デヴィッド・ボウイ、黒人学生のために訴訟費用を寄付

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デヴィッド・ボウイが、白人学生に暴行を加えた容疑で告発されている黒人学生のために1万ドル(約114万円)を寄付した。容疑者6人のうち1人は、事件当時16歳だったが、成人扱いされ2級暴行罪で有罪判決を受けた(後、上告裁判所によって覆されている)。一審の判決は、全員白人の陪審員のもと下されたという。

事件は、アメリカ、ルイジアナ州にあるジェナ高校で起きた。発端は、昨年、黒人の新入生がふだん白人学生のみが使用する“White Tree”と呼ばれる木陰に腰を下ろしたことにある。この学生は校長に許可をもらい座ったのだが、翌日、枝から首吊り縄が吊るされていたという。校長は縄を吊るした白人学生3人を退学にするよう要求したが、教育委員会は「誰を脅かすものでもない」とこれを拒否。3日間の停学のみを言い渡した。これをきっかけに、校内外で白人学生と黒人学生の争いが絶え間なく起きるようになったという。

1人の白人学生を6人の黒人学生が襲ったこの事件はJena 6と呼ばれ、人種差別問題を取り上げる団体National Association for the Advancement of Colored People(NAACP)が、Jena 6 Legal Defence Fundという基金を設立、訴訟費用を支援している。

ボウイは「同基金へ寄付したのは、間違った容疑や判決は阻止されるべきだという自分の信念を示すささやかな行為だ」との声明を発表している。NAACPの代表者はボウイの支援を歓迎し、「他の人にも続いて欲しい」と話している。

時代錯誤も甚だしいことだが、ジェナ高校では人種の違う生徒が一緒に座ることはほとんどなかったという。事件の後、“White Tree”と呼ばれていた木は切り落とされた。

裁判はまだ続いている。

Ako Suzuki, London
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