ザ・ローリング・ストーンズが見せる、生々しくむき出しで純粋なロックンロール

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1978年7月18日、テキサス州フォートワースで行なわれたザ・ローリング・ストーンズのライヴを収録した『サム・ガールズ・ライヴ・イン・テキサス』が10月4日、全英の映画館で劇場公開された。

これまでリリースされたことがない上に、ストーンズの最絶頂期ともいえるパフォーマンスをとらえた貴重な映像。ストーンズ・ファンは当然のこと、必見。そして、ロック・ファンにも是非見てもらいたい作品だ。

ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、チャーリー・ワッツ、ロニー・ウッド、ビル・ワイマン――メンバー5人みんなが若いのは当たり前だが、そのパフォーマンス、サウンド、動き、表情すべてがエッジーで鋭く、ダイレクト。そこには磨き上げられたダイアモンドではなく荒削りの原石の輝きがある。

1978年といえばすでに何枚ものNo.1アルバムを生み出し、世界のビッグ・バンドとしての地位を確立している彼らだが、ここにいるのはまだ生々しくむき出しで純粋なロックンロール・バンドだ。彼らの原点ともいえるミックのブルージーな歌声、カッティングが冴えまくるキースのギター、ブルース・フィーリングが強いロニーのギター、それらを影で支えるチャーリーとビルの鉄壁のリズム・セクション、そしてフロントマンとしてのミック・ジャガーの姿――眩いほどの光と妖しさ、凄みを秘め、圧倒的なカリスマを放ちつつも、激しく動きすぎてズボンが破けてしまったり、ことあるごとにロニーにちょっかいを出すなど、どこかユーモラスな彼――には、ストーンズ・ファンでなくても脱帽、感嘆するはずだ。

1989年にウェンブリー・スタジアムで彼らのライヴを観たことがあるが、そのときはスポーツを観戦したときのような躍動感と爽快感、完成品ともいえるエンターテイメントを目にした満足感があったのにくらべ、このパフォーマンスには鬼気迫る鋭さ、緊張感、儚さ、そして妖しさがある。ビッグになったことで彼らが何かを失ってしまったことは確かだ。ここにはその何かが失われる前のザ・ローリング・ストーンズがいる。

日本では11月14日にブルーレイ/DVDでリリースされるほか、劇場公開についても間もなく発表されるようだ。

Ako Suzuki, London

『サム・ガールズ・ライヴ・イン・テキサス'78』
●DVD+CD VQBD-10064 5980円(初回限定盤)
●DVD VQBD-10065 3980円
音声:DTS Surround Sound, Dolby Digital 5.1, Dolby Digital Stereo
スクリーン・フォーマット:16:9
●ブルーレイ+CD VQXD-10015 6980円(初回限定盤)
●ブルーレイ VQXD-10016 4980円
音声:DTS-HD Master Audio, Dolby Digital 5.1, LPCM Stereo
スクリーン・フォーマット:16:9
1.レット・イット・ロック
2.オール・ダウン・ザ・ライン
3.ホンキー・トンク・ウィメン
4.スター・スター
5.ホエン・ザ・ウィップ・カムズ・ダウン
6.ビースト・オブ・バーデン
7.ミス・ユー
8.ジャスト・マイ・イマジネーション
9.シャタード
10.リスペクタブル
11.ファー・アウェイ・アイズ
12.ラヴ・イン・ヴェイン
13.タンブリング・ダイス
14.ハッピー
15.スウィート・リトル・シックスティーン
16.ブラウン・シュガー
17.ジャンピン・ジャック・フラッシュ
※ライブ本編収録時間 85分
ボーナス映像
・ミック・ジャガー 2011年最新インタビュー(約15分)
・1978年10月7日OAされた、アメリカNBC のTV番組「サタデー・ナイト・ライヴ」より(約21分)「トゥモロウ」、ダン・エイクロイド&ミック・ジャガー(インタビュー)、ビースト・オブ・バーデン / リスペクタブル / シャタード(ライヴ)
・1978年7月20日にOAされたアメリカ「ABCニュース 20/20 」リハーサル風景とインタビュー(約5分)
※ライブ本編、ボーナス部分すべて日本語字幕付き
※日本盤限定特典 ステッカー・シート封入

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