音の空間表現を探求し第一線で活躍するサウンドアーティストevala氏が総合ディレクションを務める 最先端の空間音響を学べる“新・実験ドーム” 完成披露会イベントレポート

大阪芸術大学



 大阪芸術大学(学校法人塚本学院/所在地:大阪府南河内郡/学長:塚本 邦彦)は、文化庁メディア芸術祭や欧州アルスエレクトロニカ等で数々の受賞歴を持ち、第一線で活躍する音楽家・サウンドアーティストの音楽学科evala客員教授による総合ディレクションのもと、「実験ドーム」を改修し、2022年4月13日(水)に大阪芸術大学にて新・実験ドーム完成披露会を開催いたしました。

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オープニングセレモニー


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 オープニングセレモニーでは、音楽学科高田耕至学科長が登壇し、「大阪芸術大学 音楽・音響デザインコースのDNAは、ここ“実験ドーム”で受け継がれているといっても過言ではありません。そんな歴史ある実験ドームがevala客員教授のディレクションにより、今後50年先を見据えた、世界に類を見ない音響システムが増設された施設へと生まれ変わることが出来ました。音・音楽・空間音響をはじめ、様々な分野における新たな世界へ本施設が導いて行ってくれれば。」と、今後の新・実験ドームを活用した先に広がる学びへの展望を述べました。

 続いてevala客員教授が登壇し、「実験ドーム自体は私が大阪芸術大学の学生だった時から存在していたものの、授業にはあまり活用されていなかった印象でした。リニューアルに際して、当時の設計思想や建築機構を知るにあたり、本施設がその名の通り、1981年の設計当時からとても“実験的”かつ“挑戦的”なものであると実感しました。設立当時のユニークな思想を受け継ぎつつ、最新鋭のテクノロジーによって空間音響を学べる世界最先端の教育施設へとアップデートしました。」と、リニューアルへの想いを語りました。
 

新・実験ドーム完成披露会


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 完成披露会では、今回の実験ドームのリニューアルのポイントとして「360度全球サラウンド空間に近づけるため、設立当初からある機構を最大限活用した17.4chのサラウンドシステムを導入しました。また隣接する調整室は、空間音響制作に理想的な制作スタジオ兼プレビュールームとなり、空間音響作品の制作・実演・配信から技術そのものまでを総合的に学ぶことができる最先端の施設へと生まれ変わりました。半球型のドーム形状では、音が中央に集まって、お風呂の中のように乱反射してしまうことから、実は音楽ホールとしてはとても難しい環境なのです。しかしこのデメリットを逆手にとって教育の観点から構想していきました。ユニークな響きをもつシアターと理想的な制作スタジオがシームレスに繋がることで、音の特性や空間とは何かを体感的に根本から学ぶことになります。今AppleやSonyなどをはじめ、世界中で「空間音響」が注目されています。しかしそれはステレオの延長としての思考であり、この実験ドームはその先をいきます。「音を360度の空間として捉え」て創作する。今後はこうした環境から新しい音楽や芸術が生まれてくるでしょう。」と説明。

 そして、evala客員教授の代表作の1つである、第24回文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞を受賞した、真っ暗闇の中で体験する音だけの映画・インビジブル・シネマ『Sea,See,She-まだ見ぬ君へ』の実験ドーム-17.4ch ver.- トレーラーが披露され、「これまで、“サウンドアート”と呼ばれるものは、形ある視覚的要素のあるモノが奇妙な音を出すといった、”音も出す造形”、知覚的に例えるならば「目で聞く」ものでした。一方、僕が『See by Your Ears』というプロジェクトを立ち上げて追求していることは、文字通り「耳で視る」というもので、”音のみによる芸術”なのです。本作品は、世界中で録り集めた時間も場所も異なる様々な音を、混ぜ合わせたり、伸ばしたり縮めたりしながら、、現実にはあり得ない不思議な空間を作り上げています。暗闇の中で何がみえるか、是非耳を澄ませ済ませてみてください。」と語りました。
  

「ビジュアルイメージが溢れる時代だからこそ、人の内側からイマジネーションを引き出す“音”が重要に。」サウンドアーティストevala客員教授 サウンドアート&新・実験ドームにかける想い


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 先ほどのインビジブル・シネマ『Sea,See,She-まだ見ぬ君へ』もそうですが、作品を体験してもらうと、聴く人によって一人ひとり違う感想が出てくることがとても面白い。
これは、絵画やデザインや映像など視覚芸術ではおこりにくく、見えない音だからこその特徴でもあります。今、その目に見えない音から思考し創造していくことが、言葉と視覚だらけで外部から情報を浴び続ける現代にこそ重要なのです。音は人それぞれの内側からイマジネーションを引き出してくれます。目を閉じて世界に耳を澄ますことで、育まれる知性や感性があります。見えぬものへの想像力が、人間以外の存在への意識や、身体の可能性を爆発的にひらくことだってあります。かつて、言葉の前に音楽があり、音楽の前に音がありました。今、音そのものに立ち返って、現代のテクノロジーとともに創作することで見出せる新しい地平があるのです。その可能性に触れることが出来る環境が、この新しい実験ドームです。「音が好き」くらいの気持ちで構いません。僕自身もここ実験ドームで本気で音と向き合い作品を作っていきたいと思っていますので、ぜひ一緒に音の可能性を模索していきましょう。そしてこの大阪芸術大学の新・実験ドームが、新たな形の音楽家を生み出す一歩になればと思っています。
 

大阪芸術大学 音楽学科 evala客員教授 プロフィール


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音楽家、サウンドアーティスト。 大阪芸術大学音楽学科・客員教授。
新たな聴覚体験を創出するプロジェクト「See by Your Ears」主宰。立体音響システムを駆使し、独自の“空間的作曲”によって、先鋭的な作品を国内外で発表。音が生き物のように躍動的にふるまう現象を構築する。
近作として、2020年に完全な暗闇の中で体験する音だけの映画、インビジブル・シネマ『Sea, See, She - まだ見ぬ君へ』をスパイラルホール(東京・表参道)にて世界初上映し、文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞を受賞。2021年1月にリリースした空間音響アルバム『聴象発景 in Rittor Base – HPL ver』が、国際賞プリ・アルスエレクトロニカ2021 Digital Musics & Sound Art部門において、栄誉賞を受賞。
また公共空間、舞台、映画などにおいて、先端テクノロジーを用いた独創的なサウンドプロデュースを手掛けている。
https://evala.jp
https://seebyyourears.jp

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