想像を凌ぐ名曲&珍曲揃いのラスト・アルバム!?『凸~デコ~』特盛り特集

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仙台貨物 凹んだ心を凸にする、想像を凌ぐ名曲・珍曲揃い ラスト・アルバム!? 『凸~デコ~』特盛り特集

衝撃の“倒産”=活動休止宣言

INTERVIEW

「(倒産は)たぶんネタだと思われてるな(笑)。仙台貨物の今年のテーマだと勘違いされているところもある」(サティ)

――【新星堂×BARKS~仙台貨物AID 2009~】と題したAIDまでスタートしちゃった訳ですけど。仙台貨物がいま抱えてる負債が20億でしたっけ?

千葉: そそっ。20億近ぐ。

――こんな莫大な負債を抱えるほど。

フルフェイス: おっきい会社だったんだなって、俺もこれで知った(笑)。

千葉: 仙台貨物の親会社のお金も含めでだがらな。その社長がさ、飲み代どがかなり使うのさ(笑)。そんで、“ソイヤソイヤ~”って暴れで、どうやら●円寺は出入り禁止らすい。(一同爆笑)そういうのも原因の一づ。

――倒産するかもしれないという予兆はあったんですか?

フルフェイス: 俺は千葉さんに突然いわれて知った。

サティ: そう。報告がありましたね。

千葉: 両国国技館が終わっだあだりがらあやすぐなっできたんじゃないですか。“あれ? ちょっと景気悪いぞ”と。

――世の中的にも不況の風が吹き荒れて。

千葉: そそそそう。このままいっだら来年倒産するんじゃないがっで話がチラホラ、あの頃がら出でだらすい。

――このような突然の倒産発表に対して、周りの反響はどうだったんですか?

サティ: たぶんネタだと思われてるな(笑)。仙台貨物の今年のテーマだと勘違いされてるところもある。

千葉: でもね、新宿でお客さんぬ前で発表すだどぎは、泣いでる人がいだらすいですよ。それ聞いで、申す訳ない気持づぬなりますたよね。続げであげればよがったがな~って。そういうの聞いですまっだら。

――例えばなんですけど、仙台貨物の“仙台”の部分の命名権をスポンサーに売るっていうのはどうなんですかね。ネーミングライツ(命名権)で借金返済しながらバンド活動を続けていくとか(笑)。

千葉: あぁ~なるほどね。それ……それいいな!(目がキラキラ輝く)BARKSさんが買っだら俺たづ“BARAKS貨物”、新星堂さんが買っでぐれだら“新星堂貨物”。バンド名でこういうのやっでる人っでまだいないよね? それ新すいわ! 新すい! 新しい!(笑)

フルフェイス: でもさ「サタデーナイトゲイバー」で“仙台貨物”って歌うときどうするの?

千葉: そごも変えるのさ。“BARKS貨物”って。ぎゃははははっ 。(一同爆笑)

フルフェイス: こりゃ大変だ~(ちょっと呆れ笑)。

千葉: でも活動資金もらえるんだぞ? こりゃいいわ(大きくうなずく)。

――おっ! ここでちょっと復活の兆しが(笑)。

千葉: 見えてきたね~。でねでね、ネーミングライツは1年契約のみぬすで、毎年バンド名が変わる!(笑)

――面白いっ!! こんなバンド他にいませんからね! 大手有名企業さんなんかについてもらたら、ついでにCMタイアップなんかも低価格で引き受けますよとか。

千葉: たすかぬ。それいいな~。

フルフェイス: 個人のスポンサーがついたらその人の名字にすんの?

千葉: そう! 東條さんが買っだら“東條貨物”ぬなるな(笑)。だがら、BARKSのこの場を借りで募集しよう!! みなさん、どなたでもいいんで金額書いて応募すで下さい!

(編集部注:仙台貨物ネーミングライツは募集していません)

――その場合、バンド側から提示したい条件とかないんですか?

千葉: そだなー、現状の給料ぐらいは頂ぎたい!! あど、家賃は保障すてもらいたい。

サティ: あと、なにやってもいいなら。

千葉: そそそそっ! 活動を自由ぬやらすでくれるんなら、二つ返事で「よろすぐ!」って再スタートすますよ(笑)。でもさ、ネーミングライツの相場ってどれぐらいなんだろうな。仙台でさ、東京エレクトロンホール宮城っつうのがあるんだげど、前は宮城県民会館だったのさ。これもネーミングライツでしょ? こごを俺だづが買っで、仙台貨物会館にするが。

――千葉さん千葉さん? いま借金返済&活動資金集めの話してるんですから、これ以上負債額増やしてどうするんですか。

サティ: アンタ、どこで頭切り替わったの(笑)。

千葉: そっか~。ふはははははっ(笑)。

「ウンコとウンチで迷ったんですけど、“チ”のほうがポップだどいう話ぬなって」(千葉)

――いつものように笑い飛ばされたので、そろそろニュー・アルバム『凸~デコ~』の話にいきましょうか。アルバム・タイトルにはどういう意味があるんですか?

