サリー・セルトマン、新作『ハート・ザッツ・パウンディング』を語る

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――ソロ・デビューすることになった経緯を話してください。

サリー・セルトマン:ニュー・バッファロー名義で何枚かアルバムを作って、これが私だけでバンドでないってことを人に説明しないといけなかったんで、変えたいと思ったのよ。それに、今回のアルバムはこれまでのとはちょっと違っていたの。ニュー・バッファロー名義の2枚のアルバムは家で1人でレコーディングしたけど、今回はフランソワ・ティータズとの共同プロデュースでもあったんで、そろそろ本名で出すのがいいんじゃないかと思ったの。

――普段、どうやって曲作りをしますか?

サリー・セルトマン:最近は主に、ピアノで曲作りをしているの。たまに、公園を歩いている時にアイディアやメロディを思いついたりすることもあって、頭の中で歌いながら、家に戻ってからそれを曲の一部に組み込んだりすることもあるわ。もしくは、ノートを持って外に出て、歌詞のアイディアが浮かぶとそれを書き留めておくこともあるの。この間は、友達がそのまた友達の恋愛話を聞かせてくれたわ。彼女が彼と会っていないって。そういった、人から聞いた話を元にして歌詞を書くこともあるの。

――では、アルバムについて。まず始めに、どんなアルバムを作りたいと考えていましたか?

サリー・セルトマン:ビッグなドラムを入れたいと思ったし、かなりアップリフティング(元気)なポップ・ソングにしたかったの。ハーモニーをたくさん入れて、キャッチーなメロディもたくさん入れたかった。曲を作って、そういったアイディアをたくさん頭に入れておいてからスタジオ入りしたの。

――いつ頃から曲作りを始め、レコーディングを始めたのですか?

サリー・セルトマン:何曲かは、以前作ってあったけどレコーディングしていなかったものなの。でも、大半は2007年末から書いたものよ。2007年の11月から12月にかけてかなりの曲を書いたの。そして、そして、2008年の中頃からプリプロダクションを始めたのよ。

――以前作ってあった曲というのはどれですか?

サリー・セルトマン:「Happy」よ。これは、数年前にロンドンにいた時に作ったの。公園を歩いていた時に、メロディが頭に浮かんだのよ。ビートは私の足音だった。そうして出来た曲なの。

――メロディはあなたの音楽にとって重要な要素だと思いますが、メロディについて特に意識したのはどんなところですか?

サリー・セルトマン:特に意識はしないわね。自然と、強力なメロディのあるものを作ろうとしているんだと思うわ。「Misty」というジャズのスタンダード・ナンバーがあるけど、コードがなくても協力なメロディ故でメロディだけでちゃんと成立するものをね。

――歌詞についてはどうですか?何か意識していることはありますか?それとも、これまた自然に出来るのですか?

サリー・セルトマン:かなり楽に出来る歌詞もあるけど、歌詞に時間をかけることの方が多いわね。まずはどういったことについての曲にしたいかといった全体的なアイディアを考えないといけないし、微調整してこれだと思うものが出来るまでには時間がかかるの。

――アレンジには70年代あたりのポップスが持っていたキラキラした感じが出ているように思いました。遊び心もあるし、普遍性もあるというような。そのあたりで意識したことは?

サリー・セルトマン:フリートウッド・マックのアルバム『噂』が大好きなの。今回のニュー・アルバムのアレンジに関して言うと、共同プロデューサーのフランソワ・ティータズが手がけたものが多いけど、私もフィル・スペクターとかが好きなので、ああいった淡い感じの音作りにしてみた曲もあるのよ。

――歌い方についてはどうですか?

サリー・セルトマン:フリートウッド・マックのスティーヴィー・ニックスが大好きなの。ジュリアナ・ハットフィールドが好きだった時期もあった。彼女の音楽をよく聴いていたの。イギリスのザ・サンデーズが好きだったわね。

――本作の共同プロデューサー、フランソワ・ティータズとは、このアルバムをどういう風にしようと話していましたか?

サリー・セルトマン:何週間か一緒だったの。まず自分1人で曲の大半のデモを作って、それから2人でデモを聴いて、メモを取って、各曲をどうすればいいか話し合ったのよ。各曲に合う楽器やテンポについて話し合ったの。「The Truth」は、元々はすごくスローなピアノ・バラードだった。今でも結構スローだけど、最終レコーディングではまたちょっと違った感じになったの。曲の大半は、ベース、ピアノ、ドラムを本格的なスタジオでレコーディングしたの。そして、レコーディングしたものをそれぞれのスタジオに持ち帰って、私はいろいろなハーモニーをつけてみたり、キーボード・パートを加えたりしたの。フランソワはストリングスやホーンを加えたりしたわ。

――彼はこれまでに、いろいろなアーティストのプロデュースを手がけて来たのですか?

サリー・セルトマン:彼は、映画音楽を手がけているの。オーストラリアの名ホラー映画『Wolf Creek』の音楽を手がけたのよ。バックパッカーが殺されて行くという、実話を元にした映画なの。あとは、アーキテクチャー・イン・ヘルシンキやゴーティエも手がけたわ。

――ゲスト・ミュージシャンも多いようですね。キーになる人がいたら簡単にその人について話してください。

サリー・セルトマン:ミドル・イーストというオーストラリアのバンドが「5 Stars」でバッキング・ボーカルとして参加しているの。あと、「Dark Blue Angel」ではイェンス・レックマン、ネッド・コレット、主人のダレン、アーキテクチャー・イン・ヘルシンキのカメロン・バードが男性バッキング・シンガーとして参加しているわ。そして、親友のララが「On The Borderline」でバッキング・ボーカルをやっている。彼女はLAに住んでいて、El May名義でレコーディングしているの。あと、ライブ要員のジェシカ・ヴェナブルズがボーカル・ハーモニーで参加しているわ。
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