ピンク 『アイム・ノット・デッド』特集 INTERVIEW編

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――今回は一人でプロデュースしているでしょ。アルバム制作の出発点において、どんなアイディア、ヴィジョンがあったの?

ピンク:それが何もなかったの(笑)。でも、私にはその方がやりやすいのよね。

――何もないところから出発して、その次はどんな行動に移したのかな?

ピンク:いろいろな人と会って、ワインを飲みながら話し合って、曲を共作していったの。今回は共作者に恵まれたから、本当にレコーディングが楽しかったわ。

――その核となったのがビリー・マン?

ピンク:彼とは前作で初めて共作したんだけれど、それ以来、ビリーは私のスピリチュアル・ブラザー。大好きな人の一人よ。彼と共作するために私はNYで約1ヶ月を過ごしたんだけれど、ちょうどLAから脱出したいと思っていたから、いい気分転換にもなったわ。

――なぜLAから抜け出したかったの?

ピンク:LAには私の自宅があって、犬に囲まれながら、心地よく暮らしているんだけれど、あまりに居心地が良すぎて、普段はぬくぬく過ごしてしまっているの。その環境ではレコーディングに集中できないもの(笑)。

――ビリーとはどんな風に曲を書くの?

ピンク:その日のムード、気分にもよるんだけれど、たとえば彼がギターで何かを弾くと、そこにインスパイアされて、私がメロディとか、歌詞のアイディアを出していったり。とてもオーガニックに曲は作られていくわ。

――スタジオ入りする段階で、ピンクには何かアイディアがあるのかしら。

ピンク:全くないわ(笑)。毎朝起きるたびに、何も浮かばなかったらどうしよう。何も歌えなかったらどうしよう。そういう心配に支配されるんだけれど、実際にスタジオに入ると、自分を客観的に見ることで、アイディアが生まれてくるので、大丈夫なんだけれどね。

――明確なアイディアではなくても、社会を見つめ、そこから生まれた思いというものはいつも抱えているんでしょ。

ピンク:そういうこともないかな。ただ例外なのが「ディア・ミスター・プレジデント」という曲。これを書いた日は、ちょうどマーティン・ルーサー・キング・デイで、スタジオ入りする前に政治的なことですごく怒っていたのよね。その怒りを音楽で表現したいと思って、作った曲だから。

――アメリカ大統領に当てた公開レターのような歌だけれど、ブッシュから返事は?

ピンク:今のところはまだ(笑)。ただ、これまで私の音楽にそれほど反応を示さなかった人達からも受け入れられている。これはうれしいことよね。

――この曲でインディゴ・ガールズと共演しているけれど、彼女達はどういう経緯で参加したの?

ピンク:以前から彼女達のファンで、ぜひこの曲に参加してもらいたいと思って、私が直接電話で依頼をしたの。その2日後には飛行機に乗って、NYにやってきてくれたわ。

――彼女達もそうだけれど、もっと意外な人選がマックス・マーティン。彼とも以前から一緒にやりたいと思っていたの?

ピンク:マックス・マーティンを推薦したのはレコード会社。最初、私はその意見に否定的だった。だって、彼はブリトニー・スピアーズとか、イン・シンクといったポップ系アーティストを多く手がけてきたプロデューサーでしょ。私が最も嫌いなものの一つがポピュラーな存在。先入観もあったし、彼のことを全然知らなかったから、すごく躊躇したの。でも、一緒にやってみていい意味で驚かされたわ。

――確かに、マックス・マーティンとの曲はクールなロック・サウンドとなっていて、今までの彼のイメージを覆すものになっているよね。ところで、前2作で組んだリンダ・ペリーは、参加する予定はなかったの?

ピンク:もう彼女とは友達じゃないから。お互いにタフで、強くて、頑固な性格だから、長時間いると、衝突することもあって、それでもう一緒にやれなくなってしまったのよ。

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