マドンナが射止めた、次なる男とは?

ツイート
ミュージック界でもっとも成功を収めた女性といえば、もちろんマドンナ。そのマドンナが新人監督として、初の監督を務めた話題の映画『ワンダーラスト』が2009年1月17日から公開となる。

◆映画『ワンダーラスト』予告編

マドンナはかねてより映画への愛を表明しており、私生活でもショーン・ペン、ガイ・リッチーと映画監督との2度にわたる結婚を経験しているほど映画志向が強く、今回、念願かなっての映画監督デビューに並々ならぬ情熱を注いできた。なかでも注目は、マドンナがかねてより大ファンで、追っかけのようにライヴに駆けつけ、ストーカーまがいのことまでして主演に決めたというユージン・ハッツの存在だ。

ユージン・ハッツは、1972年ウクライナ生まれ。ロマの血を引くミュージシャンで、自らヴォーカルを務めるバンド、ゴーゴル・ボルデーロは、世界各国でカリスマ的人気を誇り、マドンナをはじめとする多くのクリエイターに様々な影響を与える存在。2008年のグッチの秋冬メンズコレクションでは、クリエイティブ・ディレクターのフリーダ・ジャンニーニもユージンがインスピレーション源だったことを明かしている。2008年の<フジ・ロック>にも参加し、ライヴが最も盛り上がった!との声も多い要注目のジプシー・バンク・バンドだ。

◆ゴーゴル・ボルデーロ「Wonderlust King」PV
◆ゴーゴル・ボルデーロ「Start Wearing Purple」PV

早くも高感度ピープルの間で争奪戦が勃発しそうなユージン・ハッツの主演起用について、マドンナは「ユージンが演じたAKという役は、最初からユージンで当て書きしていたの。それが現実となったのよ。私は彼に惚れこんで、ストーカーのように追いかけまわして出演にこぎつけたの。これは彼でなければ成立しなかった映画です」と熱く語っている。

かたやユージン・ハッツはマドンナとの出会いについて「ロンドンでゴーゴル・ボルデーロが演奏するときには、いつもマドンナがライブに来るって噂が出てたんだ。そのうちに共通の友人を介して会って、実際に(映画に至る)事が起きたって感じだよ」と気負うこともないお気楽なムード。

超VIPゆえに近づきがたいイメージがあるマドンナも、映画の現場では新人監督。周囲の意見も尊重しながら、デビュー作『ワンダーラスト』を撮りきった。

ユージンは「誰でも何かを成し遂げる人は、オカシイとか独断的とか噂されることがあるけれど、マドンナは俺の風貌もふくめて、そのまま何でも自由にさせてくれた。俺達は対立することもなかったよ。加えて、親密になるしお互いを理解して尊重し合う。だから本当はどういった人であるかも全部知っているのさ。マドンナみたいな超人的な働き方をする人に誤解が生まれるのは、どんなに日数がかかっても自分の仕事をやり遂げるという尋常じゃない能力があるからだと思うよ」と、深い理解を示している。

誰よりも早く新しい才能を発見することで定評のあるマドンナが射止めた新たな男、ユージン・ハッツとの初コラボレーション映画『ワンダーラスト』は間もなく公開だ。

参照:「マドンナ、初監督作品『ワンダーラスト』を語る」

『ワンダーラスト』
監督:マドンナ
第58回ベルリン国際映画祭パノラマ部門正式出品
第21回東京国際映画祭特別招待作品
脚本:マドンナ&ダン・ケイダン
製作総指揮:マドンナ
プロデューサー:ニコラ・ドーリング
出演:ユージン・ハッツ(ゴーゴル・ボルデーロ)、ホリー・ウェストン、ヴィッキー・マクルアほか
原題:FILTH AND WISDOM
84分/イギリス/1:1.85/ドルビーデジタル
(C)2007 Semtex Films
(C)Dave Allocca/StarPix
配給/ヘキサゴン・ピクチャーズ
2009年1月17日(土)より<ヒューマントラストシネマ渋谷>他全国順次ロードショー
◆『ワンダーラスト』オフィシャルサイト

※ユージン・ハッツとは?
1972年ウクライナ、キエフ近郊にてロシア-ウクライナ-ロマの家系に生まれる。父親は、ウクライナ初のロックバンドのギタリストでもあり、母親はタップダンサー/シンガーだった。ユージンが14歳の時、一家はチェルノブイリの原発事故によって祖国を離れることを余儀なくされ、以降7年にわたって東欧各地の難民キャンプを転々とする。ポーランド、ハンガリー、オーストリア、イタリアでの暮らしを経て、1993年難民移住プログラムを利用して家族でアメリカのバーモント州に移住。
バーモントにて、ザ・ファッグ&フライング・ファックというゴーゴル・ボルデーロの原型といえるバンドで活動した後、1997年ニューヨークへ移住。1999年、多文化、多国籍、多民族、多言語のアーティストからなるジプシーパンクバンド、ゴーゴル・ボルデーロを結成。以来、フロントマンとしてカリスマ的人気を誇る一方、DJ、ロマ文化の伝道師、俳優としても目覚ましい活躍を見せている。イライジャ・ウッド主演の『僕の大事なコレクション』(2006/リーブ・シュライバー監督)の準主役と映画音楽を務めて脚光を浴びたほか、彼自身のルーツを辿る東欧横断の旅がドキュメンタリー「The Pied Piper of Hutzovina」(2006/パヴラ・フライシャー監督)として制作されている。
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス