モリッシー vs NME

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『NME』誌のインタヴューで「移民の増加により英国はアイデンティティを失いつつある」と、人種差別ともとれる発言をしたといわれるモリッシーが、記事は「セールスを上げるための話題作りだ」と怒りを表明している。

dotmusicによると、モリッシーはこうコメントしているという。「彼らはこのインタヴュー記事で、故意に僕を人種差別者として描こうとした。減少してる部数を増やすためにね。僕はそれがどんなものであれ、人種差別や抑圧、残忍さといったものを憎んでる。これは見逃すわけにはいかない。人種差別は我々の常識から外れてる。この社会で受け入れられるものではない」

彼の弁護士は『NME』誌に謝罪を要求したものの受け入れられなかったため、同誌に対し訴訟を起こすといわれている。

一方、インタヴューを行なったジャーナリスト、トム・ジョンズは、同記事が編集部により書き直されたため筆者名から自分の名を削除するよう依頼したと伝えられていたが、それはモリッシー側が主張する理由とは別のもので、モリッシーは間違いなく問題の発言をしたと『NME』誌を支持する姿勢を明らかにした。彼は『Guardian』紙に以下のような内容の記事を掲載している。「自分の名前を削除するよう頼んだのは事実だ。しかし、それはモリッシー側が言いふらしている理由からではない(彼らは、僕はモリッシーを批判したくなかった、これはNMEによる偽造だと主張している)」「(記事に掲載されている)モリッシーの発言は100%そのままだ」

ジョンズによると、彼の書いた記事はもともと批判的なもので、編集部から抑え気味のソフト・ヴァージョンなどいくつかの書き換え版を用意されたもののどれにも納得できなかったため、自分の名を削除するよう頼んだという。彼はその後、休暇で外国へ行ってしまい、実際掲載された記事をまだ読んでいないという。

インタヴューを録音したテープが存在するといわれており、『NME』誌はモリッシーの主張をすんなりと認めるつもりはないようだ。

Ako Suzuki, London
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