4foglio【インタビュー】音楽から伝わる四つ葉のクローバーのような小さな幸せ

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“声で遊ぶコミュニティ”として話題のSNS「koebu」で注目を集める4人組、4foglio(クワドリフォリオ)。声と楽曲のクオリティだけを武器に活動し、メンバーの顔はもとより詳細なプロフィールも明らかにされておらず、楽曲の波及に反して4foglioという存在自体は謎を増すばかり。なぜ顔出ししないのか? マーケティングによる曲作りの理由と答えとは? 4foglioの謎を解き明かすべく敢行したロングインタビューの最終回となる今回は、9月12日より配信開始となった3rdデジタルシングル「シンデレラ」について、たっぷりと話を聞いた。

◆第1回:“声で勝負”する4foglio、顔出ししない理由は「ブサイクなんで(笑)」!?
◆第2回:マーケティングによる曲作り、その理由と答えとは?


――「シンデレラ」はどんなテーマからスタートした曲ですか。

ユウ(Vo):これは「またね。。。 feat.little」(1stデジタルシングル/2012年5月16日発売)と同じように“別れ”をテーマにした曲です。自分でもすごく好きなメロディなんですけど、言葉として「シンデレラ」というのはギリギリというか。

――ギリギリというと?

ユウ:ちょっと恥ずかしいというか、うまく使わないとメルヘンになりすぎるというか、そこをうまく大人の恋愛に仕上げることをすごく意識しました。「シンデレラ」といって僕が連想するイメージは「12時過ぎたら魔法がとけてしまう」ということで、それと同じように「どんなに幸せな時間にも必ず終わりがある」というテーマを書けたらいいなと。本当はそうであってほしくないという気持ちはあるけど、この曲としてはそのテーマに沿って書きましたね。そこがすごくうまくいったと思うので、今まで出した曲の中では一番好きです。これも「またね。。。」と同じように、どういうふうにも取れる曲だと思うんですよ。

――確かに。別れの風景はすごく鮮烈に見えてくるけど、特に理由を書いてるわけでもないですし。

ユウ:そうなんですよ。それを聴いた人が自分の恋愛に当てはめて、「あいつはあの時、本当はこう考えていたのかな?」とか、そういうことをちょっと思い出してもらって、「悪かったな」とか、「いい思い出だったな」とか、いろいろあると思うんですけど。それを懐かしく思うだけでもいいし、次の恋愛に向けて進む力になったり、そういう曲になったらいいなと思いますね。

――特に気に入っている言葉はありますか。

ユウ:二番のサビで「別々の道を選んだこれからの二人のカレンダー/どうか優しい風にめくられますように」というところですね。自分で書いていて、パッと画が浮かんだんですよ。そこはすごく気に入ってます。それと最後の一行「まるで魔法が解けるみたいに/心はいつの日か日常に帰る」も、自分で書いていてせつなくなりました。結局そうなんだよな…というか、どんなに大切な恋愛だったとしても、時間がたつと結局忘れてしまうかもしれないという、「そういうもんだよな」というせつなさを最後の一行にこめました。

――ハルさん、アレンジ面で特にこだわったポイントは?

ハル(G):マイナーなロック調の曲なので、あんまり暗くなりすぎないことを意識しました。それと、ちょっとした懐かしい感じというか、この曲に関しては古い感じのほうが似合うかなと思ったので、80年代を意識したサウンドに今っぽい音を少し足してみました。

――リズムはシンプルな四つ打ちが基調ですけど、確かに今というよりは懐かしい感じのほうがグッと前に出てきますね。

ハル:そのバランスが難しくて、アレンジにはかなり時間がかかりました。

ユウ:コードの当て方ひとつで、かなり印象が変わるからね。

――この曲も女性コーラスが入ってますが。

ユウ:そうですね、一行だけ。「私こそごめんね/でも感謝してる」のところを。

ハル:誰?っていう感じで(笑)。

ユウ:でも、あれのおかげですごく臨場感が出たよね。最初は僕が歌ってたんですけど、「この一行は女性が歌ったほうが面白いんじゃないか?」と。それでやってみたら、みんな「いいね!」と言ってくれたので。その前の歌詞が「行き交う人ごみの中で僕らは手を離した」なので、ここに女性の声が入ることで、このあと別れてしまう二人の関係が風景として見えてくると思うんですよ。

――まさに。まるで渋谷のスクランブル交差点を思い起こさせるような、ドラマチックなシーンです。

ユウ:そうですね。

ハル:交差点で別れてる人って、いるんですかね?

――いるんじゃないですか(笑)。特にドラマチックにしなくても、普通に「じゃあまたね」と言って違う電車のほうへ向かったのが、実は最後の別れだったとか。そういうこともあるかもしれないですし。

ハル:そうか。

ユウ:駅とか、別れのシーンが多そうですよね。仮にどこか別れ話をしたとしても、駅まで一緒に行ってそこで別れるとか。

――もう僕の頭の中では、そんなシーンのミュージックビデオが流れてます(笑)。

ハル:二人の周りをカメラがぐるぐる回っている(笑)。

――ありそうですねー(笑)。それと、最後のほうに英語のコーラスが入ってますけど、あれは何て言ってるんですか。

ユウ:I Can’t See Another Songです。もう君がいないと新しい歌は書けない、というイメージで、without you,without youと言ってます。そのあとがけっこう気に入ってるんですけど、もう一回Aメロに戻るところが最後の歌詞のイメージにぴったりだし、アレンジとしてもギターだけになるところが好きです。

――アレンジ面での聴きどころは?

ハル:そうですね、全部と言いたいところですけど…。

ユウ:アコギ、せつないよね。

ハル:じゃあそこにしましょう(笑)。

――「Oh!サマーKING!!」が夏だったので、この曲は季節的には秋ですよね。

ユウ:そうですね、秋に聴くことを想像して作りました。「長い映画の未完成のままのエンドロール」という歌詞もありますけど、短編映画を作るようなイメージで書いていきましたね。そして「最後のキャストをずっと書けないまま/終われないストーリー」ということで。

――この曲が、どんなふうにリスナーに届いてほしいですか?

ユウ:「またね。。。」「Oh!サマーKING!!」とずっと一貫してるんですけど、実際にこういう経験をした人はそれを思い出したり、懐かしく思ったり、あらためて相手に感謝の気持ちを感じたり、そういうきっかけの曲になってほしいのがひとつ。そしてそこから、また次の新しい出会いへの背中を押せるような曲になってほしいということが、僕らの曲の一貫したテーマなので。

――「またね。。。」も「シンデレラ」もそうですけど、別れの歌でも最後に少し救いが見えるんですよね。「きっとまたいいことあるよ」と言われているような…。

ユウ:そういうふうに、何かプラスの面を感じてもらえる音楽が、4foglioの最初のテーマでもある「四つ葉のクローバーのような、小さな幸せ」だと思うので。ただ幸せになりたいなりたいと言っても、誰もが大きな幸せを手に入れられるわけでもないし、そこをうまく伝えられたらいいなと思います。

――そしてこのあとは、順番でいうと冬の曲ですか?

ユウ:そうですね。夏に冬の曲を制作中です(笑)。でも今まではスケジュールがいつもギリギリだったので、今は余裕があるほうだと思います。

ハル:クリスマスあたりに出したいので、期待していてください!

取材・文●宮本英夫


2ndデジタルシングル
「Oh!サマーKING!!」
8月8日配信開始
レコチョク http://recochoku.com/4foglio/
iTunes http://itunes.apple.com/jp/album/id547885564

3rdデジタルシングル
「シンデレラ」
9月12日配信開始

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