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本日、実証実験の第1弾として、「おいしさ×聴覚」研究のプロトタイプを公開いたしました。既往の学術研究を活用し、効果検証された科学的根拠に基づき、科学的かつ感性的なアプローチで「ビールのおいしさを増幅させる音楽」を開発しました。

ビールを飲みながら聞くと、ビールの様々な食感が際立ち、新たな美味しさ体験を創出する音楽です。注意制御がもたらす感覚増幅に着目し、リアルな音の誇張表現により高い臨場感を生んだり、別の効果音の組み合わせで食感を連想させたりすることで、美味しさを増幅させます。

飲む前に聞いて期待感を高めるイントロから、「クリーミー感を増幅する音楽」「炭酸感を強める音楽」「のどごし感を増幅する音楽」と、一連の楽曲を聞きながらビールを味わうことで、時間の経過も含めた新たなおいしさを体験することができます。

※楽曲の音源は、本日よりSpotifyで無料配信しています。


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▼楽曲リンク  ※再生には、Spotifyへのログインが必要です。

アルバム「BEER」
https://open.spotify.com/album/1c0oSU6A5SG2slNfrZ156b
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♪Intro - imagine BEER -
https://open.spotify.com/track/4OL0fUwym1HDo51R06snrT
♪Texture 1. CREAMY CREAMY
https://open.spotify.com/track/5xiOtWUWlkrbke0gYBPEqI
♪Texture 2. LIGHT SODA
https://open.spotify.com/track/6fNqFoSLSutl4skgwycnJV
♪Texture 3. HEAVY NODOGOSHI
https://open.spotify.com/track/7nV8RbWEXsgVQYX73kObQ1
♪Outro - Texture Journey -
https://open.spotify.com/track/4gkwYRkEYJkoR2NmRghOzD
[画像5: https://prtimes.jp/i/8062/575/resize/d8062-575-8372c2374d0076352c7f-4.png ]

※注1 20歳未満の飲酒は法律で禁止されていますのでご注意ください。本体験は20歳以上のご利用を前提として開発したものです。
※注2 今回の実験で開発した音源は、特定のビールブランドの要素は一切含まずに開発しています。今後、本技術で企業のブランド開発を行う際には、そのブランド“らしさ”を考慮した体験を個別にデザインします。

下記ページ内のリンクからは、Spotifyにログインしていなくても楽曲の一部を再生できます。
https://www.hakuhodo.co.jp/news/newsrelease/98057/

<参考資料>
■クロスモーダル(五感の相互作用)
揺れる風鈴を見てそこから出る音を聞くと、実際の気温は変わらなくても涼しく感じることがあります。また、かき氷の赤色はイチゴ味、緑色はメロン味といったようにさまざまな味を楽しめますが、実は多くのシロップは、色が異なるだけで、味の元になっている材料は同じなのです。人は舌だけで味を感じているわけでも、肌だけで温度を感じているわけでもありません。5つの感覚が互いに交わり、相互に作用しながら、感覚は生まれています。このような感覚の仕組みは「クロスモーダル」(感覚間相互作用)と呼ばれ、ものづくりやサービスデザインにおいて、得られる感覚や体験そのものを自由に設計するためのヒントとして近年注目されています。

■Human X(ヒューマンクロス)
ヒューマンクロスは、クロスモーダルやマルチモーダル技術を活用して、人間の感覚・知覚を拡張し、生活者の五感体験をデザインするプロジェクトチームです。生活者の身体や感覚の観点から科学的かつ感性的なアプローチで、生活をより豊かにする研究やプロダクト・サービス開発等を幅広く行っています。
[画像6: https://prtimes.jp/i/8062/575/resize/d8062-575-0c3bf1d53188cca2b733-0.png ]

<Human Xのプロダクト>
Write More(ライトモア)
書くことが楽しくなるボード。カリカリ、ガリガリ、サラサラといった書くときにでる“筆記音”を大きくすることができます。東京大学大学院の研究によると、自分の筆記音を聞くことで、ひとは書くことに夢中になり、美しい線や文字を速く書けるようになることがわかりました。子どもたちに書くことをもっと楽しんでほしい。Write Moreはそんな想いから生まれたプロダクトです。

pacoo(パクー)
フォーク型の食育デバイス。食べるタイミングに合わせて流れる、オノマトペ(擬声語や擬態語)の音やリズムで、子どもの「食べるモチベーション」を刺激して、野菜を食べるのがもっと楽しくなる食育フォークです。ものごころがつく前の子どもの野菜の記憶をポジティブにし、今までにない食べる歓びを感じられる、新しい食体験を提案します。

■ブランド・トランスフォーメーション(R)(BX) ─オールデジタル化時代の生活者発想による事業成長・事業変革
生活者とモノが常時接続し、その接点に新たなインターフェースが生まれる「生活者インターフェース市場」が拡大するなか、事業のあり方も共創型、参加型へと大きく変化しています。博報堂は、これからの事業変革・事業成長の鍵は「ブランド」にあると捉え、生活者発想で事業を変革することを「ブランド・トランスフォーメーション」と定義。生活者発想のクリエイティビティと生活者インターフェーステクノロジーを活用して、企業のブランド・トランスフォーメーションを支援・推進しています。https://www.hakuhodo.co.jp/bx/

■東京大学大学院情報理工学系研究科 鳴海拓志 准教授 プロフィール
2006年東京大学工学部システム創成学科卒業.2008年同大学大学院学際情報学府修了.2011年同大学大学院工学系研究科博士課程修了.2011年より同大学情報理工学系研究科知能機械情報学専攻助教.2016年より同大学同専攻講師,2019年より同大学同専攻准教授,現在に至る.博士(工学).バーチャルリアリティや拡張現実感の技術と認知科学・心理学の知見を融合し,限られた感覚刺激提示で多様な五感を感じさせるためのクロスモーダルインタフェース,五感に働きかけることで人間の行動や認知,能力を変化させる人間拡張技術等の研究に取り組む.日本バーチャルリアリティ学会論文賞,グッドデザイン賞など,受賞多数.


博報堂のニュースリリースはこちらから(楽曲も再生できます)
https://www.hakuhodo.co.jp/news/newsrelease/98057/

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