アフリカ系女優/シンガーの先駆者、リナ・ホーン逝去

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アフリカ系アメリカ人として初めてハリウッドの映画スタジオと長期契約を結んだことで知られる美人女優/シンガーのリナ・ホーン(日本ではレナ・ホーンとの表記でも知られる/ Lena Horne)が亡くなった。92歳だった。

アフリカ系アメリカ人女優として後進に道を切り開き、ジャズ・シンガーとしても世界的に活躍したリナ・ホーンが5月9日の日曜日、米ニューヨークの病院にて息を引き取ったと発表された。彼女は特にアフリカ系の女性アーティストにとって偉大な存在で、これまでに何度か伝記映画化の話が持ち上がったことがあり、ジャネット・ジャクソン(Janet Jackson)やアリシア・キーズ(Alicia Keys)がホーン役を演じると報じられたこともあった。これらの企画は実現していないが、同じく女優とシンガーの二足のわらじを履くマイア(Mya)が彼女の曲を歌いトリビュートしたり、ラッパーのQティップ(Q-Tip)が彼女の"I Got Rhythm"を使った曲を発表するなど、若い世代からも支持を得ている。

リナ・ホーンは1917年、ブルックリン生まれ。デューク・エリントン楽団などが活躍したニューヨーク、ハーレム地区の高級クラブ、Cotton Clubの舞台に10代にしてデビュー、美貌のジャズ・シンガーとして活躍。その後ミュージカル映画に出演し、アフリカ系アメリカ人として初めてハリウッドのメジャー映画スタジオ、MGMと長期契約を結んだ。1943年にはミュージカル映画『ストーミー・ウェザー』の主題歌"Stormy Weather"がヒットし人気を得たものの、アフリカ系への人種差別が激しい時代であったため、ストーリーに関わりのない役しか回ってこないといった辛い待遇を受け、後に公民権運動に参加するなど活動家として人種差別問題に関わっていった。その政治的姿勢から一時はアメリカでの活動が困難になるものの、1957年にはブロードウェイ・ミュージカル"Jamaica"でトニー賞の最優秀主演女優賞にノミネート。映画への出演も減っていたが、1978年にはダイアナ・ロス(Diana Ross)とマイケル・ジャクソン(Michael Jackson)出演のミュージカル映画『ウィズ』で南の魔女を好演。この映画の音楽を手がけたクインシー・ジョーンズ(Quncy Jones)のレーベルから舞台"Lena Horne: The Lady and Her Music"のサウンドトラックを彼のプロデュースで発表し、初のグラミー賞も獲得した。1989年にはグラミーの生涯功労賞も受賞している。

text by bmr.jp
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