千葉: 元々、『勃起』っでいうタイトルぬすだいっで俺がいっだら、「それだとプロモーションしづらい」っでスダッフぬいわれで。

フルフェイス: ラジオで流してもらうとき、DJさんを困らせるタイトルになるし。TVスポットもちょっとよくないってことで。

千葉: 勃起を違う言い方でぎないがなっでごどで、凸凹の凸が出でぎだんですよぬ。だがら、俺のながでは“勃起”っていう意味。なんでそういうタイトルぬすだがっだがっでいうど、1曲1曲いきり立っちゃうぐらい感じちゃういい曲だぞ、という意味で付げだがっだんですね。

――なるほど。アルバムのコンセプトは?

千葉: 大ぎな意味で“みんなを笑わせる”というコンセプトは変わらずで。

サティ: アルバムを出してなかったから、(バップに移籍してからの)一番古いシングル「神様もう少しだけ」以降のシングルがたくさん入ってるんだけど。一応、“不況”というのはキーワードになってるかな。

――不況の世相を反映してか、アーティスト写真のバックも新聞紙でしたね(涙)。

千葉: これもタダで貰っでぎだんだもんな。

サティ: だけど、じつは金かかってるんだな(笑)。この写真。不況だから作業着もボロボロっていうのを出そうとしたら、ボロボロにするのにもお金がかかって。

千葉: そうなのっ!! ダメージ加工っつってね、金かがるのさ。

フルフェイス: 不況が不況を呼んで。

千葉: いまいいごどいっだ! まさぬそう。

――お金かがかってるといえば、本作のジャケットとTVスポットに、芸人の坂田利夫さんが起用されているそうじゃないですか!

千葉: そうなの。フルフェイス、なんで坂田さんぬすだが教えてあげて。

フルフェイス: タイトルが『凸~デコ~』だから、“おでこが広い人って誰だ?”ってみんなで話をしてて。そのなかで坂田さんが出てきて。電話かけたらOKと。

千葉: ああいうメイクも快ぐやっでぐれで。俺なんか「サインちょうだい!」っでいわれで、坂田さんぬサインすた(笑)。すごい面白いっでいっでぐれでね。「あなたたちは何人コンビだ?」って聞かれたから「コンビ? コンビ!? ……6人コンビです」っていっといだ。うひゃひゃひゃひゃひゃ(爆笑)。

――では収録曲に関して。まず「ウンチ君」。これはネーミングがかわいいですよね。

千葉: ウンコとウンチで迷ったんですけど、“チ”のほうがポップだどいう話ぬなって。小学生の頃は、ウンチすでるとバカにされるというか、冷やかされるんだよね。だがら、それぐらいの年齢層の子供たづが、これを聴いで、ウンコするごどは恥ずかすいごどでも変なごどでもないんだよっで思っでくれだらいいがなぁ。そういう仙台貨物ぬメッセージが詰まっだ曲ですね。

――小学生男子にはそんな苦労があるんですね。

千葉: そうだな。ウンチすでるど上がら覗がれだりするんだよ。みんながらも「ウンチしてる!」っていわれるす。だがらね、千葉さんはあえで授業中ぬ「お腹痛い!」っていって、保健室行ぐフリすてトイレでこそっとウンチすでたぞ。

――頭いいじゃないですか、千葉さん!!(ちょっと感動)

サティ: 俺は小・中・高まで学校では1回も行ったことない! 学校のトイレって上と下開いてるでしょ? あれが俺、絶対にダメで。個室は完全であってほしいタイプだから、高島屋のトイレとかは完全個室になってるからイイ。

千葉: サティお薦めと。

フルフェイス: 俺も学校では行かなかったな~。

千葉: 学校ででぎながっだどぎ、俺も冷汗流すながら家ぬ帰っで。そすたらさ、帰りがけに婆ちゃんが、道ばたで立ちションしててさ(笑)。友達が「うわ~、バアアが立ちションしてる」っていうから近づいでったら、うちのぴぃ婆ちゃんでさぁ(笑)。知らないフリすで通り過ぎだ(爆笑)。

フルフェイス: “ぴぃ婆ちゃん”ってなに?

