オ・ト・ナな最新作『奇妙な果実』に込められた想いとは?

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NEW ALBUM

『奇妙な果実』
AICL-1625 \ 3,059(税込)
2005年6月29日発売

1 さまよう果実
2 SINGER
3 ラブレストラン
4 土砂降り
5 この世の果てまで
6 オレンジ
7 木漏れ日の風に吹かれ (New version)
8 破滅のバラッド
9 たとえばなし
10 人生だネェ
11 廃虚の模型
12 ひとりぽっちのLOVE SONG
13 星空の片隅で
14 君に会えてよかった
15 ENDROLL


MESSAGE

かなり濃ゆ~いラブソング集をリリースした藤井フミヤさんから、映像コメントが到着! 画像をクリックしてチェックしよう!

――久々のフルアルバムですね。

藤井フミヤ(以下、フミヤ):本気度の高いジャパニーズ・ラヴ・ソングというか。70年代後半から80年代くらいの歌謡ロックの、ちょっと大人で、R指定な感じがするエロティックなラヴ・ソングという感じ。昼か夜かで言えば完璧に夜で、色でいえば紫とか暗い色だね。

――意図的にそうしようと思っていたんですか?

フミヤ:というよりか、なっていった感じだね。最初に歌謡ロックというコンセプトを立てて、その時の仮タイトルが“狂った果実”。石原裕次郎さんの映画とは関係ないんだけどね。でも、男と女のどうしていいかわからない関係っていうのを表現するとき、この言葉は滴り落ちるような感じでピッタリだったから、そこをイメージして作っていこう、と。雰囲気としては、渋谷とか六本木というより、新宿、池袋方面。

――路地裏な感じだ。

フミヤ: どちらかというと、スナックの方が近いかな。今回はね、なんというか、沁みたかったんだよね、歌に。アルバム制作に入る前に、みんなで歌謡バーみたいなところに飲みにいったの。80年代とか70年代後半の歌謡曲ばっかり流れてるんだけど、それがなんかデタラメな日本語なんかでさ。

――確かにあの頃の曲は、支離滅裂なものが多いよね。

フミヤ: そう。でもね、ロックだか、歌謡だか、フォークだか、ニュー・ミュージックだか、よくわからない曲に、そういう面白いデタラメな日本語が並んでる、みたいな曲を酒飲みながら聴くと、妙に沁みるんだよね(笑)。グループサウンズが終わった後に、ロックをもって作った歌謡というか。例えば、沢田研二さんとか。あと、ニュー・ミュージックやフォークから出てきて、歌謡界に行った人たちの曲。渡辺真知子さんの「かもめが飛んだ」とか、久保田早紀さんの「異邦人」とか、ああいう感覚かな。そういうのがカッコいいということになって、今回は歌謡ロックをやろうって話になったんだよ。

――そのカッコよさは今の自分にも、今の時代にもフィットするだろう、と。

フミヤ: 今の時代にフィットするかどうかは、ちょっと別にして(笑)。若い人は応援ソングしか作らないし、それを俺がやっても仕方がないだろう、と。だったら、沁みたほうがイイかなって(笑)。みんな、そんな正しくも生きてないだろ、と。それに、歳くってくると、恋愛もグロいじゃない? 湿ってるっていうかさ。そういう中で恋愛ソングを唄えば、どうしても陰の部分が出て。

――今作のキーポイントの1つが、ロー・ヴォイスですよね。

フミヤ: うん。今回のアルバムはキー設定を低くして、張り上げない緩く大人っぽい感じで歌いましょう、というのが最初にあったんで。やさぐれた感じというか。

――そして、もう1つが女性の視点による歌詞。

フミヤ: 詞は結構悩んだよ。英語は使いたくなかったし、言葉を巧みに操れる人じゃないとっていうのがあったから。で、石田衣良さん(直木賞受賞作家。代表作:「池袋ウェストゲートパーク」)に、1曲「ENDROLL」の詞を書いてもらうことにして。そしたら、それが女の詞だったんだよね。初めて上がってきて、みんなで読んだ時“どうするよ? 俺、男なのに、コレ女の詞じゃん”みたいな(笑)。サビなんて<いくらおしゃれをしても/きれいに爪を塗っても>だからね(笑)。最初は唄えるかどうか不安だったけど、とりあえず仮歌でちょっと唄ってみたら、“コレ、イイじゃん!”って。


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