クリスティーナが語る古き良き“Basic”の魅力 【INTERVIEW前半】

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――前作から4年が経ちました。その間に変化したことはありますか?

クリスティーナ:この4年間はずい分いろんなことがあったわ。変化と言えば、去年結婚したことがそうね。私は今、すごく良い場所にいるんだと思う。実際、これほどの幸せを感じたことはない。このニュー・アルバムのリリースだってすごくうれしいことだわ。

――今作は20年代から40年代の音楽をベースとしていますが、影響を受けた音楽なのですか?

クリスティーナ:20年代から40年代の音楽とは深いつながりがあるの。ジャズの時代で、ビッグ・バンドが全盛で、ホーンなんかがたくさん使われていて・・・それが私は大好きなの。古いソウルやブルース、ジャズはあらゆる音楽のルーツと言えると思う。8歳のころからずっとそんな古いレコードを聴いてきたわ。パール・ベイリーやビリー・ホリデイやサラ・ヴォーンやダイナ・ワシントン。それらを“楽しく歌える音楽”って子供のころは言っていたのよ。

――これまでのクリスティーナとは違うイメージに仕上がっていますね。

クリスティーナ:そうね。前作と違うものを作るためには、あらゆるイメージやアルバムのことを考慮するわ。自分の限界に挑戦していきたいし、誰もしないことにトライしたいと思ってる。そしてサウンドを新たなものにしたらヴィジュアルもそれに合わせて変えるのよ。

特に今回は昔のハリウッドのスタイルや往年の女優、グラマラスなスターたちを参考にして、赤い口紅やプラチナ・ブロンドを取り入れたわ。女性らしさを強調した格好にメーキャップして行ったビデオの撮影はすごく楽しかった。

――具体的にはどんな人を参考にしたんですか?

クリスティーナ:最高に格好良い女優ばかりを参考にしたわ。マレーネ・ディートリヒにベティ・ペイジ、マリリン・モンロー、ジーン・ハーロウ、それからヴェロニカ・レイク……彼女たちがお手本よ。資料をたくさん集めたわ。切り抜きなんかを取っておいて「エイント・ノー・アザー・マン」のビデオで参考にしたの。

――今作はあなたにとって初のダブル・アルバムですが、それぞれどんな風に制作したのですか?

クリスティーナ:CD1では、DJプレミアには昔っぽいサウンドの手助けをしてもらったんだけど、彼はユニークなやり方でミキシングしたわ。古い時代の要素をいろいろと散りばめているけど、割と曖昧にぼかしているから表現に困るかもね。ラジオやクラブなんかのハードエッジなビートとミキシングしているのよ。だから今風に歌ったり踊ったりできるし、しかも古い時代の素敵な雰囲気も感じられるってわけ。昔のソウルやジャズの感じね。

――なるほど。

クリスティーナ:CD2の方はリンダ・ペリーと組んで、オーガニックなアプローチをしたの。新たなサウンドを作り上げつつ、古い感じも失っていない。サンプルとかビートも一切なしで、リアルな生のサウンドなのよ。「アイ・ガット・トラブル」はその当時の録音の雰囲気を持っているわね。古いヴィンテージのマイクを使ったんだけど、ボロボロの布で覆って硬い感じの音を出して、本当に古いサウンドみたいにしたの。

収録曲の中には、その時代のものとしか思えないものもあるし、昔の要素を取り入れたおかげで効果的になったものもある。すごくこのアルバムに誇りを持っているわ。

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