千葉: ひい婆ちゃんのこと。ぴぃ婆ちゃんっていわない?

「豪華ではないんだけど、想像を絶するセット! 最高で最低だな(笑)」(フルフェイス)

――バンドも倒産、世の中も不況、そんな世相を反映しながらも仙台貨物らしくエールを送る「腐況の風」。これが、ストロングスタイルに変身したとき、みなさんと同じ脱ぎ系パフォーマンスでも有名なあのSEAMOさんの「不景気なんてぶっとばせ!!」というシングルと偶然にもリンクしてるんですよね。

千葉: そうそうそうそう! いってるごどは似でるんだよね。だっがら、たぶんこういうのリンクするってごどは、SEAMOさんも仙台貨物が好きだど思う! 勝手な妄想だげどな(笑)。

サティ: (歌詞を見ながら)いまさら思ったんだけどさ、国民健康保険料と住民税は不況とは関係ないと思うんだけど(笑)。

千葉: いやいやいやいや。不況の煽りで、そういうものさえ払えないぐらいね。

フルフェイス: 金策が追い込まれてしまったと。

――で、その滞納金はどうしたんですか?

千葉: もう払った(自慢げ)。会社ぬ立て替えでもらって。ぎゃははははっ(笑)。いまちょっとづつ会社ぬ返すでる。生ぎでぐって大変だな~(苦笑)。

――この曲の最後にいってる“Bokkiman!!!!”っていうのは?

千葉: それは“プラス思考で行ごうぜ”ってごど。ポジティヴぬ行ごうっでごどです。

フルフェイス: そのポジティヴ思考とつながらないんだけど(笑)。

千葉: まあまあまあまあ。

サティ: 歌詞の流れのなかでは“千葉―立ってー!”とのつながりはあるんだけど。

千葉: そうそうそう。この歌詞は深いよ~。あどね、“ウホッホーイ”っていうのは、不況を乗り越える合い言葉。辛ぐなったらこれを叫んでポジティヴぬなれと。

――「珍龍~cheng long~」も新曲ですよね。

サティ: 前に王珍々をネタにした曲(「王珍々的愛情故事」)があったから、また作りたいなと思って。

――あと今回はカバー曲もよかったですね。

千葉: “カバーやりだいな”って話が出で。何曲か候補があったんですげど、そのなかで吉幾三さんの「俺ら東京さ行ぐだ」が一番仙台貨物ぬ合ってんじゃねぇがと。

――「フレディ・まーつりー」はフレディ・マーキュリーとなにか関係が?

千葉: 俺が、ルックスがら何がらリスペクトするフレディ・マーキュリーぬあやかって、こういうタイトルぬすだんですけど。全然フレディとは関係ない詞なんだげど、ああいう風ぬこの曲でなりだいっでいう願いを込めで。でもね、ぶっちゃけこごまでヒドいごどぬなるどは思わながった(爆笑)。もっとね、シンプルな感じででき上がるんだろうなーって思ってだら、コーラス入れだあたりがらどんどんパンチある曲ぬなりますて。予想外ですたね、千葉さん的ぬは。

――そのコーラス部分には“ソイヤ、ソイヤ”という掛け声も入ってましたが(笑)。

千葉: これは、昔いだんですよ。一世を風靡すたグループが。うひゃひゃひゃひゃひゃ(一同笑)。その人だづにあやかって。あどは、途中からコーラスぬ参加すたお婆ちゃんがいるんですけども。このお婆ちゃんの“どっこいしょ!”がカワイイんだな。

――でですね、このアルバムを引っさげて、倒産だとかいいながらも仙台貨物、初の日本武道館公演を強行しちゃう訳ですが。

千葉: この間、ステージセットの打ち合わせすだんだげど、凄がっだよ~。絶対みんな喜ぶはず。

フルフェイス: 豪華ではないんだけど、想像を絶するセット!

サティ: お金ないから、最初はブルーシートかダンボールでいいっていってたのに。

千葉: 最後だがら会社も割り切ったんだろうな。もぉ堕づるどごろまで堕づようっで。

フルフェイス: 最高で最低だな。(一同笑)

――その武道館では最後の花火を。

千葉: ドッカンドッカン打づ上げる。来でぐれだ人、みんなぬ気持ちを凸ぬするぞ!!

取材・文●東條祥恵

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