ストレスだらけになるクラシックを聴け

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音楽に癒しを求めて、流れる旋律に耳を傾けながらまったりとまどろむ。音楽にあるヒーリング効果は誰しもが認めるところ。特にクラシック・ミュージックの効用は“癒し”にあると、ここ数年の流行事情は伝えているようだ。

ところがっ! そんな風潮はどこ吹く風。クラシックで思いっきりストレスを感じようというアルバムが現われた。それが2月27日にリリースされるズバリ『ストレス』だ。ストレスを感じるためのアルバムというのもオドロキだが、それをリリースするのがJ-POPでお馴染みのavexというのも驚きなのだ。

考えてみれば、音楽の1ジャンルに“癒し”という1つの効用だけを求めるのがおかしな話なのかもしれない。例えば、ロック・ミュージックなどは、ストレスというか緊張感のカタマリだ。うるさく歪んだギター、落ち着きのないベースランニング、手数のやたら多いドラムス、そしてヒステリックなヴォーカルと、気持ちを落ち着かせるどころか、気分を思いっきりハイテンション=ストレスだらけにしてしまう側面が大きい。しかし、それを聴いて癒されたり気分が落ち着いたりすることもあるのが事実。それは、バラードだから落ち着く、ヘヴィロックだから高揚する、というような単純なものじゃないのが、音楽の面白いところだ。

そういう面で考えてみると、クラシックで思いっきり緊張感を高めて気分をハイにするというのは、別に特別なことじゃない。ま、“高まる緊張感=ストレス”と定義するとしての話だが。

そういう演奏ばかりを集めたのがCD『ストレス』。バイオリンがノイズのような音を出し続けてメロディが聞き取れない曲、社会主義の暗黒面を告発するかのような陰鬱な曲、せわしなく落ち着かない曲、不気味すぎてイヤな気分が募る曲などなど、どれもストレス感いっぱい。“もう勘弁して”と思わず口に出したくなってしまう。

しかし、これはこのCDが持つ効用の一側面に過ぎない。気分によっては、たまらなく高揚し元気が出てくるとも言い換えが可能なのである。

とまあ、ゴタクをこれ以上並べていてもしようがない。とにかく聴いてみてほしい。どれもが素晴らしい演奏であることに間違いはなく、ハマれば、ドップリとこの世界に浸かって幸せを感じることができるはず。まあ、ダマされたと思って!

で、どうしようもなくストレスだらけになってしまった人に、そのストレスを取り除く『ストレス・バスターズ』も同時発売される。安心してください。

ちなみに、ジャケットを手がけたのは蛭子能収氏。なんとも、ピッタリというか、ストレスだらけのイラストなのだ。

●avex-CLASSICS
http://avexnet.or.jp/classics/
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