ファットボーイ・スリム、待望の新作登場 生楽器、生演奏重視の新境地を訊く!

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──先日(9/22)は素晴らしいライヴでしたが、自分でもプレイしていて楽しめましたか?

ノーマン・クック:いや最低だったね。全てがイヤだったよ……なんちゃって。DJやるのは好きだし、ライヴは大好きさ。前はバンドをやってたんだけど、基本的にはDJの方が楽しめるね。ギターをプレイしていても、いい夜には音がいいけど、悪い夜には音が悪い。でも、DJやるときはいつもいい夜なんだよ。俺がDJやってるのを見た人なら、あのスマイルは本物さ。フェイクなんかじゃないよ。

──今年のビーチ・パーティは中止(4/5ニュース参照)でしたが、来年以降の予定は?


ノーマン・クック:イギリスでやるのはもう難しいんじゃないかなぁ。なぜなら……、去年のブライトンでいろいろな問題が起こってね。地元の警察署長もクビになっちゃたりしたんだよ。イギリスのほかの警察署長が自分の失業のリスクを負ってまで開催を許可しないんだよね。ブライトンの後に、ほかの場所でいろいろオファーはあったんだけど、イギリス国内の他の場所ではダメだったんだ。“来場者が多過ぎるし、リスキーだ”って言われて。“トラブルの元だ”ってね。だから、南アメリカかオーストラリアあたりでできればいいなと思ってるんだ。日本でもやれたらいいんだけど。でも、とにかくイギリスでやるのは、難しい状況なんだよね。

──新作ではこれまでにない程、生楽器がフィーチャーされてましたね。サンプリングと生演奏の割合って実際どれぐらいなんですか?

ノーマン・クック:あはは、それでもまだ90%はサンプリングじゃないかな。うーん、そうだなぁ実際には70%がサンプリング、20%が生歌、10%が生演奏って感じじゃないかな。ブラーのアルバムで一緒に仕事をしたときベースやギターを手にして久々にプレイしたんだけど、一緒に演奏していて自分でも、“結構演れるじゃん”なんて思ってね。生楽器の演奏が。

──ファットボーイ・スリムっぽくない曲も多かったように感じました。たとえば「ワンダフル・ナイト」は街で流れていたらファットボーイだと気付かないんじゃないかと思いました。

ノーマン・クック:そうかな? 自分ではあの曲すごくファットボーイ・スリムっぽいと思ってるよ。前のアルバムの「ウェポン・オブ・チョイス」に似てるって言われたこともあるし、“ファットボーイ・スリムっぽさ”の捉え方にもよるのかなぁ。確かにあの曲を歌ったヴォーカリストのラティーフは今回初めて起用したんだけど、多分ほとんどの人が ラジオなどで聞いたらファットボーイ・スリムだと分かると思うよ。アルバム内のいくつかのトラックの中でファットボーイ・スリムっぽくないトラックがあるとは思うけど、少なくともあの曲は俺のトレードマークが入っていると思う。“ファットボーイ・スリムっぽくない曲”を 敢えて1曲挙げるとしたら「ザ・ジョーカー」かな。

──「スラッシュ・ドット・ダッシュ」が1stシングルですが、インターネットをモチーフにしたのですか?


ノーマン・クック:違うね。コンピュータは持ってないんだよ。インターネットは使ってないし、メールアドレスも持ってない。「スラッシュ・ドット・ダッシュ」をシングルにした理由は僕がコンピュータを全く知らないことを冗談にしてみたんだ。スイッチも入れられないよ。コンピュータは妻が持ってるけど、電源の入れ方すら知らないんだ。

──作品にはプライベートな生活も反映されていますか?

ノーマン・クック:うーん、ときどきね。ほとんどの曲はコラボレートで作るから作詞家が詩を書くんだ。彼らが書いてる歌詞の中で僕と僕の妻の関係を書いてるんじゃないかと思うものはあったよ。「プット・イット・バック・トゥゲザー」とかさ。僕は自分で歌詞を書かないからね。でも無意識的に自分のことを反映してしまうことはあると思う。人の曲をサンプリングするときに“プリムローズ・ヒル”っていう部分を使ったんだけど、“そういえば昔住んでたよな”って思い出したり、無意識的にそういうのはあったね。まあ、人の曲からフレーズを取っているときとか、自分にマッチしたものを選んでいくから、ついつい自分に近い内容になってしまうんだろうね。ときどき妻が「何であたしの曲を作ってくれないの?」とかって言うんだけど、ほかの人の曲使っているので、そう、うまくいかないんだよね。

取材・文●編集部

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『パルーカヴィル』ディスク・レビューはこちら

9/22 ageHa @ studio coast ライヴレポはこちら



『パルーカヴィル 』
Sony Music Japan International
EICP-408 \2,520(tax in)

●ディスクレビューはこちら

1. ドント・レット・ザ・マン・ゲット・ユー・ダウン
2. スラッシュ・ドット・ダッシュ
3. ワンダフル・ナイト
4. ロング・ウェイ・フロム・ホーム
5. プット・イット・バック・トゥゲザー
6. ミ・ベベ・マソキスタ
7. プッシュ・アンド・ショーヴ
8. ノース・ウエスト・スリー
9. ザ・ジャーニー
10. ジン・ゴー・ロ・バ
11. ソング・フォー・チェッシュ
12. ザ・ジョーカー
13. ホワット・ゼイアー・ルッキング・フォー
14. クロース・トゥ・ホーム


ビデオ・インタヴューはこちら




「 Slash Dot Dash」PV映像はこちら(Official Site)
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応募締め切り:2004年10月15日)





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