トニー・ヴィスコンティ「デヴィッド・ボウイから連絡があったときは本当にビックリした」

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デヴィッド・ボウイの友人でプロデューサーのトニー・ヴィスコンティが、ボウイから新曲制作の申し出があったときのことについて語った。懇意の仲であるヴィスコンティでさえボウイはもう曲作りをやめたものだと思っていたため、2010年11月に彼から連絡があったとき「本当に驚いた」そうだ。

ヴィスコンティはロンドンでカイザー・チーフスのアルバムをプロデュース中に、ボウイからメールを受け取ったという。英国の新聞『Telegraph』紙にこう話している。「“戻ったら、僕とデモを作ってみる気はあるかい?”って書いてあった。(2003年の)『Reality』以来だよ。どんなスタジオでどんなことでもやるみたいなことまでほのめかしていた。だから、すごくビックリしたんだ。前置きがあったわけでも、前兆があったわけでもなかった。実に奇妙だった」

連絡があった数日後、マンハッタンのボウイの自宅近くにある「小さな汚れた」スタジオへ入ったという。「スターリング・キャンベルがドラムで僕がベース、デヴィッドがキーボード、ゲリー・レナードがギターだった。5日間で、1ダースほどのデモが出来上がったよ。ストラクチャーのみだ。歌詞やメロディーやタイトルはなかった。デヴィッドはこうやって始めるんだ。彼はそれを家に持ち帰って、4ヶ月、音沙汰なしだった」

その後、ボウイの方針が定まると、彼らはやはり自宅近くのMagic Shopというスタジオへ入ったそうだ。ドラムにZachary Alford、ベースにゲイル・アン・ドロシー、ギタリストにEarl Slickもジョインし、1年半に渡り3ヶ月半ほどスタジオに入っていたという。

肝心なサウンドについて彼はこう話している。「シリアスなアルバムだ。半分は数回聴き返す必要があるだろう。いくつかとても変わった曲がある。新しい方向性だ。彼のジャズ・ルーツに触れている。「If You Can See Me」という曲はすごく自由で美しいジャズのコードが使われている。デイヴ・ブルーベックが喜びそうな拍子だよ」。そして、半分はボウイらしいものだという。

ヴィスコンティはまた、ボウイの新作はこれに留まらないとも言及している。「うまくいけば、2013年の終わりまでにはスタジオへ戻る」そうだ。「彼は復活した。ボウイは何をやりたいか見つけたんだ。アルバムを作りたがっている。それ以外はない」

ボウイの10年ぶりの新作『The Next Day』は3月リリース。現在のところ、ボウイ自身はインタビューを受けるのを拒否しておりヴィスコンティに一任しているといわれている。

Ako Suzuki, London
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