ニッケルバック『ダーク・ホース』、名作の輝き

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ニッケルバックの最新作『ダーク・ホース』が発売となったが、既に堪能しているだろうか。

既に全世界でアルバム総売上枚数2700万枚を超える彼らだが、その記録を今までになく強烈に塗り替えてしまうであろう、普遍的な名作の匂いを振りまいている『ダーク・ホース』、これは聴かないと人生ソンをする。

心を打つ壮大かつ繊細なメロディ、ハードながらキャッチー、ポップに寄ることなく心地よさに根付くのはほかならぬ天性のソングライティングによるもの。そこに、マット・ラングと手を組んだとあれば、いいものが出来ないわけがない。マットラングの持つサウンド構築方程式にのっとって構築されたその音は、紛れもなくマット・ラングのそれだが、聴くにつれ、それを忘れさせるニッケルバック節が前面を支配しており、マット・ラングと対等に対峙しているそのパワーバランスが何とも心地よい。

「実は彼とはずっと長い間一緒に仕事をしてみたいって思ってたんだ。誰かの力を借りてアルバムを作ろうと思ったとき、実際に素晴らしい仕事をしてきた彼しかいないって感じてたのさ」──ライアン・ピーク(※オフィシャルより)

ひとりでも多くの人が共感できる音楽を、ひとりでも多くの人に届ける事。そんな願いが込められているという『ダーク・ホース』を、チャド・クルーガーはこう語る。

「負け犬っていう意味でもあるんだけど、俺達はいつもどんなに上のレベルに到達しても負け犬のような存在だって気がしてたんだ。常にファンに対して、それから俺達自身に対して、まだ証明すべき事があるって感じているからね。それを感じなくなって、自分の内側で燃えている炎が消えてしまったらもう終わりさ。だからこのタイトルは、俺達のハングリーな精神を現したものなんだ。ハングリーでいる時こそ、最高のものが生み出せるものだからね」──チャド・クルーガー(※オフィシャルより)

大地にしっかりと根付いたロック・フィール、その上に微笑む男達のグルーブ…、理屈を捨てて愛するサウンドとメロディだけをピュアに抽出したら、きっとこういうサウンドが生まれ出るのだろう。音楽史に燦然と輝く名作であることを保証したい。

なお、オフィシャルサイトでは、2008年9月にイギリスO2アリーナで行なわれたライヴ写真が公開されている。パイロあり、巨大スクリーンあり、そして何より会場に溢れるこの人の数…、これを見ると日本ツアーの実現が待ち遠しくなる。
◆ニッケルバック・オフィシャルサイト
◆iTunes Store ニッケルバック(※iTunesが開きます)
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