テイキング・ドーン、クラシック・ロックとモダン・メタルの激ウマブレンド

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4月21日にアルバム『タイム・トゥ・バーン』でデビューを飾るTAKING DAWN(テイキング・ドーン)がいい。

◆テイキング・ドーン画像&PV映像

ロードランナーが放つラスヴェガス出身4人組のテイキング・ドーンは、つかみのいいキャッチーなサビとグリングリンドライブしていくリフががっちりと絡み合って、ついこぶしを振り上げてしまう硬質で柔軟性のあるサウンドを、次々と繰り出してくる。

クラシック・ロックとモダン・メタルがごく自然にしっくりとブレンドされているのは、2010年を生きるハードエッジなロッカーに刻まれているDNAなのだろう。80年代LAロックからハードエッジなサウンドに身を投じてきた御大には懐かしい感覚を呼び起こすであろうし、今の音楽シーンの真ん中にいるオーディエンスであれば、クラシックな黄金率が新鮮な心地よさとして鼓膜を刺激することだろう。


「ボン・ジョヴィやスキッド・ロウといったクラシック・ロックを嫌いな人の意味が分からないよ。彼らの持つイカしたロックを今の若い子達によりモダンな文脈で伝えていきたいんだ。ただ真似をするつもりはないし、俺達は俺達のやり方で進みたいのさ」──クリス・バビット(vo)

フロントマンである彼が語るその決意と精神性は、このデビュー・アルバム『タイム・トゥ・バーン』に色濃く映し出されている。インキュバスやストーリー・オヴ・ザ・イヤーといったバンドを手掛けてきたマイケル“エルヴィス”バスケットをプロデューサーに迎えた今作には、アグレッシヴでありながらシュレッドの効いたキャッチー、モダンでありながらビンテージの香りも感じさせる楽曲がたっぷりと詰まっている。

その上で、このデビュー・アルバム『Time To Burn』にはフリートウッド・マックの「The Chain」のカヴァーが収録されている。この選曲の渋さは何だ?と、邪推するもそこに回答はない。ただ、単にオールドスクールなサウンドを追い求めているバンドとは一線を画すメッセージは確実に伝わってくる。

テクニカル至上主義に溺れず、グッドメロディに心地よいアレンジとロック・サウンドを肌感覚で構築しているテイキング・ドーン。こういうバンドが飛び出してくるから、やっぱり今もメタルロックシーンは見逃せないのだ。
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